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ひとりごと2003年9月


 9/30(火)『原監督辞任について怒り!』


 まさかと思ったと同時に怒りも感じた。

 昨年、原は巨人の監督として就任して一年目でペナントを征する。しかも日本シリーズでは4勝0敗のストレートで優勝し日本一となった。球団渡辺オーナーも絶賛、ファンも野球解説陣もそろって原は監督としてすぐれていると連呼しつづけた。なのに、一転、今年ちょっと成績が悪いからといって責任をとって辞任するというのは、原自身に対しても、そういう気持ちにさせた球団フロントに対して『喝!』だ。

 まず、今期の成績不振は誰が見ても原の責任ではないはずだ。主砲松井が大リーグに行き、残った選手は年輩者が多く不振の上、故障者続出。これでは誰が監督したって無理である。球団も3年契約にしているのだから途中で辞めさせるなんて無責任すぎるじゃないか。責任感がある原は裏切られた気持ちに違いない。

 さらに、原の辞任会見になぜ堀内新監督がいたのか。突然のことであるならば、また去年優勝した監督を思いやる気持ちがあるならば『華』を持たせるために、原ひとり、もしくはオーナーとふたりで会見を行うべきだ。オーナーの言うとおり「これは巨人グループの人事異動だ」を裏付けたいつもりなら、こんなに冷たい球団はない。スポーツ界に「人事異動」はないだろう。さらに堀内も就任の発言で「青天の霹靂」はいいが、「自信がない」とか「不安で一杯」などと会見で言ってはいけないだろう。自分の気持ちの整理や決着がついてから就任会見をするべきだと思う。総じて今回の辞任・就任劇は巨人の印象を悪くするものでしかなかった。

 原は成績の悪さに辞任すると言っているが、実は違ってて、今月はじめの球団代表の交替や、選手のトレードなど、原監督の意志とは無関係に行われる球団フロントへの怒りの表われではないだろうか。渡辺恒雄氏が今回、原の歳を45歳とはじめて聞いたと言っていたが、そもそもそこからして球団の監督をよく知らないのはいかがなものか。「ジャイアンツ愛」を打ち出して優勝した原監督に対して、まったく「愛」を感じないフロントに対して怒りしか残らない。

 巨人の成績が悪いからといって原が辞めるのなら、横浜ベイスターズの山下監督はどうしたらいいんだ。球界から永久追放にならなければいけないぞ。



 9/27(土)『巨大グモはゴキブリを食べてくれる』


 しばらくぶりに車を走らせたら、動き出して突然、フロントガラスの上を巨大グモが駆け抜けて行った。クモ嫌いの私は驚きのあまり急ブレーキ! それはアシダカグモと言い、日本の家屋に棲む巨大グモである。足を広げると10センチから20センチまであるだろう(印象から)巨大で、黄土色したタランチュラみたいな奴だ。

 そいつは車のボンネットの排気口に住み着いていたのだろうが、急に車が走り出したものだから、身の危険を感じてあわてて逃げだしたに違いない。よりにもよってクモ嫌いな私を前にフロントガラスの上を走るから、見たくもないクモの裏側をバッチリ見ることになるし、フロントガラスに覆い被さった瞬間はパニック映画でも観るようだった。こっちも振り落とさんばかりに急いでアクセルを踏み込んだので、走る車から振り落とされたのか自から飛び降りたかは分からないが、目的地に到着してから探したがどこにもいなかった。

 数年前にも同じようにあたふたと逃げる奇怪なものを見たことがある。それはクモヒトデ。足が細くて長いヒトデである。珊瑚礁に棲んでいるのだが、とある海岸工事の水中撮影していた時に、流れ出たコンクリートが岩場を覆い被さろうとした時、動物はいないはずの海中をギクシャク動いていた。5本の足(学術的には「腕」らしい)をバタつかせて走っているではないか! 目を疑った。ヒトデといえばほとんど動かないはずなのに、あきらかに私の目の前をそのヒトデは走っているのだ。しかもギクシャクした動きが、いかにも泡食っている様子で、奇妙なおかしさがあった。そりゃそうだ、のんびりしていたらコンクリートに埋もれてしまうんだもの。本人にとっては一生に一度の大惨事だろう。血相を変えて逃げていた姿が目に焼き付いている。

 そうそう、先のアシダカグモの話しに戻るが、この巨大クモは人家に棲み着いて、ゴキブリを食べる益虫だそうだ。そこで気が付いたのは、毎年、うちはゴキブリがいなかったのに、最近になって何匹か出現するようになった。もしかしたらあの巨大グモはうちのゴキブリ退治の功労者だったのかもしれない。もしみなさんの家に巨大グモがいたら大切に飼ってあげてください。


暑さ寒さも彼岸まで、昔の人はえらいなあ。その通りだもの

 9/23(火)『藤城清治影絵展』


 銀座の文教館ビルで『藤城清治影絵展』が行われている。

 誰でも一度は見たことであるだろうメルヘンチックな影絵、印刷物でしか見たことなかった氏の作品を影絵本来の姿である光を通して見るチャンスなので行ってみた。

 会場は床も天井も黒で塗られて、迷路のように仕切られていていがいと奥深い。その中に透過光でうかびあがるカラフルでやさしい作品が幻想的な空間をつくっていた。中には小さな池もつくられていて心が落ち着く。

 作品としては、ご本人もコスモスの花が好きだと言っているとおり、作品「コスモスはうたう2003」は、コスモスの淡い色がきれいで、またトンボ(私は藤城氏のトンボの表現が好きだ)がかわいらしく、さわやかな秋風を感じる作品となっている。横長のこの作品は左右に鏡がつけられていて永遠に作品が続いていくような仕掛けがあり、さらに作品の手前に池があって、水面に映る影絵も楽しめる。

 一番気に入ったのは、「ノアの箱船2003」。これは縦2m横3mぐらいの大作で、他の作品とは違ってこの作品は色をあまり使わずに、黒い岩場を真ん中に大きく配置し、箱船に乗り込む細々とした動物達のシルエットが印象的だった。他がカラフルな作品だけに、色を抑えた本来の影絵としてのシンプルな美しさがあった。

 私が映像の仕事をはじめた当初、もう20年前になるが、ある影絵劇団と童話を5作品ほどつくったことがある。影絵とは、物のシルエット(影)がつくりだす世界なので、本来黒い世界なのだ。藤城氏の作品は、ジャンルとしては影絵なのだろうが、どちらかというと切り絵の世界に近くて、カラフルなフィルターで表現するフィルター・イラストという印象がした。

 ただ、今回ちょっと残念に思ったのは、実物は意外と汚いないのが気になってしまった。というのは、作品に近づくと素材が見えてしまい、例えば影絵の切り口(エッジ)がささくれていたり、切りくずが画面に付着していたり、グラデーションを表現するために細かく切ったフィルターを重ねるのだが、のりで貼り付けた跡が汚れていた。メルヘンの世界を表現している作品なので、私には余計にそれが気になったのだ。まあ、ただ、それは細かいことで、作品を見るときには関係ないのだが、神経が細かい私の正確にはちょっと気になってしまった。

 『光と影の人生 藤城清治影絵展』10月19日まで 銀座・文教館ウェンライトホール



 9/20(土)『どっしりネコ』


 いやあ、今朝は涼しいなあ。
 おかげで普段、朝食を食べない私でも、腹が減ってカップラーメンを食べてしまった。「食欲の秋」とはほんまもんだ。

 昨日、本屋で思わず立ち止まった。

 今書店に並んでいる雑誌「猫びより」秋号の表紙のネコがあまりにもインパクトがあるからだ。

 「秋はネコも太る」と題した、表紙のネコは、顔は普通のマイケル風赤茶色のネコだが、首から下はでっっぷりと太り、相撲取りのようなどっしりとした風貌が勇ましい。太っているネコは数いるけれど、この写真のネコは他を寄せ付けない風格を感じる。

 ただそれだけなんだけど。


残暑が厳しいザンショ。

 9/16(火)『阪神タイガース優勝!』


 六甲おろしに、颯爽〜と。

 とうとう阪神が優勝した。星野監督の優勝インタビューでの「ああ、しんどかった」はまったくその通りだろうって笑ってしまった。でも、4月に私が注目していた赤星がさよならヒットを打つとは。他のチームファンであっても、ニュースで見る道頓堀の戎橋(えびすばし)に集まる人を見ると、うらやましくて、見学に行きたい気分になる。グリコの縦縞のユニフォームもかっこいいし。

 それよりも、ここ数日、阪神のマジックが点灯してほぼ優勝は決まったのに、テレビではあいかわらず巨人戦が放送されていることに疑問を感じていた。マジックが減るかどうか阪神戦が見たいのに巨人ばかり。放送枠や放送権を年の始めに決めてしまうからそうなるんだろう。もう少し臨機応変に各テレビ局は対応すべきだと思うよ。

 巨人戦の視聴率が下がったと時々ニュースで聞いていた。今年、ひょっとすると一番得したのは日本テレビかもしれない。というのは、今まで東京ドームでの試合は全試合、日テレが独占放送してきたが、今年から一部の放送権をNHKに売ったのだ。だから東京ドームの試合をNHKが放送していることに気が付いただろうか。巨人戦の視聴率が下がったが放送権料が入ってきて、なおドラマの視聴率もとれる。日テレは賢いねえ。

 ところで私は横浜ベイスターズファン。今年はさんざんだったな。ま、反省会はいつかやるとして、今年の阪神の優勝に貢献し支えたのは横浜だったのをお忘れなく。最後にマジック1を消してあげたのも横浜でっせ。ということで阪神の優勝を祝して、私は4年前の横浜優勝のビデオでも見るとするか。(今でも2ケ月に一度見ている)



 9/15(日)『映画「ファム・ファタール」』


 ワッハッハッハ。

 観終わって場内に明かりがついた時、大声で笑いたくなった。

 ロビーに出てきて、次回を待っている客を見たら、これまた指さして笑いたくなった。
 この人たちは、これからあの映画を見るんだよオ。(笑)

 もっとおかしいのは、この映画に1800円も払って見ちゃったよ。(笑)

 この笑いはどこからやってくるのか?

 感想はひとことしかない。 『デ・パルマ映画』なのである。 くう〜。(泣)

 

 

     ※以下ネタバレあります。

 

 

 

 

 まさかこの21世紀になって『夢落ち』があろうとは、ぜーんぜん、考えても見なかった。

 思えば、リリーの部屋の水槽の水が流れっぱなしだったのが不自然ですっごく気になっていたし、時計がみな3時30分をさしていたり、パソコンがMacばかりだの(これは違うか?)、7年後、務所から出てきた男が血糊のついたタキシード姿のままなんて、いつもの陳腐なデ・パルマギャグかと思って流していたら、まさか『夢』だったとは。使い古された子供だましを使う監督も監督だが、まんまとハマってしまった自分も情けない。そういえばリリーの部屋のテレビでは「もし水晶に運命が映っていたら、夢で未来を見たら…」ということを言っていたではないか。(リリーの母が「気がまぎれるだろうからテレビつけておくわね」というセリフも違和感を感じていたじゃないか)

 ただ、観客は夢だと知った瞬間、それまで見ていたドラマを全否定されるわけだから気分はよくない。その瞬間、ヒュ〜と冷たい風が吹いたが、そこで終わらなかったのがせめてもの救いで、実はそこからがデ・パルマ作品らしい急展開を示す。そしてクライマックスでは登場人物すべてが一カ所に集まり、都合の悪い悪漢だけが死んで、みんな良い子になっての大団円。このすべてが一カ所に向かって結実するのには魅せられる。こう力尽くで見せられては理屈も減ったくりもない。こんなの現実にあるわけがないという馬鹿馬鹿しい気持ちと、よくぞここまで観客を引きつけてホラを吹いてくれたなと言うあっぱれ感と、すべてのピースがそろって出来上がったジグソーパズルを完成したときの爽快感が入り交じり、ただ笑うしかない心境になったのです。

 

 67点、か76点。(それほど点数に深い意味はないし、どうでもいいんだが)

 この映画を真面目に他の映画と比較してどうのこうの言うべきではありません。何せデ・パルマ映画ですから。だからデ・パルマ映画の免疫を持っている人以外にはオススメしません。これだけは確か。ただファンとして悲しいのは、画面分割やスローモーションはあるものの、過去の熱い作品ほどの意味性はもとより緊張感がまったくないのが残念でならない。

 ここのところ仕事が忙しくて会社に泊まったりして鬱(うつ)になってたけど、「ファム・ファタール」を観た後はなぜか気分がすっきりした。最近のアクション映画を見るよりもよっぽど気が晴れたのは事実。この爽快感って私だけだろうか。


 銀座を歩いてたら深夜番組の取材にでくわした。
渡辺正行、高田純次、大竹まこと、山瀬まみ、佐藤蛾次郎というメンバーだ。
オーラまでは感じないが、タレントってテレビで見るよりも存在感が大きかった。


 9/10(水)『中華街探訪2「関帝廟通り」』


 横浜・中華街探訪第2弾は、メイン通りと平行して走る「関帝廟(かんていびょう)通り」のお店を紹介します。関帝廟は中華街を代表する建物で、そのきめ細やかな彫刻と鮮やかな色彩は美しい。中華街の中でも一番中華街らしいところだ。行ったことのない人は、まず行ってほしい場所である。

■「横浜骨董街」(写真)
 JR石川町より歩いてきて「関帝廟(かんていびょう)通り」の門をくぐるとすぐ右側に「横浜骨董街」がある。古くて小さなビルの中に数店舗が寄せ集まって出来ている。1F奥の店でかわいいハスの花の形をしたランプ「ロータスランプ」を見つけた。これ、本日の逸品です。また「横浜骨董街」の一階入り口入って左手に元タレントの山口美枝さんの輸入雑貨店「グリーンハウス」があります。なにげに店をのぞくと、美枝さんご本人がいてビックリ。中華街に来るたびにのぞいているが、ご本人がいたのははじめてでした。

■あんまん肉まんの「華香園食品」(写真)
 中華街であんまん肉まんのお美味しい店はどこ? と聞かれて、情報通の間で紹介されるのがここ。しかし、この店の場所はわかりにくい。関帝廟通りと香港路(ほんこんろー)の交差点を左に入った「梅蘭」の向かいにひっそりとたたずむ。「華香園食品」という店の名前もわかりにくいし、入り口がひっこんでいて暗く、一見すると休みのように見える。けど店の中にはおじいさんが一人イスに座ってお客を待っている。やる気がないのかと思えばそうでもなく、「味一番」とか「インターネットで星五つ」とか手書きのビラが貼られている。
 売っているのはあんまん肉まんの2種類しかない。おじいさんに聞くと、朝、決まった数だけ作って、それが売り切れると閉店という。その味は素朴。目をむいて驚くほどではないが、油っこくなく、しつこくない。まんじゅうの皮の表面がツルツルしてて他店とは見た目も味も違う。これは私見だが、温泉場で売られている「酒まんじゅう」に似ている気がする。噛むほどに甘みを感じる皮に野菜を多く混ぜた肉まんと、昔からの黒ゴマの練りあんがマッチしていてクセになります。

 ここのまんじゅうがどうして人気があるのかと言えば、普通、あんまんと肉まんとふたつ食べたら満腹で食べられないでしょう。ところが、ここのは飽きずに食べられるんですね、というか、もっと食べたくなるのが不思議。シンプルな素材と手を抜かないおじいさんの作業が良いものを造り出しているのかもしれない。

■秀味園の「豚の煮込みどんぶり(ルーローハン)」(写真)
 中華街には俗に3っつの名物があるという。ひとつは「梅蘭(ばいらん)の焼きそば」、ふたつ目は「接園(せつえん)のスープ・チャーハン」、そしてみっつ目が「秀味園(しゅうみえん)の豚の煮込みどんぶり」である。今回は「秀味園の豚の煮込みどんぶり」を紹介します。
 店は関帝廟通り沿いにあり、緑色の張出しのある小さな店舗。入ると中は狭く、混んでいると奥の座敷で食べることになる。おばさんひとりできりもりしてて台湾の屋台料理という感じだ。秀味園の「豚の煮込みどんぶり」は豚の角煮と高菜と味付けたまごがどんぶりに盛られ、おつゆがたっぷりとかかっている正真正銘のどんぶりメシ。はっきり言って見た目はよくない。が、一口食べると考えが変わる。うまい! 特に角煮の味わい深いこと。やわらかくて噛むほどに香ばしい香りが口の中にひろがる。漬け物にした酸味のある高菜が角煮と合うんだ。煮込んだつゆがごはんにかかっていて、それだけでも食べられそう。これで一杯500円とは驚きの価格です。中華料理の味に飽きた輩(やから)にオススメします。


『横浜骨董街』
アンティークな小物や調度品の店が所狭しと並ぶ。第三水曜日が定休日。


『華香園食品』
写真を見てわかる通り、目立たない。午前中は近所の主婦が並んでいる。観光客よりも地元の人に親しまれている。


『秀味園』
ここも写真を見てわかる通り目立たないため関帝廟通りにあるが、うっかりしていると通り過ぎてしまう。

 関連記事 2002.10/31『中秋月餅』



 9/7(日)『のんびりローカル線の旅』


 先週はパソコンを前にしてスポンサーの指示通りに書類づくりばかりを朝から夜10時まで仕事に追われ、尻でイスを磨く日々が続いていた。

 一転して金曜日は群馬県から茨城県にかけてローカル線に揺られての外仕事。天気もよく解放された気分でうれしい。本日の仕事は、私が担当しているイベントのポスターがJRの駅に注文した通り貼っているかどうか証拠写真を撮影してまわるというもの。とても地味な仕事である。よいよい、何でも良い。陰気な会社を抜け出しさえすればいいのである。

 高崎から小山まで走る両毛線という電車に乗って、主要駅で降りてはポスターをさがして写真を撮る。ローカル線だから、次の電車が来るまで30分から1時間待たされる。その間、駅前をぶらぶらしたり、ホームのベンチで、このひとりごとを書いたりしている。今は伊勢崎駅のホームにいる。
 ひととおり撮影が終わって次の電車まで20分ある。都内で仕事しているとイライラしてしまうが、さすがに地元の客は文句も言わずベンチで待っている。ああ、自分は喧噪と時間に追われる世界での生活に慣れてしまったんだなとつくづく反省する。
 何の変哲もない駅、すずめが鳴いてるし、駅舎の軒に下がった風鈴が時折流れる風で涼しげに鳴る、のんびりしたものだ。時計を見るとまだ15分ある。することがなくふらふら歩くと、駅舎の前に地元の名産品がガラスケースに入って並んでいる。「物産陳列所」と名うったケースには、うどんやハム・ソーセージ、カイコの繭でつくった繭人形、うどんの「おっ切りこみ」がある。「おっ切りこみ」ってここの名産だったのかと驚く。

 目を閉じてベンチに座っていたら、遠くで踏切の警報機が鳴りだした。構内放送の後、コトコトと音を鳴らしてようやく電車がやってくる。よっこいしょ、次に降りるのは桐生だ。桐生では電車待ちに1時間かかる。どこかでお昼としよう。


朝涼しくて起きるのが辛い。もう10分寝ていたいものだ。

 9/4(木)映画『HERO 英雄』

 

  ※以下の文章には作品の結末にふれる部分がありますので、鑑賞予定のある人はご遠慮下さい。


 「グリーン・デスティニー」をはじめて観た時は衝撃を受けた。迫力ある剣術アクション、流れるようなワイヤーワーク、自然をとらえた映像の美しさとラブストーリー。「グリーン・デスティニー」を劇場で見逃した悔しさが手伝って、映画『HERO 英雄』を見てきました。
 ニフティの映画フォーラムで鑑賞者の点数が低く「オススメできない」との意見もあったので、ストーリー展開には期待しないで映像を観るつもりで入った。ところが、私の予想とは反して充分楽しめました。後半なんて涙ボロボロ流しながら見てしまいました。(恥)

 お話しは中国の戦国時代、秦の始皇帝となる王の前に、王の命を狙う刺客を倒したという男が現れた。その名は無名(ジェット・リー)。秦王に事のいきさつを報告するうちに、その話しがウソであることを見抜かれる。そこから映画は黒沢明の「羅生門」を思わす展開を見せる。

 良い映画じゃないですか、昔、内田吐夢の「宮本武蔵」にハマったことがあったけど、ラストで剣の道と人の道を探す武蔵が、いきついたのは、剣は道具でしかなかったという事。今回も似たような場面があるが、それと同く、武士道にも通じる剣と人の生きる道を探る話しも挿入され、目的を達するためには自分を捨るという東洋的美意識もあり、主人公をとりまく者たちの人生を中国の古典話しとして見せてくれる。特に、ラストの秦王自信が感じていた孤独、それを唯一理解していたのが自らの命を狙った刺客だった。しかも、世の平和を望むために仇討ちを諦める無名に対して、体制を守るために殺さなければならない王の苦悩が重くのしかかる。

 75点。
 比べる筋合いはないけれど、「グリーン・デスティニー」の持つ作品のエネルギーには届いていない。よくよく考えると、それぞれの戦いが、怒りに燃えて敵意むき出しのガチンコ対決ではないのに気づく。前半の対決は無名の作り話しだったわけだし、途中の対決も秦王の想像で事実ではない。とすると、それまで興奮して観ていたのは何だったのか、剣術アクションはふんだんにあるものの、ウソと想像と八百長試合が大半なので、見終わってどこか釈然としない感じがどうしても残ってしまう。ただ、そんな欠点とも言うべき物語性の弱さに余りある映像美。こだわりの映像を見るだけでも価値がある。

 出ずっぱりの主人公ジェット・リーは押さえた演技のせいか意外にも魅力を感じなかった。どちらかというと、愛と立場に翻弄されるマギー・チャンが印象的。チャン・ツィイーとの落ち葉の中での決闘は記憶に残る一番でした。昔のアニメ「風のフジ丸」の木の葉隠れの術を実写にするとこうなるんだろうな。

 剣と剣がぶつかり火花を散らす残響音が、まだ耳に残っている。



 9/1(月)『オススメCD紹介3』


 最近買ったCDを紹介します。
 今回もいつになくジャンルは様々、イエーイ!

■『女子十二楽坊』
 最近CMやワイドショーで話題になっているので知っている方も多いでしょう。私も彼女らの魅力にはまって買ってしまいました。けど損はありません。

 オーディションによって選ばれた英才教育を受けた中国女性ミュージシャンのユニット。曲は中国のものから美空ひばりの「川の流れのように」や川島みゆきの「地上の星」、SMAPの「世界に一つだけの花」まで全15曲、時に静かに、時にリズミカルに音楽を楽しませてくれる。演奏する楽器は胡弓(こきゅう)、琵琶、竹笛、月琴をはじめ、雲南省に伝わる管楽器、ベトナム国境付近に暮らす少数民族に伝わる独弦琴まで多種多様な民族楽器。

 買って驚いたのは、このCD、DVDがオマケに付いている。しかも通り一遍のしょぼいDVDではなく、CMで流れている「自由」という曲のビデオクリップと「奇跡」のライブ映像、更に団員12人の自己紹介までついているのだ! これで2980円は超お得である! この文章を書いている今も部屋に流れている。

■『マネーのトランス』
 音楽に『トランス』というジャンルがある。その名の通りテンションが高く、気分が高揚している状態の音楽だ。クラブで流すダンスミュージックのひとつで、ヘッドフォンで聴くと頭がクラクラしてくる。知らない人はひと昔前のジュリアナでかかっていた曲と思えばいい。
 実はこれ、「マネーの虎」というTV番組から生まれたものである。「マネーの虎」は5人の社長に自分の持つアイデアをプレゼンし、成功すれば現金を受け取ることが出来るものだ。新宿で人気DJのUTO(24歳)が820万円を獲得し、イギリスでマイク・コブリンに依頼して作ったCDである。テレビの宣伝によってか、トランスというジャンルでありながら発売一週間にしてアルバムチャート22位、9000枚が売れた作品である。

■映画『デアボリカ』サントラ盤
 CDショップの映画音楽コーナーを見てて思わずのけぞってしまったりが、この「デアボリカ」のサントラ盤である。「デアボリカ」、それは1970年に「エクソシスト」が巻き起こしたオカルトブームに便乗して製作されたイタリ製ホラー映画で、「エクソシスト」がリアリティを追求した正当派ホラーであるならば、オドロオドロしさとお化け屋敷的な派手さを売りにした非合法的ゲロゲロ映画である。あまりメジャーでないカルト的な作品が、なぜ、今、大手レコード店に『初CD化』の帯をつけて並んでいるのだろうか?

 買ってインナーを読むと、どうやらこのCD化を望んでいたのは映画マニアでも映画オタクでもなく、ジャズ・ファンク好きのDJ衆らしい。デアボリカの曲が30年の間にひとり歩きし、クラブのDJでヘビー・プレイされていたと言うから世の中狭いものである。そんなDJ衆から原曲を聞きたいという要望が高まっての発売らしい。確かにCDにはおドロおドロしい曲はなく、パーカッションの効いたファンキーなジャズサウンドが多い。おそらくこのCDを人に聞かせても、これがイタリア・ホラー映画のサントラ盤とは夢にも思わないだろう。いやはや長生きしているといろんなことがあるねえ(ってお前じじいか)


「女子十二楽坊」
(PYCE-1001)


「マネーのトランス」
(QRDJ-0001)


「デアボリカ」
(CPC8-1208)

 関連記事 8/23『オススメCD紹介2』



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特に悪意はありませんし下心もありませんので、なにとぞご了承下さい。


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