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ひとりごと2012年1月

 ここは私の独り言のページです。展覧会や映画の感想から、日頃思ったこと、感じたことを不定期的にアップしていきたいと思います。お付き合い下さい。



 1/30(月)『今日のネコ動画』


  土日にすることが多くてひとりごとも書く時間がない。
  こんな時は・・・

   ・・・ネコの動画をアップして時間をかせごう。

  ということで超人気のネコ動画をひとつ。

     
      「Cat mom hugs baby kitten」
       http://youtu.be/Vw4KVoEVcr0

  母ネコに抱かれて寝る赤ちゃんネコ。

  口を開けてぐっすり眠り、ピクピク動く手がかわいいが、

      30秒にギュッと抱きしめる母ネコもいい。

 

  関連記事 1/8(日)『子猫たちの近況報告』


今、銀座のヴァニラ画廊で、リンクしている
富崎NORIさんの個展をしています。
七戸憂さんとのコラボ作品もあり、必見。
2月4日まで。 入場無料


 1/28(土)『ウエスト・サイド物語BD』


  私にとって生涯でもっとも好きな映画が「ウエスト・サイド物語」である。

  映画について感想を書きだしたら止まらないので、今回は省略するが、

  好きな映画なので、LDやDVDが発売されるたびに買ってきたけれど、今度のブルーレイはそれまで
  とまったく違うクオリティの高さ! 65mmのプリント原版から4Kスキャン(*1)したもので、
  映像の情報量がそれまでとはまったく違っている。その上、時間をかけてリストア(キズやゴミの除去)
  してあり、解説書によると主人公マリア(ナタリー・ウッド)とトニーの「♪トゥナイト」を歌う1場面
  の修復に30日費やしたそうだ。

      

  映画ファンなら誰でも知ってるジョージ・チャキリスが踊るウエストサイドを象徴するカット。数年前、
  DVD制作時に作ったニュープリント・デジタルリマスター版が銀座のテアトルシネマで上映されたので
  観に行った。その時初めてスクリーンで観て気が付いたことがある。

  それは、今までこのカットにはダンスしている3人だけしか写ってないと思っていたら、3人の背景に8人
  のエキストラ(通行人)が写っていたのだ。テレビではもちろん、LDやDVDでも気が付かなかったけど、
  大きなスクリーンで観てやっと気が付いた。が、今回のBDではっきりと確認できる。つまり、それだけ
  画質がクリアでシャープになったということだ。(上の写真はBDの画面を撮ったもので、よく見ると通行
  人がいるのがわかる)

  次に色の発色がすばらしい。マリアのアパートのシーンはたいがい夕景か夜で、その場面では赤や緑のライト
  で照らされてるが、画質に濁りが無くて抜けがいいため、ビビッドな色の発色がすばらしい。それだけではな
  い、伝説のデザイナー、ソウル・バスが作ったエンドタイトルのドアの色や、街に駐車している車のパステル
  カラーのボディが、それまでぼんやりしてたのが、色としてはっきり再現された。シャープになったのと同時
  に作品全体が色にあふれてて、初めて見るような驚きがある。

  すごいのは画質だけではない。音もクリアになって、セリフが真ん中にしっかり定位した。
  センタースピーカーからはっきりとセリフが聞こえ、それまでのぼんやりしていたステレオとは違って、芯が
  出た。

  ウエストサイドファンなら迷わないで買うべきだと思う。
  今販売されてるのは50周年記念版としてロビーカードやブックレットがついた豪華BOXで高価なので、その
  うちオマケをなくして安くなったバージョンが出るので、そちらをオススメします。

  そういえば去年、話題になったナタリー・ウッドの死の真相は、どうなったんだ?

 

  (*1)4Kスキャン
   4Kは画素数のこと。規格や基準が異なるので正確ではないけど、簡単にいうと、今までのDVD画質がほぼ1Kで、ハイビジョンは
   その倍の2K、さらにハイビジョンの2倍の情報量が4Kとなっている。面積でくらべると、DVDの16倍の情報でスキャニング
   したのが4Kだ。


   関連記事  2010/10/22『ロッキーホラーショーのプレミアムBD』


今、中国は春節で正月休みだそうだ。
銀座へ行ったら、中国人の旅行者の
観光バスがズラッと来ていた。

 1/25(水)『フランスの映画博物館(フランス旅行記その9)』


  コダック社の経営破綻の流れからフランス旅行記も映画の話題を紹介します。

  展覧会をしたマレ地区に、その昔、ゴダールやトリュフォーが若かった頃にかよった映画館が
  あると作家の上原氏から聞いた。映画ファンの端くれとしてはぜひ行かなければと、旅行前に
  ネットで調べてみた。

  ところが、映画館の名前がわからなこともあって、グーグルでいくら検索してもなかなか見つ
  からず、ようやく『パリ8区にある』と見つけた。が、他の文では『5区に移転した』ともあ
  り、『シャイヨー宮に移った』とかバラバラ。『ポンピドゥーセンターにある』ともあったし、
  いったいどれが本当なの? 誰かおせ〜て状態。

  日本で売っているガイドブックを見てもほとんど紹介されてなく、ただ1冊、「わがまま歩き・
  パリ」に載っていたので、それをたよりに行ってみた。

  私のようにネットで調べる人のためにはっきり書くと、現在は12区のベルシー公園内に移って
  いる。


      

  名前は「シネマテーク・フランセーズ」。

  ここには4つの映画館と映画博物館、映画に関する文献を集めた図書館があって、映画を愛する
  人達のために利用されている。行った日は特別展示としてフリッツ・ラングの「メトロポリス(*1)
  展」をしていた。

  まず、映画博物館は、映画の創世記のプラキシノスコープやミュートスコープ(*2)に始まって、
  当時のカメラや映写機など、実際に使われたものが展示されている。プラキシノスコープやミュート
  スコープは、ハンドルを回してのぞくことができ、その仕組みを体感できるようになっていた。

  博物館は、映画の歴史全般にわたっての展示で、それはそれでいいけれど、私としてはルイ・マルや
  ルネ・クレマン、ルルーシュ、ド・ブロカ、ロベール・アンリコなどのフランス映画についての展示
  を期待していたので、いささかがっかりした。

 

      

  企画のメトロポリス展は、当時の衣装や小道具、セットの模型、絵コンテなど充実していた。それと、
  近年行ったレストア(デジタル修復)作業のドキュメンタリーも上映していた。上の写真はその時もらっ
  たパンフレットとチラシ。次回の展示はティム・バートンの「不思議の国のアリス」だ。

  このシネマテーク・フランセーズについては下記サイトでくわしく紹介されている。
  「MMF フランス美術館・博物館情報」
  http://www.museesdefrance.org/museum/special/backnumber/1105/special01.html


  ここを読むと、先に紹介したように施設の場所を転々としていたのがわかり、その都度、名称が変わった
  り理事長も変ったりで、実際、シャイョー宮にあった頃に火事になったそうである。

  私の勝手な想いだが、ゴダールやトリュフォーがかよっていた当時のまんまの小さな映画館を残して欲し
  かった。こぢんまりとした町中の小さな映画館で、ロビーにフランスの俳優や監督の写真が飾ってあるよ
  うな。

 

  (*1)映画「メトロポリス」
  1926年製作のドイツ映画。監督はフリッツ・ラング。映画の黎明期に作られたと思えないほどのクオリティ高いイメージと
  デザインのSF映画。80年代、ロックバンド、クイーンの「RADIO GA GA」のVPに使われた。

  (*2)プラキシノスコープやミュートスコープ
  プラキシノスコープは、フランスの画家エミール・レノーが発明したアニメを見る映写機。円の内側に描かれた絵を、内側の鏡に
  映して観るもの。ミュートスコープは箱もので、コインを入れてのぞき窓を覗きながらハンドルを回して中に入っているカードを
  パラパラめくって動画を見ることが出来るもの。女性が服を脱ぐようなお色気物が多かったそうで、映画「エマニエル夫人」にも
  登場している。日本でも昭和の頃、温泉旅館で脱衣所の廊下に置いてあったのを知っている。 


  関連記事 1/18(水)『ロダンとセミ(フランス旅行記その8)』


タレントのJOYとユージが似ていると
いわれてるが、それよりも
深津絵里と吹石一恵の違いがわからない。(^_^;)


 1/23(月)『コダック社が経営破綻』


  映画フィルムを販売していたコダック社が経営破綻した。

  コダックは写真フィルムで時代を築いたアメリカを代表する企業で、デジタルカメラの普及に
  ともった環境変化の対応に遅れたようだ。

  私が会社に入った頃はビデオはなく、すべてフィルムで撮影しいた。調べてみると、平成10年
  制作の「わたらせの四季」という作品が私にとっても会社としても最後のフィルム作品だった。

  助監督の私は、ロケの前にコダックに電話して16mmフィルムを注文していた。

  「5247(ゴーニーヨンナナ)の100巻き片目を5本お願いします!」

  『5247』というのはフィルムの種類で一般的なカラーネガタイプのもの。
  『100巻き』は、100フィート巻きのことで、フィルムの長さをあらわしている。
  ちなみに100巻きは約3分撮ることができる。今にして思うと、たった3分しか撮れないんだから
  驚きだ!(でも、それが普通のことだった)

  『片目』とは、フィルムのサイドについているパーフォレーションという穴が片側だけについてる
  ものを言う。他には両目についてるものがある。

  当時、私がフィルムを注文しているのを聞いた新人が、『片目』のことを『固め』と勘違いし、
  「さすが、プロはフィルムを買うときに“固め”と“やわらかめ“ を選ぶんですね」
  と目を輝かせていた。

  あのね、ラーメンじゃないんだから…。(^_^;)

     
     上が会社のロッカーに残っていたコダックの16mmフィルムパッケージ。
      これが100巻き。右の箱には現像所に出すための缶表(かんぴょう)が貼ってある。


横浜で初雪が降った。
これで連続していた乾燥注意報は解除された。
乾燥注意報が解除されたのはいいけど
寒いし、通勤が面倒だよ。

 1/20(金)『秘蝋の宴 満珍全席 −艶春特別開帳・都築響コレクション−18禁』


  新年早々、また変なものを観てしまった。(観たのは1月7日)
  それ以来、このひとりごとで紹介すべきか否か悩んでいた。

  ・・・それは、銀座のヴァニラ画廊でやっている
  『秘蝋の宴 満珍全席 −艶春特別開帳・都築響コレクション−』である。(21日まで)

  これは九州のとある老人が蝋人形師に個人的に作らせていたコレクションで、老人が亡くなった後
  蔵から発見された。そのコレクションは、女性の裸体を作ったものと、男性・女性の性器を中心にした
  腰の部分が28体! まさしく前代未聞のコレクションである。

  そんなに広くないヴァニラ画廊いっぱいに全裸や性器の蝋人形が並べられて、さすがに退いた。(+_+;)
  性器をまじまじとみせられるとグロテスクで、時間を掛けて鑑賞するという気持ちにはなれなかった。

  蝋人形は皺の寄りぐあいから皮膚のざらつき、産毛、気持ち悪いぐらいリアルだ。
  誇張された表現ではあるが、艶めかしくてグロテスクだ。

  会場にいた観賞者が、さわってみたいと店員にたずねたら、作品は困るのでと、同じ素材で作った
  蝋燭をだしてきた。私もさわってみると、シリコンほど軟らかくなく、しっかりとした固さがあって
  滑らかな肌は、さわってるうちに自分の手のぬくもりが伝わって温かくなってくる。聞いた話しによると、
  触っているうちに手の体温で温められ、しっとりと汗ばむようになって指に吸いついてくるそうだ。
  ゾクゾク

  北九州の片隅の、蔵の奥深くに眠っていた秘蔵コレクションが、不思議な縁で人々の目に触れることに
  なった。これは、もう二度と観られることはないだろう。それを銀座で展示したヴァニラ画廊はすごい!


  昔から神社で性器の形をしたご神体を崇めて子孫繁栄と五穀豊穣を祈る祭りもあるので、
  ちょっと退きながらも、ありがたいと思って拝んで帰った。(笑)

  興味のある人は明日までです。
  ヴァニラ画廊 http://www.vanilla-gallery.com/index.html

  「秘蝋の宴・満珍全席 -艶春特別開帳・都築響一コレクション-」
   2012年1月6日(金)〜1月21日(土)
   平日12:00〜19:00(土・日・祝12:00〜17:00)
   入場料:1.000円(ただしお土産付) 18禁です。
   ※お土産は新年にふさわしい(?)お守りでした。

   関連記事 1/13(金)『松井冬子展』


イタリアで豪華客船が座礁して転覆した。
まるで映画「タイタニック」。
しかし、船長は乗客よりも先に救命ボートに乗って
陸にあがっていたらしい。ひどい!


 1/18(水)『ロダンとセミ(フランス旅行記その8)』


  Linkしている撫子凛さんはフランスへ1年間ステイしていたことがある。
  そこで、パリの美術館でどこが好き?とたずねたら、『ロダン美術館』と答えてくれた。

  で、私も行って来ました〜。

     

  見てください、この庭園。
  ここはロダンが晩年、住居兼アトリエとして使っていたところです。
  緑が美しい英国式庭園を歩きながら、点在するロダンの作品をゆっくり鑑賞できます。
  太陽の下で観賞できるというのは彫刻ならではですね。

     

  陽射しが暖かくてのんびりと観賞しました。まるで天国にいるみたい。

  パリに来たら、ぜったい 行くべし!!

      

  ロダンといえば有名な、『考える人』。
  考える人は正面、向かってななめ左から見た形がいいですね。
  反対側だと、ペロンとたれた変な髪型が気になります。(*1

      

  後ろに回って背中を見ると・・・

  あれ?普通なら背骨が盛り上がって山になるところが溝があってくぼんでいます。
  この割れたような溝は何だろう。何かが生まれてきそうだし・・・。

   ・・・で、連想したのはセミの抜け殻。

      

  ひょっとするとロダンは、考える人の中から、成長した人が出てくるイメージで造ったのでは
  ないでしょうか。

  "羽の生えた考える人"が、背中から脱皮して青空へ飛んでいくのを想像して楽しんだ。。

  ちなみに、「考える人」は「地獄の門」という作品の、門の上で地獄を観ている人を単体として
  創ったそうです。(*1)


      

  これが元となった「地獄の門」。

  庭の隅にレストランがあって食事もできるし、アイスクリームも売っていて、
  女の子たちがアイスを食べながら彫刻を鑑賞していたのが印象的。
   ・・・日本の美術館ではあり得ません!

  凛さんが推薦する通り、ロダン美術館は私にとっても好きな場所となりました。

   (*1)ペロンとした髪型?
     後になって気が付いたけど、あれは髪型ではなく頭巾のような帽子です。「考える人」は、ロダンが
     最初につけたタイトルは「詩想を練るダンテ」でした。ダンテの肖像画を見ると、あのペロンとした
     帽子のような頭巾をかぶっていました。

   (*2)「考える人」は何を考えてるか?
     「考える人」は、ロダンが最初につけたタイトルが「詩想を練るダンテ」らしいので、「地獄の門の人」とは別だと思う。
     「考える人」が考えているのは、よく言われる『地獄で苦しむ人々を見てる』という説ではなく、人生とか恋愛とか鑑賞者
     が個々に感じたことでいいのではないだろうか。

   関連記事  2011/12/15 『凱旋門に登った(フランス旅行記その7)』


NHKのEテレで
「とよた真帆のネコ学」がはじまった。
毎週月曜日、夜10時25分から。

 1/15(日)『とよた真帆のネコ学』


 Eテレ(昔の教育テレビ)の「極める」という番組は、こだわりを持つ著名人が、研究者やプロの話を聞いて、自分のこだわりに磨きをかけるという番組だ。

 今月は女優の、とよた真帆さんによるネコについての番組がはじまった。<全4回>
 とよた真帆さんって6匹のネコを飼っているんだって。

 第1回は「驚きの身体能力を探る」で、ネコのすぐれた身体能力を特集した。
 私もネコについてはいろいろわかっていると思っていたが、初めて知ることが多かった。

 面白かったことをあげると、猫は細い塀の上を歩く時は尻尾でバランスを取ることや、猫が前足を手のように使えるのは長い鎖骨(さこつ)があること、ネコは犬と違って爪を出し入れできる。それは単独行動で狩猟することからくるもので足音を消すため。ちなみに犬は群で狩りをするので爪を隠す必要がないそうだ。

 1月16日(月)第2回は「気まぐれの秘密」。
 ネコは、こっちが近寄ると逃げるけど、気分が変わると近づいてきて甘えたりする。
 そんな気まぐれなネコの心理を学ぶらしい。楽しみだ。

 ちなみに、第3回は「ネコをあがめた日本人」、第4回は「ネコ社会の不思議なしきたり」です。


 そうそう、1月16日の11時30分〜11時55分に第1回の再放送があります。
 見のがした方はぜひご覧下さい。


 「とよた真帆のネコ学」<全4回>
 NHK Eテレ 毎週月曜日、午後10時25分〜。

  関連記事 1/8(日)『子猫たちの近況報告』



 1/13(金)『松井冬子展』


 1月4日、新年初めの展覧会は「松井冬子展−世界中の子と友達になれる−」だった。

     

 松井冬子展は、日本画家、松井冬子さんの公立美術館において初めての個展で、藝大の卒業制作から新作を加えた約100点にのぼる松井冬子の全貌を網羅する展覧会である。

 まず、見たかったのが「世界中の子と友達になれる」から。

     
        「世界中の子と友達になれる」

 この作品は181.8×227.8cmの大きい作品で、パネルで仕切られたコーナーに展示されている。
 コーナーに近づく時、まず、作品の全体を遠くから見ることになるが、その時は藤棚の花と少女という、童話の一場面のようなメルヘンチックな印象を感じる。が、近づくにつれていい知れない胸騒ぎがしてくる。

 藤の下にいる少女を見ると、目は白く濁り、画面の外を向いている。誰かに話しかけようとしているのか、聞いてるのか、そっと気配を伺っているように見える。何か変だな〜妙だな〜(by 稲川淳二)と、よく見ると、少女は裸足で、しかも血がにじんでいる。指も何かを掻きむしったように血がついている。「どうしたの?」と声をかけたくなるが、その少女は足や手が痛いという素振りはない。それよりもフレームの外が気になるらしい。

 次に、画面の右に乳母車があるのを見つけるが、子どもの姿はなく車輪もはずれてて使われてないようだ。

 少女と乳母車を見比べていると、その間に黒い蜂がいるのに気づく。「あっ」と思って下がると、藤の花の先端に影のように黒く見えていたのは、黒い蜂の大群だった!(写真で藤の花の先が黒くなっているところは全部、黒スズメ蜂の大群)。まるでホラー映画を観ているようだ。白雪姫のような昔の童話の多くは一般に知られているのは教育的でやさしい話だけど、その元となった話しは残酷な内容だったりして驚くことがあるが、この「世界中の子と友達になれる」を見ててそんなことを思い出した。

      
           「浄相の持続」

 「浄相の持続」という作品は、美しい女性が胸から腹にかけて切り裂かれ、内蔵がはみ出している。でも、顔は清らかで、観客の方を向いて微笑んでいる。まるでゾンビ映画。

 でも美しい

 松井作品は死体や内臓、髪の毛、骨盤とアヤメを合成したイメージなど死を連想するものばかりで、グロテスクだとか陰惨だとか思われがちだけど、実物の作品を見て、私にはそのような暗い印象は感じられなかった。それは血が流れてないのもあるが、他者に殺されたのではなく、この女性が自分で腹を裂いて内蔵を見せているように思える。「どう、よく見なさいよ」と言わんばかりに『どや顔』で鑑賞者をにらんで笑っている。

 この作品は死体が腐敗していく過程を描いている九相図のひとつ(注1)である。その中のたん相とよばれる、死体に蛆虫(うじむし)がわいてる図があるが、それも汚らしくなく見えず、まるで雪が積もっているかのような自然な美しさを感じた。中にはウジ虫と気付かないで通り過ぎる人もいたと思う。

 松井作品には時々このようにグロテスクなイメージを変容させて美しく見せる作品がある。

 先にも書いた「世界中の子と友達になれる」の藤の花の影が蜂の群だったり、ウジ虫と雪。「短時間の強力な蘇生術を行うらついてとくに必要とされるもの」では、水たまりに桜の花びらが散っててきれいだなと思ったら、実はラット(実験用の白二十日鼠)だったりする。松井は死というのはグロテスクで陰惨なものではなく、むしろ清らかで汚れがなく純粋に美しいものだといいたいのでないだろうか。今回の個展を見て私にはそう思えた。

 実は、私は「安全な幸福をもたらす普遍的万能薬」という作品を見たくて楽しみにしていたが、図録に印刷されてるのに展示されてなかった。係員に尋ねてみると、都合により急遽、展示をやめたのだそうだ。がっかり。・・・そういうのは会場の入り口に記載して欲しいものだ。 

 「松井冬子展−世界中の子と友達になりる−」
 会  期 2011年12月17日(土曜)〜2012年3月18日(日曜)
 開館時間 10時?18時(入館は閉館の30分前まで)休館日
 横浜美術館 http://www.yaf.or.jp/yma/index.php 


 (*1)
 九相図(くそうず)とは屋外に放置された死体が腐敗していく経過を九段階(九つの図)にわけて描く仏教絵画である。死後、そのまま横たわった体に始まって、腐った肉と化し獣や鳥に食い荒らされ、ウジ虫がわいて最後に白骨された姿で終わる。

  関連記事 12/10『ぬぐ絵画展 ―日本のヌード 1880-1945』

   ※お詫び※
   多くの人に絵画に興味をもってもらいたいため、ネットでダウンロードした画像を貼ってあります。
   作家および関係者の方々にお詫び申し上げます。もし拒否される方はお手数おかけしますがメールを下さい。すぐ削除致します。



 1/11(水)『訃報』


  年明け、2人の訃報にショックを受けた。

  ひとりは俳優の二谷英明さん。

  先日、去年のCMベスト5を決めたとき、次点になった家庭教師のトライのCM(「特捜最前線」
  の吹き替え)に映像で出演していた。写真を載せるために動画を探してたがYouTubeになかっ
  たので、自分の手持ち画像をアップしようと思っていた矢先のことで驚いた。しかも、ニュース
  で知ったけど、娘の友里恵さんが家庭教師のトライを展開するトライグループの社長だそうです
  ね。だから「特捜最前線」のCMができたんですね。

  二谷英明さんといえば「特捜最前線」だが、私にとっては断然、映画「日本沈没」。
  インテリジェンスがある役で、私はあこがれの男性像だった。

  もうひとりは日本画家の小泉淳作さん。87歳。

  この正月休みにNHKの日曜美術館の番組で、小泉淳作さんの特集を見たばかり(放送は1年前のもの)
  だった。番組は、鎌倉・建長寺の蓮と奈良・東大寺の桜のふすま絵の制作を追ったドキュメンタリーで
  小泉さんの人柄が出ているいい番組だった。

  ご冥福をお祈りします。


明けましておめでとうございます。
今年も徳富ギャラリーを
よろしくお願いします。

 1/8(日)『子猫たちの近況報告』


  ひとりごとでは今年も絵の話題と共にネコの話題も送りますよ。

  ということで、去年、里親に貰われていった猫たちの近況写真が友人から送られてきました。

     
  まずは、この凛としたたたずまい、にこちゃんです。
  どうですか、大きくなって、なかなかの美人さんに育ってます。

  にこちゃんとさんちゃんはご主人が画家の三鷹のお宅に貰われました。
  広いお宅でのんびりと幸せに暮らしているようです。

 

     

  そしてお約束の2ショット

  去年7月4日の2匹と比べてください。

  仲良しで本当に幸せそうですね。

 

     

  一方、やんちゃないっくんは別のお宅に貰われました。
  こちらのお宅はすでに3匹の猫を飼われていて、いっくんと先住猫たちとうまくやっていけるか
  心配だったのですが、取り越し苦労だったようです。

  写真は先住猫のJETくんとお昼寝しているところです。
  どうです、この警戒心の無さ。のびのびリラ〜ックス

  この写真は少し前の物らしいのですが、今ではいっくんは大きくなって、体重が3キロ近いそうです。

  また、写真が届いたらここで報告します。

  関連記事 2011/7/4『現在の3匹子ネコたち』

       いっくんとにこちゃんの子供時代の動画「かわいい子猫_猫じゃらしに興奮」はこちら。
       http://www.youtube.com/watch?v=jeA1F0usURo



 1/4(水)『2011年、第5回 TVCMマイ・ベスト5発表!』


 新年恒例の私が選ぶ昨年のTVCMベスト5の発表です。

 2011年は、何といっても3.11の東日本大震災の影響から4月中旬まで派手なCMが自粛されたためにCM界に空白ができたことでしょう。

 では、早速、発表です。

 ※解説下のアドレスはユーチューブでの紹介ページです。このページにもどる時はブラウザの「戻る」ボタンで戻ってください。


 ■第1位 サントリー「上を向いて歩こう」篇「見上げてごらん夜の星を」篇

 3.11以降『頑張ろう』や『絆』をメッセージとしたCMは多かったけど、その中でも際だったのがこれ。商品や企業を売るだけではなく日本に元気になってもらいたいという想いが強く、CMの枠を超えた国民に向けての応援メッセージが光った。

 和田アキ子、近藤真彦、檀れい、本木雅弘、ベッキーの他に、大滝秀治、浜美枝、かまやつひろし、松平健、萩原健一、トミー・リー・ジョーンズ…。サントリーのCMに出演したタレント全71名がリレー式に歌った「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」。中には歌がうまくない人もいるけど、それでも一生懸命に歌う姿に目頭が熱くなった。大画面で見るとタレントたちの目が潤んでいるのがわかる。

 かつてサントリーには「広告は商品の宣伝のためだけでなく、CMを通して日本を元気にさせること」と謳ったCMがあった。今回、その通りのことを実践してくれた思いがします。拍手。


 この2つのCM、30秒と60秒と編集違いで約30バージョンあるといわれているけど、その中から右の5作品を選んでみました。

 YouTubeの画面下のコメントに各出演者名が書いてあります。



1.『上を向いて歩こうA』篇 60秒
  http://youtu.be/Jim8D5OahrY

2.『上を向いて歩こうC』篇 60秒
  
http://youtu.be/p8ZA3IvZnCo

3.『見上げてごらん夜の星をD』篇 60秒
  
http://youtu.be/fOUW9EhEWs4

4.『見上げてごらん夜の星をC』篇 30秒
  
http://youtu.be/XgVMqO4TZI4

5.『見上げてごらん夜の星をB』篇 60秒
  
http://youtu.be/aVE6HXHTQnk


  ■第2位 TOKYO GAS「家族の絆・お弁当メール篇」

 TOKYO GASというと妻夫木聡と小西真奈美の「ピピッとコンロ、東京ガスストーリー」篇が目立つが、こちらは情感にうったえる作品。

 親離れしたい息子と距離を保ちながらお弁当を通して応援する母の、どの家庭にもあるストーリーをテーマにした。登場する数々のお弁当の中身と、そこに重なるメッセージが心に響く。

 ぜひ、お弁当とメッセージに注目して2度見て下さい。母の愛情が身にしみます。

 おと年、同じテイストの「お父さんのチャーハン」篇があり、それにつづくシリーズもののようだ。ちなみに「お父さんのチャーハン」篇はこちら → http://youtu.be/UiKSFqnZYVc


東京ガス CM 家族の絆・お弁当メール篇

http://youtu.be/nNJni0rAqfI

 


 ■第3位 JR九州「祝!九州縦断ウエーブ」

 3月12日鹿児島に開通して九州新幹線の全線開業を祝って作られた作品。
 撮影は地元住民にポスターやチラシで呼びかけて、一度だけ走る撮影用の新幹線に向かって手を振ってくださいと呼びかけて作ったセミ・ドキュメンタリー作品です。

 約60台のカメラで撮影し、35時間の映像から編集されたこの作品。線路沿いに集まってくれた人達は2万人といわれている。その2万人の思いがひとつになって完成した作品です。

 ところが!

 その開業前日に東日本大震災が起こったため、たった2回放送されただけでお蔵入りとなってしまった残念な作品なのです。

 CMの最後のナレーションに、

 「あの日、手を振ってくれてありがとう、笑ってくれてありがとう。
  ひとつになってくれて ありがとう。 
  ひとつになった九州に新しい力が生まれています
  ひとつになった九州から日本は楽しくなるはずです」

 とあるので、震災以降の今でも、日本を元気にするために再放送すべきだと思うんだけど、どうでしょうか。

JR九州「祝!九州縦断ウエーブ」

http://youtu.be/g5kU6mImUh0

2011カンヌ国際コンクールで銅賞受賞


 ■第4位 ALSOK「安心戦隊アルソック」

 アルソックは以前からオリンピック選手を起用してきた。どちらかというと一般に向けてお笑いをとるような内容だったが、2011年はしっかり守るという強い印象をアピールしたかったんでしょう。

 女子レスリングの吉田沙保里ひとりにして、彼女のひきしまった表情が笑える。

 東映の戦隊シリーズのパロディで、画質を荒らしてフィルムの質感を真似たりタイトル文字も手書きのようにして古い感じを演出している。ださいんだけど憎めない作品です。


「安心戦隊ALSOK(春)」篇(30秒)
http://youtu.be/WHZuiDLE_xQ

「安心戦隊ALSOK(秋)」篇(30秒)
http://youtu.be/aBMzSKy7t4s 


 ■第5位 リクルート「住まい探しはSUUMO(スーモ)」

 住まい探しはスーモは、他に北海道の『まりも』みたいな“ゆるキャラ”が出演しているバージョンもあるが、地味だけどこちらの方が好きです。

 登場人物の心の声が聞こえる作品。小さな劇団が演じるようなよくある作品だと思ってたけど、シリーズ最終回まで見ると、ぐっと来てしまった。

 1位の「お母さんのお弁当」もそうだけど、3.11以降、日常の心温まるエピソードに涙もろくなった私です。

 紹介する動画は全話一本につながった総集編です。


「ココロの声ストーリー」(総集編)
http://youtu.be/zZ6EEZxgYaY


 ■同点第5位 ワコール「うわさのリボンブラ」

 私はこういうバカバカしさと一生懸命さが一緒になった作品が大好き!
 次点にするのはおしいので、今回特別に同点で第5位にした。

 こういう恥ずかしくてキッチュなノリを笑顔ナシで踊る女の子たちに拍手です。簡単な振り付けなのでブラを着けて踊ってみたくなる。 ← ジョークです。別にそんな趣味ないから

 長いけど貴重なので2分30秒のノーカットバージョンの動画をどうぞ。
 でも、この作品は30秒ぐらいが丁度いい。


歌劇「うわさのリボンブラ」全篇
http://youtu.be/yltINrDzeJw


 ■次 点 家庭教師のトライ「7年ぶり入会金無料」

 何年も前から放送されている特捜最前線の吹き替えシリーズ。でも、今回はネタにひねりが効いていた。

 吹き替えするのは声優ではなくシロートだし、口とセリフが合ってないし、その作りは極めていい加減! そのテキトーさが最高です。このシリーズは全部で何本作られたのでしょうか。見たいのにYouTubeにアップされてなかった。

 残念ながらYouTubeに動画がアップされてなかった。 自分でアップしようかな?



「7年ぶり入会金無料」
特捜最前線の吹き替えシリーズ


 ■特別賞 ACジャパン 「こだまです」篇「あいさつの魔法」篇など

 3.11以降、企業CMが自粛していた隙間を埋めていたのがACジャパンの啓発広告。放送回数は1ヶ月で約31,000回で、CM時間帯の80%がACジャパンの公共広告だったそうです。

 特に目立ったのが、
 ・ゆるいアニメと歌が耳に残る「あいさつの魔法」篇、
 ・「思い」は見えないけれど「思いやり」は誰にでも見えるの「見える気持ちに」篇、
 ・「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう…。金子みすずの「こだまでしょうか」篇、
 ・サッカー選手の長友選手たちの声をつないだ「サッカー選手のメッセージ」篇。

 特に人気があったのは、新語・流行語大賞にも登場した「あいさつの魔法」篇。あいさつをしましょうという子供向けの広告だが、何度も流れて耳に残ったのもあるが、派手な音楽もダンスもなくなった空白期に「ポポポポ〜ン」という歌のフレーズがやさしくて、ふだんの生活を取り戻すのに役に立ったと思います。

「あいさつの魔法」篇

 
 ■その他のお気に入りCM

  ・新メンバーかと話題になったAKB48のグリコ「アイスの実」(メンバー6人の合成)
  ・佐々木希と高田純次、漫画家の蛭子能収のアドリブが楽しいウィルコム
  ・カンヌで銀賞をとったNTTドコモの間伐材携帯「森の木琴」篇(1度しか放送されなかった)
  ・ブルースウィルスのボケが楽しいダイハツ、ミラ・イース
  ・ハリーポッターの雰囲気で、自動ストップ機能を搭載したベンツ
  ・やっと気が付いてくれて喜ぶ、かっぱ寿司の宇宙人シリーズ
  ・曙太郎と、くいだれ太郎が楽しいファンタのバンドシリーズ
  ・ドラえもんの20年後の実写作品、トヨタ自動車
  ・小雪から菅野美穂にバトンタッチしたサントリーの角ハイボール
  ・タレント親子が共演した日野トラックDUTRO(デュトロ)
  ・剛力彩芽さんの初々しさが魅力の積水ハウス
  ・熱血劇画が笑える岡山ローカルの「造船番長」
  ・事故に遭った宇宙人ジョーンズが平泳ぎで戻ってくるサントリー・ボス


 ■ 総 評

 先にも書いたけど2011年は3.11の震災から企業CMがまったく流れなくなったこと。その影響で流すタイミングを失ったCMは少なくないと思う。そのひとつがJR九州だ。去年強かったソフトバンクやサントリーといった馴染みのドラマCMも、視聴者が飽きてきたし、ネタ切れか面白さもなくなってきた。トヨタがアニメのドラえもんから20年後という新設定の連続ドラマが登場したけど、どこまで続くだろうか。

 2年前まで多かったパチンコCMは完全に姿を消し、スマートフォンとモバイルゲームが多く、KARAや少女時代、チャン・グンソクなどの韓流が増えたのと、国民的アイドルになったAKB48の出演が目立った。

 今年はどんなCMが登場するでしょうか。バカバカしくて楽しいCMを私は期待しています。
 ではまた来年お会いしましょう。

 関連記事 2010/1/10『2009年のTVCMマイ・ベスト5!』



 1/1(土)『新年のご挨拶』


 新年、明けましておめでとうございます。

 昨年はアクティブな年だったので、今年は落ち着いて派手なことはせず、慎重に活動したいと思います。

 本年も徳富ギャラリーをよろしくお願いします。<m(_ _)m>ペコリ
  




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