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9/24(日)『円谷一・ウルトラQと"テレビ映画"の時代』 |
円谷一(つぶらやはじめ)は特撮の神様といわれている円谷英二特技監督の息子(長男)で、ウルトラマンをつくった円谷プロの社長だった人である。そんなテレビの歴史を作った一人だが、父の認知度から比べるとあまり世間には知られてない。それは41歳にして脳溢血で急死したというのがひとつの理由かもしれないが、芸術祭大賞を受賞したテレビドラマ監督であり、これまで円谷一氏を紹介した本がほとんどないことは残念である。 本著は、そんな円谷一氏をまとめたドキュメンタリーである。ただ本人はすでに他界しているので、知人・友人から証言を得てまとめたものだ。また本著は円谷一氏だけではなく氏とともにテレビの黎明期にまつわる裏話題をたくさん紹介している。当時、映画製作会社・邦画4社が結託してTV局に映画の放映権を渡さなかったり、そのため局は苦労した挙げ句、外国ドラマを買ってきて放送したそうだ。当時、海外ドラマが多かったのは、そんないきさつがあったようだ。また、ウルトラマン(1作目)を作る時、主人公が毎回怪獣に出会うのはおかしいことから制服組(科学特捜隊)にしたり、前作とのシリーズのつながりを考えてウルトラQのレギュラーをひとり残したり(桜井浩子)と、ウルトラシリーズからミラーマンにいたるまでまつわる話しは多い。上原正三、実相寺昭雄、冬木透、宮内國郎など当時のスタッフインタビューの他に青島幸男のインタビューもある(これがなかなか楽しい)。 一人一人のインタビューがテンポよく次のインタビューへと数珠繋ぎに展開していくのはアメリカのドキュメンタリー番組のように軽快で読みやすい。また長さもちょうど良く飽きさせない。それに加えて後半の、最高のパートナーといわれていた脚本家・金城哲夫との別れ、父・英二の死、赤字を抱えていた円谷プロの縮小、そして41歳という早くして他界するまで、駆け抜けたその半生に感動を覚えてしまう。 今年は「ウルトラマンがはじまって40年」という記念すべき年だそうだ。円谷一氏はそのウルトラシリーズの功労者でありもっと評価されていい人物である。その歴史を振り返るための本として特撮ファンにおすすめです。 ![]() 『円谷一・ウルトラQと"テレビ映画"の時代』 白石雅彦著 双葉社 ・ |
9/17(月)『画家になる方法・その4』 | ||||||
自分の作品を客観的に観ることはなかなかできません。かと言って、友人、知人だと情が入り本心はなかなか言ってくれません。では客観的に作品を判断し、将来、画家としてやっていけるかどうかを判断するにはどうしたらよいでしょうか。そのために画廊のオーナーに感想をいただいてみましょう。画廊のオーナーは絵を売る商売人です。作品の目利きでもあるし売るためのノウハウを把握しています。そこで今回は自分の作品を画廊のオーナーに観ていただくのがテーマです。それもひとりではありません。できれば2、3人の方に見ていただきましょう。 その前に、まず、画廊巡りをしていると、作家さんやオーナーに話しかけられることが思いと思います。まずは展示してある作品の感想を話してください。そうしているうちに「あなたも絵を描かれてるんですか?」と訪ねられるでしょうから、聞かれたら自分の話をして下さい。また、「ファイル持ってるの」と聞かれたら作品ファイルを出してお話ししましょう。 ここで注意しておきますが、個展会場はあくまでも展示している作家さんがお金を出して借りている場所ですから作家さんを差し置いて自分の話をしてはいけません。あくまでも先方から「見せて」と聞かれてからファイルを出すようにします。オーナーさんの中にはきびしい方もいて、個展の最中はお客様が見えるので、個人PRや相談は受けない人もいます。それは当然のことです。ですから、個人的に自分の作品を見ていただくのは、オーナーに直接、「作品を見ていただきたいのですが」と相談して、時間を決めて(アポイントを取ってから)にしましょう。 さて、そうなれば主役はあなたです。前に作った資料を全部もって、物怖じせずに聞かれたことにきちんと答えてください。まず、自分の作品ファイルを見ていただいて(初めのページにはプロフィールを忘れずに)、作品の感想を聞いてみましょう。 画廊のオーナーは絵を見るプロフェッショナルです。作品を販売するための視点で観ますし、それこそあなたに対して何の躊躇もなく客観的にズバリ感想を言ってくれることでしょう。時には厳しいことを言われるかもしれませんが画家になるためのひとつのステップですから、ここは言われたことはすべて聞き入れましょう(できればメモしてください)。私の経験談ですが、自分では考えてもいないかった指摘、自分の作家活動に対してどーでもいいと思ったことなどの話しを受けたことがあります。しかし、その時は聞く耳を持たなかったのですが、今から思うと、その後の作品づくりに活かされたという経験があります。オーナーさんに言われたことはメモをとっておいて、後で自分なりに考えて(反省材料として)次の制作に活かして下さい。
チャンスというのは人との出会いから生まれます。だから画廊めぐりで知り得た方々を大切にして下さい。いずれ自分が個展を開くときにDM(ダイレクトメール)を出す相手になりますから、名刺交換したら、その名刺を大切に保管しておきましょう。また、画廊めぐりをして芳名帳に自身の名前と住所を書いておくと、後からお礼状をいただいたり次の展示のDMをいただいたりします。 時にはオープニングパーティーに誘われるかもしれません。もし誘われたらできるだけ参加してください。そこには他の作家さんや関係者、別の画廊のオーナーさんが来ています。これはチャンスと思って名刺をお渡しして自分の顔と名前を売っておきましょう。ただし、こういう場で作品ファイルなどは出さないようにひかえた方がいいです。オープニングパーティーでは自分のPRはあまり考えずに作家さん達と楽しくお話して見聞をひろめてください。
・画家になる方法その4・・・画廊めぐり2「画廊のオーナーに作品を見ていただくこと」 つづく
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9/10(日)『画家になる方法・その3』 | ||||||
目標を立てましたか、そして宣伝材料ができたなら、それを持って画廊めぐりをしましょう。 画廊めぐりの第一の目標は、まず『画廊』に慣れることです。画廊というのは一般の人から見ると敷居が高くて入りにくい(怖い?)と思われます。でも、慣れると全然怖くありません。むしろ、いろんなジャンルの作品がタダで見られるし、お茶までくれてアートについて話しができる楽しい場所です。まずは画廊をたくさん見て恐怖心を払拭しましょう。だって、これから画家になろうという人が発表の場である画廊におびえていてはダメじゃないですか。画廊は役者にたとえるなら舞台、野球にたとえるならプレイするグラウンドです。グラウンドにビッビッていてははじまりません。そのため、同じ画廊に何度も行くのではなく、初めての画廊をいっぱい巡るのです。そしてコンビニに入るのと同じぐらいの気持ち(ちょっとオーバーかな?)になるまでになりましょう。関東に住んでいるなら1日の休みを銀座の画廊めぐりについやすとか、1日で多くの画廊をのぞくのがイイと思います。 もしこれを読んでいる方がまったく初めての人ならば、突然、画廊へ行きなさいと言われてもどうしていいかわからないでしょうから、ひとつの方法を教えます。「月刊ギャラリー」(毎月1日発行)という雑誌があります(大手書店に売ってます)。日本全国の美術館やデパート、画廊の美術展を紹介する冊子です。そこには東京、名古屋、大阪など大都市の「画廊マップ」があるので、それを見ながら歩くといいでしょう。写真で紹介しているページの中かに興味がわいた作品展があれば、まずそれを見て、ついでにその周辺にある画廊をまわるようにすれば、ただ漠然と歩くより楽だと思います。 ![]() 「月刊ギャラリー」(毎月1日発行)(株)ギャラリーステーション ホームページ http://www.g-station.co.jp/HTML/mgallery/index.html さて、画廊は大きくふたつに分かれます。ひとつは『企画画廊』といって、プロの画家の作品を画廊側(画商)が企画して展示と販売をしている所です。もうひとつは『貸画廊(かしがろう)』といって、お客さんから場所代(レンタル代)をもらって開いている画廊です。外見からその違いはわかりにくいのですが、画廊めぐりに慣れてくると中に入らなくてもわかるようになります。そうなったら画廊に慣れてきた証拠です。 画廊めぐりの第二の目標は、好きな画廊を見つけることです。画廊には扱っているジャンルがほぼ決まってます。A画廊は油絵の具象がメインだとしたら、B画廊は抽象画や版画、C画廊はシュールな作品だったりします。画廊めぐりをしていると、自分と作品傾向が合っている画廊が見つかるはずです。そんな画廊を見つけたら頻繁に通うようにしましょう。そうしているうちにオーナーから声をかけられるでしょうし、お茶をすすめられるかもしれません(別にお茶にこだわるわけではありませんが)。オーナーから声をかけてもらったら展示している作品の感想を話したりして顔見知りになりましょう。まずは名刺を出して自分を知って貰ってください。 さて、画廊めぐりは画廊に慣れるためだけではありません。当然、展示している作品を見ることになるので創作活動の刺激になります。好きで見に行く美術展は、案外、自分の好きなジャンルだけしか見ないものです。趣味で絵を鑑賞する人ならそれでいいのですが、画家になるには、それでは考え方や世界が狭くなってしまいますので、ここではあえて、画廊めぐりではジャンルにこだわらず何でも見るようにしましょう。絵画(平面)の方なら、ジャンルの違う、彫刻や書、焼き物、最近多い創作人形展、写真、ビデオ、わけのわからないインスタレーションなど、活きた作品を観て独創的な作品に驚いたり、作家のエネルギーを感じとったりして五感で作品を楽しんでください。 ※注意、 ・画家になる方法その3・・・画廊めぐり1「画廊に慣れること、画廊を知ること」(ジャンルにこだわらずに見る) つづく (長くなってしまったので2回に分けます)
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9/2(土)『映画「スーパーマン リターンズ」』 |
というわけで、めずらしく定時に仕事を終えて有楽町へ向かったが、気晴らしになる映画はないかと探したら、ありました。「スーパーマン リターンズ」! パッパラパー パ・パパパパー、ドドド パッパラパー パ・パパラパッパ〜、 メインタイトルがはじまった途端、拳をあげて“イエーイ”と叫びたくなった。やっぱイイっスねえ、スーパーマンはこれでなくっちゃっ。 て、全然評論になってない。 あらすじは、スーパーマンが地球を去ってから5年、彼が再び戻ってきた時、地球は様変わりしていた。犯罪は急増し、恋人のロイス・レーン(ケイト・ボスワース)は別の恋人を作って子供もいた。更に、彼女の勲章とも言うべきピュリッツァー賞を受賞した作品タイトルが「なぜスーパーマンは必要か?」…。失意の彼を宿敵レックス・ルーサー(ケビン・スペイシー)が狙う。本当にスーパーマンは必要ないのだろうか? さて、あらかじめ情報を得なかったのでビックリしたのは、本作品がクリスト・ファー・リーブ主演の旧シリーズ1・2の続編だったということ。もちろん知らなくても楽しめる内容だが、旧作で使った同じセリフが随所に出てくる(ただの遊びではなくちゃんと意味がある)ので、1・2を知っていれば3倍楽しいです。というか、重要な意味があるので、絶対、パート1、2を観ないとダメです。 パート2が公開されてから随分経ってるので、これから見る人は必ず『パート2』を観てから行くことをおすすめします。 今回の監督ブライアン・シンガーは「X−メン」シリーズ1・2の監督である。ところが「X−メン3」の完結作品の監督を蹴ってまでしてスーパーマンの監督を受けたそうだ。それは本作品を観るとわかる。彼は旧シリーズの作品世界を壊さないようにうまく継承していて、シナリオも撮影も演出にもとても丁寧に作っているのが感じられる。それは前作への尊敬と愛情があるからだというのが観ていて伝わってくる。 あとロイスが若くなってビックリ、個人的には少しおばさん入ってるマーゴット・キッダーが好きなんだけど、新シリーズとしては現代風の若い二人にしないと、これは仕方ない。それよりもルーサー役のケビン・スペイシーに拍手。知的でやさしそうに見えるが、突然キレる危ないバランス感覚がうまい。そういえば彼が世に知られたのは(私の嫌いな)「セブン」で殺人鬼をやってだから悪役はお手の物だろう。
78点 → 80点
<以下ネタバレあり ※かなり重要なネタバレあるので注意!>
この作品は旧シリーズを知っているか否かで評価がかなり分かれると思う。ゆえに私は点が甘くなるが、冷静に見るとどうなんだろう。 ジョン・ウィリアムズのテーマ曲が流れるタイトルから、続くオープニングでのボーイング747を助けて球場に着陸させるまでが最高! もう拍手・拍手で、おかげで倦怠感もふっとんでしまった。ただ、それに比べると後半になるにしたがってロイスとの恋愛ドラマに話しが傾倒していくため、作品のテンションが尻つぼみになってしまった感じがあるのは残念。ラストにもうひと波乱あれば満点だったろうに。 あと残念なのは、作中登場するピュリッツァー賞の「なぜスーパーマンは必要か?」の記事の中身が見えないこと。この記事がストーリーのポイントなのにタイトルだけで中身がわからなかいのは残念だ。スーパーマンの何が必要ないのかが提示されていれば、それが逆転し、ラストで「やはり必要だった」という感動につながるに違いない。 あとジュニアの存在にビックリ。あれ、いつ子供作ったんだろうと思いきや、ちゃんと旧作品のパート2でスーパーマンとロイスがベットインした場面があったんですね。すっかり忘れてた。しかもスーパーマン(超人)ではなく生身の人間の状態で。いやあ、これを知って観ていればもっと楽しかったのに。私はこの映画を観た後、確認のためパート2を見返してわかったので、上でも書いたが、パート2を観てから行く方がイイ。それとルーサーも一度スーパーマンのクリスタルの家に行ってたんですね、だから今回、いともすんなり北極の家に行けたんだなあ。と、パート2を観てすべてを納得した。 そこで+2点追加して80点にしました。 最後に大したことではないけれど、劇場にもの申す。私が行った銀座の「ルーブル丸の内」では休憩時間中にスーパーマンのテーマ曲をバンバンかていたけれど、あれはかけないで温存してほしかった。本編が始まって初めてジョン・ウィリアムズのテーマ曲を聞いたとしたらどんなに感動しただろうか。 劇場さんも演出を考えてよ。 関連記事 7/30『映画「日本沈没」』 |
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