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ひとりごと2001年9月


 9/29(土)『森村泰昌のセルフポートレート展』


 私は今まで森村泰昌の作品を敬遠してきた。どこかあざとくってグロテスクで、芸術と認めたくなかったのが理由だ。ただ、それは食わず嫌いだったかもしれない。

 現在、品川の原美術館にてセルフポートレイト「私の中のフリーダ」展が行われている。普段なら見ないはずが、横浜トリエンナーレと協力で行われているTシャツをGETするために、しかたなく行かねばならなかった。

 ところが、いやいやながら行ったにも関わらず、美術館の入り口に飾ってある彼の作品、花輪で作られた「ハート」を観たとたん共感してしまったのである。しかも次に目に飛び込んできた「私の中のフリーダ(イバラの首飾り)」には、その美しさに圧倒されてしまった。

 「私の中のフリーダ(イバラの首飾り)」は、直径2メートル程ある大きな葬式用の花輪が写真の額になっていて、極彩色に彩られた森村の怪しいポートレートにマッチしているんだ。ギトギトしたペインティングされた写真と花輪が相乗効果によって、まぶしいくらいに輝いて見える。それからというもの、彼の作品の一つ一つに興味を持った。

 森村泰昌の作品は絵画の主人公に扮することによって、その作品の内部から作品解釈を行おうという試みのものである。同じようにポートレートを制作するシンディ・シャーマンとは、作品テーマが決定的に違う。

 私が今回、森村作品に共鳴したのは、残念ながら彼の方法論ではない。彼の中の目立ちたがりな部分、自らが主人公になって注目を浴びることのナルシズムに共鳴したのだ。それは、はからずも私の作品にも言えることではないだろうか。自分の作品も、森村のセルフポートレイトのように、ナルシストとしての自分の本性を虚飾でまとわった自分自身を描いていたのかもしれないことに気が付いた。
 そうであることは前から分かっていたものの、それを恥ずかしげもなく、画家本人が顔を出して、どうどうと作品として遂げる森村に感服したのである。私には自分をさらけ出す勇気がないのだ。森村の作品を観てナルシス魂がわくわくと動き始めたのだった。

 私も花輪で飾った作品を制作してみよう。

 私の中のフリーダ・森村泰昌のセルフポートレイト展 品川 原美術館
 7月20日〜10月7日まで(期間延長)03-3445-0651



 9/27(木)『近鉄優勝おめでとう!』


 さすが「いてまえ打線」、優勝おめでとう

 昨日、北川の代打逆転満塁ホームランで近鉄バファローズが12年ぶりに優勝した。私は近鉄の直接のファンではないが、今年のオールスターゲームで、横浜ベイスターズから移った盛田投手が脳腫瘍からのカムバックで出られたことに感動し、ぜひ、盛田に優勝を味わってほしいとのことから急きょ応援に回ったのだ(関連記事7/24)

 昨日、マジック1とした近鉄はオリックスとの地元での対戦。

 9回裏にして5-2で負けてはいたが、近鉄の「いてまえ打線」のことだから終わるまでわからないぞと、NHKBS中継をずっと観戦していた。正直言って9回表にオリックスがホームランで1点追加した時点であきらめかかったし、3点差ツーアウトなのに小林(元巨人/阪神)投手コーチが出てきて守護神・大塚を投入した時には『何もそこまでしなくても次があるじゃないか』と、半ばあきらめかけていたのは事実だ。ところがである。まさか、まさか、まさか本当に逆転するとは…。

 9回裏、近鉄の攻撃は、ヒットとファーボールから、あれよあれよという間に満塁になり、代打北川がコールされた時に応援する側はイケイケ・ムード。ここで一発出れば優勝だ! というファンの熱く盛り上がる気持ちをよそに、近鉄ベンチはのんびりムード。コケッ 中村ノリダーなんか「どうせムリだろう」とも言わんばかりにベンチにどっしりと腰をすえて、まったく普段通りの観戦スタイル。アレッ、そんなにのんびりしてていいのかよ、と心配していたら、オリックスの大久保投手の変化球が、力無くスウ〜ッと真ん中に入ってくるじゃあ〜りませんか。それを狙い澄ましたように北川は振り切ると、打球はスタンドへ。

 テレビを観ていたのを忘れて、私は大はしゃぎしてしまった。

 しかし、それまでアウトコースをきびしく攻めていた大久保投手も、あの一球、なぜもあんなに打ってくださいといわんばかりの力無い球になってしまったのだろうか。野球は筋書きのないドラマと言うけれど、本当にわからんワ。(これを書いているのは翌日の朝だけれど、未だに興奮冷めやらない徳富です)

 北川の放った代打逆転サヨナラ満塁本塁打は、藤田浩雅(阪急)が1988年6月18日、対南海13回戦で放って以来で、プロ野球史上6人目だが、優勝決定試合で打ったのは北川が初めてらしい。

 いやあ、本当におめでとう。




 9/24(月)『セルフ・ガソリンスタンド』


 ガソリンスタンドのセルフサービスにはじめて出会った。

 いつものように通い慣れたJOMOのガソリンスタンドに車を入れたが、すぐに店員がやってこない。しばらく待ってるとやってきて「当店はセルフサービスになっております」とのたまう。ダチョウクラブでないけれど「え〜、聞いてないよ」と、ちょっと怒りモード。そういえば、ここしばらく改装中で営業してなかったけど、まさかセルフサービスになったとは思わなかった。

 本当は面倒でイヤだったけど、だからといって断って帰るのも何だし…。と、渋々店員に教わりながらガソリンを入れてみた。手順は次のようになる。

 1.会員カードを支払い機に通す。(私はJOMO会員)
 2.金額を入れる。(先に仮払金を入れるのだ。これはいくらでも良い)
 3.車のキャップをはずしてガソリンを入れる。
       (ピストル形をした注入ノズルを一度は持ってみたかった)
 4.注入が自動的に止まったらノズルをはずしてタンクのキャップを閉める。
 5.金額が表示されるので精算し、レシートを受け取る。

 セルフの良さは、まず安いこと。それに500円分、1000円分と、店員を気にしないで好きな料金分(低額分)入れられるのが良い。はじめは面倒と思ったが、やってみると結構簡単だ。手が汚れるとも思ったがそんなことはなく素手で充分だし、いがいと楽しい。

 マイナス面は、釣り銭を受け取るには精算機という支払機とは別の機械のところへ行かなければならない、これが面倒。それに、そもそも車の外に出なければならない。天気なら良いが、雨や風、これから来る『冬』にはおっくうだ。最後に料金が安いのだけれど、喜ぶほど安くはない。近くのスタンドと比べたが、1リットル当たり3円ぐらいしか変わらなかった。

 はたして日本でセルフ・スタンドは有効なのだろうか?


急に寒くなりました。風邪に気を付けてください。

 9/21(金)『揖保乃糸』


 暑い日はそうめんに限る。

 銀座7丁目に高級そうめんの老舗『揖保乃糸(いぼのいと)』が経営するレストラン『庵(いおり)』がある。時々、ランチタイムにそうめんをツルリしに行く。

 銀座通りに面した8丁目、おもちゃの博品館の並び、太陽ビルの9階にある。店内は古木や竹を使った和風で洒落たおももちので、椅子やテーフブルの間隔が広くとってあり、とても落ち着く。

 ここで出されるそうめんは、揖保乃糸の中でも特級品とされる『黒帯』をさらに一年熟成させた『古品(ひねもの)』を使っているらしい。
 メニューの解説によると、一年越しのそうめんを古品(ひねもの)と称し、そうめんの中でも一番お美味しいものとして美食家たちに喜ばれている。そうめんは梅雨に湿気をすって発酵し、熟成して厄を終えます。古品は一年以上ねかせるので、完全に熟成し、風味、舌ざわり、腰のつよさは抜群である。とのこと

 さて、出てきたそうめんだが、まず見た目が美しい。氷が岩を、きれいに整えられたそうめんがゆったりと流れる川のようで、まるで京都の石庭「枯山水(かれさんすい)」を思わせる。そこに飾られた青い紅葉の葉。

 一本一本の麺がしっかりとしていて、独特の腰の強い歯ごたえがある。 最高級の素材を職人が茹ているので断然うまい。自宅で茹でるそうめんとは雲泥の差だ。つゆは濃くなく薄くなく上品で、そうめんの味を隠すこと無い絶妙のバランスだ。

 そうめん好きの方なら一度ご賞味あれ。

 冷やしそうめん680円 銀座『庵(いおり)』 銀座8丁目、太陽ビルの9階


関東の南に台風17号発生!

 9/18(火)『プライスドール2』


 ブライス・レプリカ・ドールはますます人気上昇中で、復刻版の第二、第三弾が発売される予定だ。プライスの楽しみ方は、プレミア度をあげるために箱入りのまま段ボール箱にしまっておくような上等な代物ではない。目の色を変えながら着せ替えるのが正当な楽しみ方だろう。ということで、さっそく私も挑戦した。

 小生は裁縫をやらないのでドレスを自作できない。よって既存のもの(吊し)を使う。

 まずひとつ目、お題は『'70年代ルック』。
 トイザらスで物色中に限定発売されている高校生リカちゃん用のドレスを発見。ヒッピー風のレトロなデザイン、高校生用だがベルクロジッパをちょっときつめにはめればブライスの身体でも大丈夫。次にアクセサリーコーナーにあったブレスレットを購入し、ニッパーで一部分を切ってカチューシャに流用した。

 ふたつ目は『科特隊ルック』。
 マーミットのえと子ちゃんシリーズとして販売されているウルトラマンの科学特捜隊の制服を着させてみた。えと子ちゃんは胸が大きいので、ブライスに着せると胸の部分がちょっと余るのが難点。ワンレグ髪がフジ隊員に見え、なかなか似合っている。

 本来は外に出て写真に収めるのがいいと思うが恥ずかしいので本日はここまで。
 まずは、完成品の写真を見て下さい。

『'70年代ルック』70年代ルック 『科特隊ルック』科特隊ルック

秋雨前線停滞でずっと曇り、青空が見たいよ!

 9/14(金)『プライス・レプリカ・ドール』


 "キモかわいい"って感覚?

 タカラからプライス人形の復刻版が発売されて人気を呼んでいる。
 ブライス人形とは1972年にアメリカのkenner社から1年間だけ販売された幻の人形だ。夏みかんのような大きな頭にリカちゃんの小さな身体。しかし、この大きな頭には仕掛けがあって、後ろのヒモを引っ張ると目の色が4色に変わるというギミックが付いている。

 ニューヨークで活躍している映像プロデューサーで人形コレクターでもあるジーナ・ガランという女性が、このブライスの写真集を出したのがきっかけとなり、ファッションに敏感な人たちの間に広まった。そして去年、パルコがクリスマスキャンペーンのイメージキャラクターとして使い、日本でもブレイクすることになった。

 何を隠そう私は5年前(現在のようにブライス人形が流行る前に)、原宿のトイ・ショップでブライスのオリジナルを発見、ほしいと思ったのだが、その時の値段が18000円。今にしてみると安いと思うが、当時はアンティークドールに18000円は高く感じて買いそびれてしまったのだ。今ではブームも手伝ってオリジナルはン十万円のプレミアがついている。ああ悔しい。o(>o<)o

 さて、復刻版を買ってみると、オリジナルで感じていた不気味さはさほどなく、かわいい印象を受ける。これはタカラが現代風にやさしくアレンジしているのだろう。よく見るとオリジナルは瞼(まぶた)が半開きだが、レプリカはパッチリしている。その差かな。でも、ギョロ目の頭でっかちは変わらない。最近で言う『キモかわいい』とは、この娘を表現するのにピッタリ。

 さて、ブライスの楽しみ方は、未開封のまま段ボール箱に入れてしまっておくのではなく、目の色を変えながら着せ替えて、外に出て写真を撮るのが正しい楽しみ方だろう。さっそく私も挑戦しようと思う。次回お楽しみに。

ブライス・レプリカ・ドールの写真を見るブライス


 9/12(水)『同時多発テロ発生!』


 昨夜11時頃、ひととおりの事を終え何気なくテレビをつけてみた。そこに映し出されたのは高層ビルの炎上、更に飛行機が飛んできて衝突、崩壊。まるで映画のようだった。しかも、突っ込んだのは戦闘機ではなく、ハイジャックされた一般の人が乗っている旅客機だとは、驚きと同時に憤りを感じる。むごい、あまりにもむごすぎる!

 日本時間にして昨夜10時頃、アメリカで同時多発的な自爆テロが起きた。まずニューヨークの110階建ての世界貿易センタービル。このふたつのビルに2機の旅客機が衝突。さらにワシントンのアメリカ国防総省にも、さらにペンシルバニア州のピッツバーグ近郊にも旅客機が墜落した。(昨夜の時点では大統領の山荘のキャンプデービッドにもとの報道もあった)

 テロというのは何の関係もない市民を巻き込むのが許せない。何としても犯人側の組織を突き止めてもらいたい。

 けど恐ろしいのは…、たぶんアメリカのことだから、報復攻撃を行うことになるだろうが、短絡的に暴力を暴力によって解決しようとするのは悪循環を招くだけであって私は感心しない。今後の展開次第によっては戦争にもなりかねないので、ぜひとも沈着冷静で的確な判断が望まれる。

 と思っていたら、これをアップしている最中、アフガニスタンの首都カブールの街が炎上している映像がCNNで放送された…。


昨日、生の叶美香を目撃、ごっつぁんデス。

 9/8(土)『第86回 二科展』


 上野の東京都美術館で行われている二科展を観に行きました。

 二科展は大正3年(1914年)に発足、日本三大美術展のひとつとされ、日本における現代絵画の基礎を創ってきました。いわば美術展の老舗です。

 ところが、今年の絵画は面白くありませんでした。

 私は毎年、観ているけれど、年々作品のボルテージが下がっているような気がします。とにかく観ている私の足を止めるだけの魅力ある作品、画家のエネルギーを感じる作品に出会わないのです。どれも似たりよったりで個性が感じられないんですね。

 二科展は絵画の他に写真、デザイン、彫刻の分野があります。絵画以外の分野、写真とデザインの方が魅力がありました。写真はみな同じ正方形のパネルに統一されていて、すごく見やすくなってました。一方、デザインは愛知万博をテーマにした作品群があり、それぞれ作家の解釈が比べられて楽しかったです。

 二科展よりも、となりで行われていた『主体展(第37回)』の方が若い感覚の絵が多く(私の主観ですが)斬新な絵もあって楽しめました。
 つまり、二科展は老舗であり一般に名は通っているけれど、若い人の参加数は減ってきているのではないでしょうか。

 芸術というのは観る人によって感じ方が違うので何とも言い難いのですが、私はもっと個性やエネルギーを感じる作品が好きです。


急に涼しくなり、風邪ひいたみたい。

 9/6(木)『最悪なジュース「ルートビア」』


 沖縄はご存じの通り米軍の基地があり、もともとの琉球文化にアメリカの文化が混在している。最近はそれほどではないが、その昔、沖縄へ行ったらステーキを食べろと必ず言われていた。それは本土より安くて量が多いからだ。

 ということで、沖縄ジュース飲み比べの第2弾は輸入ジュースです。

 まず、めずらしいのが茶色い缶の「クリームソーダ」。日本人のイメージと違って缶も中身も茶色。見た目が悪くて、とってもまずそう。でも、味はちゃんとクリームソーダなんだ。この缶ジュースは私たちにとってはめずらしいが、説明によると、沖縄の高校では必ず売っているポピュラーなものらしい。

 さて、最悪なジュースを発見。A&Wの『ルートビア』。ビアという名前に生ビールジョッキの絵が描いてあるので、一見、ビールと思うが、これは真っ赤なウソ。ノンアルコールのジュースだ。味はドクターペッパーにうがい薬のイソジンを数滴たらしたような味です。薬局の薬のような臭い味。私はドクターペッパーもガラナジュースも好きで、味の濃いジュースはOKなんだけども、このルートビアだけはダメです。今まで私が飲んだジュースの中で最悪で半分も飲めませんでした。どれだけ最悪かはYahooで「最悪 ルートビア」で検索したら224件もありました。自他共に認めるほどのまずさです。

 輸入ジュースはどれも味が濃くてコカコーラに近い。アメリカ人て、どうしてこういうコーラ系の薬臭いのが好きなんでしょうか。アメリカ人の味覚が理解できない。

 次に、懐かしいジュースを発見。「セブンアップ」だ。私が子供の頃、プールの帰りに自販機で飲んでいたことがある。当時はセブンアップかジンジャエールが好きだった。ジンジャエールも最近見ないなあ。このセブンアップは、三ツ矢サイダーに負けたのか最近は売っていない。ところがアメリカでは販売されてたんですね、よかった。ちなみに味は、三ツ矢サイダーより甘さ控えめで、とってもさわやかでお美味しいです。

 以上のジュースは横浜の鶴見区、仲通り商店街で手に入ります。ルートビアの自販機もありますので、興味のある人は一度、ご賞味あれ。

 ということで、4種類の輸入ジュースについて写真入りで感想を書いたのでご覧ください。

『沖縄ジュース飲み比べ2写真を見る』ここをクリック

関連記事 8/29『沖縄ジュース飲み比べ』



 9/3(月)『武富士のNewダンスCM』


 ¥shop(エンショップ)武富士のコマーシャルが最近新しくなった。それまでは銀色ワンピースのレオタードだったのが、一転、黒のへそ出しセパレートになり、ダンスもよりパワフルになった。

 私は数年前から好きなテレビCMを集めて録画している。それによると、武富士のダンスCMは平成2年頃の白のレオタード・バージョンがはじまりで、3人のお姉さんが巨乳をユサユサ揺らし、ダンスよりも胸が主役のCMだった。次にシルバーのワンピースになり、平成6年頃の紺のレオタード・バージョンを経て現在に至る。途中、ラテン音楽のO.Lバージョンもあった。(歴代のCM写真を見たい人は下の「写真を見る」をクリックしてください)

 新作は30秒ものが3バージョン。ひとつはダンスのみだが、もうひとつが変わっている。ロッカールーム編である。これが楽しい。ダンスを踊っている数人の女の子たちが、オフィスでの仕事を終え、ロッカールームで着替えをしている設定である。 A子「昨日、武富士に行ったんでしょ?」 B子「結構、感じ良いのよ」 C子「やっぱり、一番は一番」 D子「そう、一番が一番」 A子「一番、一番って…」と、A子が振り返ると、B子、C子、D子は黒のレオタードを着てダンスのポーズを決めているというもの。実際のダンサーなので芝居はヘタだが、彼女たちの素顔が見られるのが楽しい。

『歴代のダンス写真を見る』はここをクリック武富士ダンス

 クラブタケフジ(武富士のホームページ内)の「ニューダンサーズ2001」に行くと新CMがQuickTime動画で見ることができる。また、メンバーのプロフィールもあります。

 クラブタケフジ http://www.takefuji.co.jp/club/top.shtml



 8/31(金)『ところてんのような映画「A.I.」』

 
 やっとのことでスティーブン・スピルバーグ監督の『A.I.』を観てきました。
 正直、今いちだったね。観賞後に疑問が残るというか、透き通ってとらえどころのない、ところてんのような映画だった。

 お話しは、難病にかかった息子を冷凍保存しているスウィントン夫妻のもとに「愛」をインプットされたロボット少年デイビッドがやってくる。はじめは困惑した奥さんだが、次第に自分の息子のようにデイビッドをかわいがるようになる。ある日、実の息子がめざめて帰ってきた。息子とデイビッドはうまく付き合うことが出来ず、仕方なくデイビッドを捨ることに。デイビッドは母に愛されたいために人間になるための旅をする。

 観る前はピノキオをベースにしたお涙頂戴映画と思っていたが、そんなに単純ではなかった。ファンタジックで美しい映像もあるが、全体を通してどことなく暗い印象が残る。

 特に第一幕のスウィントン家の場面では、じっと動かずに母を見つめるデイビッドが怖かったし、突然、大声で笑って驚かされたり、実の息子と食べ比べして顔が変形したり(気色悪い)、子供たちがデイビッドに刃物でいたずらしようとしたりする。普通の映画なら、楽しい日常をじっくり描いていいはずが、なぜか神経を逆なでするような棘を感じてならなかった。観る前に想像していた”爽やかな家族映画”ではなく、どこかオカルト映画のような暗い影を落としている作品だった。

 たぶんそれは、もともと「A.I.」を企画していたのが巨匠スタンリー・キューブリック監督だからかもしれない。第一幕の家族の中には「シャイニング」を、第二幕の閉鎖的で暗い未来世界に「時計じかけのオレンジ」を、第三幕のファンタジーの世界に「2001年宇宙の旅」の匂いを感じてしまう。それは私の思いこみだろうか。

 私がこの作品に満足できないのには大きな理由がある。それはエンディングがふたつあることだ。

 

    <以下、映画の内容に言及する内容を含んでいます>

 

 ラスト、妖精に出遭って奇跡を願うデイビッドだが、とうとう奇跡は起こらなかったという場面がある。ここでシニカルな寓話として終わるのかと思いきや、その後、DNAによって母親が再生され、一夜の思い出づくりとなる。観ていてエンディングがふたつある印象になった。そこが納得できない。

 私はここに、この作品の迷いがあると思う。これは憶測だが、当初キューブリックが構想として考えていたのは妖精に出会って奇跡を願うデイビッドまでだったのではないだろうか。しかし、スピルバーグが監督するにあたって、それではあまりにも救われないとして彼自信が母の再生場面を追加したのではないか。そこでエンディングがふたつ出来てしまったのだ。

 映画は基本的に目的と結果が一本の線で結ばれるシンプルな構造がいいと思う。エンディングがふたつある分、上映時間も長くなり、前半部の母とディビッドの描き込みが足りなく印象が薄くなってしまった。

 評価65点。
 オスメント君の演技は確かに良い。ロボットの時と、登録されて人間風になった時と、感情を持った時の差を、大げさな演技をせずに、きっちりと演じ分けていた。特に母を見つめる目が良い。

 それにしても、デイビッドをつくった博士が理解できなかったし、テディにもっと大仕事をしてほしかった。あのジャンク屋の一連のシーンも好きになれないし、エンディングに登場する宇宙人だかロボットもはっきりしないし、もやもやが残る映画だった。



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ここに書かれている内容は徳富の個人的な感想によるものです。
特に悪意はありませんし、下心もありませんので、ご了承下さい。


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