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ひとりごと2010年2月

 ここは私の独り言のページです。展覧会や映画の感想から、日頃思ったこと、感じたことを不定期的にアップしていきたいと思います。お付き合い下さい。



 2/26(金)『ミックスアートまつり終了』


 品川で行われた「第2回 ミックスアートまつり」が終了しました。

 平面、立体、フラワーアート、テラコッタ、インスタレーション…。様々なアプローチで表現した50人の作家たち、作品もそうですが、作家さんたちとの出会いが楽しかった。みなさん気さくでやさしい方たちでした。お忙しいところ来てくださった方ありがとうございました。

[写真1] JR大崎駅から徒歩1分、会場となったO美術館の入り口。ただし、私は会場がわからなくて迷ってしまった。もっとわかりやすい案内板が欲しい。

[写真2] 受付前にドーンと山勢(やませ)さんのフラワーアートがそびえ立っている。心臓の鼓動が聞こえ、ところどころの穴からスポットライトで照らされた可憐な花々を覗くことが出来る。すごいっ!

[写真3] 若手アーティストの様々な作品が並ぶ会場内。

[写真4] 男性越しに私のコーナーが見える。スペースの都合で小品4作品しか飾れなかった。左はテラコッタ植木鉢の作家、川崎さん。

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 2/22(月)『花魁メイキング16「影をつけて完成!」』


 細部の描き込みが終わって、とりあえず塗り終えた。(写真1)

 さて、ここから本当の仕上げにかかる。言い換えれば『命を吹き込む作業』だ。(ちょっとオーバーかな?)

 まず気になったのは、このままだと何か一つ物足りない印象がある。そこで、仏画に描かれている光輪をつけようと思いついた。仏画で描かれている、仏様の頭の後ろにある光の輪を『頭光(ずこう)』といい、身体の背後にある輪を『身光』と呼ぶそうだ。光輪を最初から予定していたわけではないので、キャンバスの余白が足りない。全体のバランスを考えて中心がおへそになるような頭光と身光を中間の位置に描いた。

 輪はフリーハンドでは描けないので、コンパスを使う。(写真2)

 次に、絵に影がないのでべタっとして立体感がない。そこで、黒をベースとしたグラッシュで、身体、羽、帯に影を付けて背景から浮き上がらせることにした(写真3)。ちょっとしたひらめきからオーラのような影を羽の先や手の爪の先から発してみた。 面白い! 調子に乗ってチョウの羽からも出し、羽が動いている残像のようにも影を付けてみた。このように、足りないと思ったところに加筆して、全体を見ながらインスピレーションで加えていく。

 写真1と写真6では、印象が変わったと思う。

 はい、これで完成です。 

 花魁のイメージを最初に考えたのは一昨年(2008年)の8/18『花魁メイキング1・アイデア考』。実質、作業をはじめたのは去年(2009年)の12/6(日)『花魁メイキング5「最初からやり直し」』からだから3ヶ月! 疲れた〜。

[写真1] 塗りが終わってとりあえず完成。ここからはインスピレーションで仕上げていく。まず、人物の背後に光の輪をつけてみよう。

[写真2] 光の輪を描くには正確な円を描くためコンパスを使う。これは画材屋で売っている製図用のコンパス。筆ではなく『カラス口』というペンをつけてラインを引く。顔の所には汚れないように紙が貼ってある。

[写真3] 人物を背景から浮きあがらせるため、黒をグラッシュして立体感を出して背景と分離させる。グラッシュ(おつゆ付け)は、薄く溶いた黒を何度も塗り重ねて濃くしていくこと。

[写真4] 普通の影だけでは物足らなく、パワーが出ているように指先から放射状に描いてみる(初めての試みだ)。このように感じるまま、思いつくまま表現を加えていく。

[写真5] チョウチョの羽にもパワーラインをつける。これ、飛んでいるように見えるかも知れない。このような影付けは、つけては全体を見てまた加えと何度も繰り返し、丸一日かけてじっくり描き込んでいく。

 [写真6] 影付けが終わって完成した作品。写真1と比べると違いがわかる(?)。写真だとわかりにくいが、チョウの色を変えたり植物を増やしたり、いろいろ変えている。  ヤッホー、これでやっと完成です。

   関連記事 2/20(土)『花魁メイキング15「白を塗るということ」』 ↓

東京・大崎のO美術館でのミックスアートまつりに
参加しています。私は4作品出しています。
くわしくは「作品展案内」をご覧下さい。

 2/20(土)『花魁メイキング15「白を塗るということ」』


 締めきりまで数日と迫って追い込みにかかっている。


 そこで、白い部分に白を塗った。


 それがどうした? と、思うだろうが、私にとって白を塗る時に必ず思い出すことがある。

 それは中1の美術の時間。 課題の静物画を描いて提出した時のことだった。

 自分としてはいい出来だと思っていたのに先生の評価が低かったのにがっかりした。

 作品を返された時に言われたのは、「絵の具を塗ってない部分があるじゃないか」ということ。身に覚えがないので先生の言っている意味がわからなかったが、説明すると、画用紙が白いため、私は白いところを絵の具を塗らずにそのまま(画用紙の白のまま)にしていたのだ。それが減点の理由だった。白の絵の具を塗ったか塗らないかなんて作品の出来に関係ないじゃない。見た目はまったく同じなんだから、そんな些細なことよりも作品全体を評価してくれとムカついた。 後で気付いたが、先生は、たとえ白色であっても色を塗らないというのは『作品として未完成である』という評価だったんだ。  うーん、確かに。 若気の至り…。 今にして思えば先生がまったく正しい。

 白い部分には白を塗る。 これを怠ってはいけない。


いよいよ作品も仕上げの段階、白い部分に白を塗っているところ。


 2/17(水)『花魁メイキング14「コルセットと目」』


 締めきりまであと一週間!
 悩んで止まっている場合ではない。

 問題だったコルセットは影を濃くすることで当初のイメージ通りに進めた。ただ、普通、影には補色(色相の反対に位置する色)を入れたり黒を混ぜたりするが、それはやめてブルー系の濃い色だけを使って影にした。これだと濁らずにさわやかな印象のまま暗くできる。それと、帯の柄を予定より多くして、水色の面を少なくした。

 帯ができたことによって全体のイメージがみえてきた。これから作業は後半戦である。

 人物ものの作品にとって一番大事なのが目。目は、瞳孔(どうこう)を黒にして周辺を緑にした。写真3でもいいように思えるが、瞳の右上にアイキャッチの光を描き、瞼(まぶた)の影をグレーで落とすとイキイキとした目の表情になる。

[写真1] 前回は水色をただ塗っただけだったが、同系色のブルーで影を塗ったことで、さわやかな印象のまま立体感が出た。

[写真2] 帯の柄を描き込んだ状態。予定より花柄を多くして水色の面を少なくした。華やかになり、浮いた印象はなくなった。

[写真3] 「人形は顔が命」と同じように、人物の作品でも顔は命。特に目が肝心。今回は瞳をグリーンにした。これでもいいと思えるが。ドロンとして目力がない。

[写真4] 瞳の右上にアイキャッチを入れ、白目の上側に瞼(まぶた)の影をグレーで落とす。イキイキとした目の表情になる。左と比べてください。

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  関連記事 2/12(金)『花魁メイキング13「作業ストップ(-_-;)」』 下↓


テレビをつけたら冬季オリンピックの開会式をやっていた。
忙しくてオリンピックなんて眼中にない
アウト・オブ・ガンチュー!(このフレーズ懐かしいなあ)

 2/12(金)『花魁メイキング13「作業ストップ(-_-;)」』


 疲れがたまってきた。
 ここ2ケ月、毎日、仕事と絵の平行作業をしてきた。その疲れか筆が動かなくなった。

 チャイナドレスの腰に水色のコルセット形の帯、これが今回のデザインのポイントだ。コルセットという下着を表にしたクールな花魁を表現したかった。写真にあるようなさわやかな水色がイメージで、正にイメージ通りに塗れて大満足。 だが、何か足りない。背景の金とドレスの赤と合わないような気がしてきた。コルセットだけが軽く浮いている印象だ。 ここで作業が止まった。

 帯びを今より濃くするか、色はこのままにして柄を工夫するか、はっきりしたイメージが決まらない。パソコンなら試し塗りをして、失敗したらもとに戻せばいいが、絵の具の場合、濃く塗って失敗したら、もう戻せない。白で塗りつぶして最初からやり直しになってしまう。それは大変な作業になってしまう。時間もないし… うーん。

 とりあえず帯は中断して足のスリットを描こうとする。 と、今度はスリット部のデザインが気に入らなくて、これまたストップ!

 は〜、(-o-;)タメ息 体調が悪い時って、気も弱くなっているのか自信までなくなってくる。

 “この作品、お面白いのか? イイと言ってくれる人がいるのか?”って…     “…いないよ、いるわけない”

 今日は中止にして寝よう。  寝るのが一番。

 〆切は刻一刻と迫っている、 は〜 (-o-;)タメ息

   

[写真1] 水色のコルセット帯
 イメージ通りのさわやかで明るい水色を塗った。明るすぎて他から浮いてしまう。もっと濃い色に変えるか悩む。もっと影を強くしてみようか、ただ、影はつけすぎると重くなるので、これ以上手を入れたくない。 では どうしよう、 う〜ん。

  A B C

[写真2] スリット部のデザイン
 スリット部のデザインが気に入らないので、絵の上にトレッシングペーパーをしいてデザインをし直す。一番左がもとのデザイン。面白くもおかしくもない。むしろダサい。3案考えた。 A、はスリットの上が黒のレースで中央に丸い金具と、それを止める革のベルト。下は茶と黒の革のパッチワーク。 B、は過去の作品に描いたことのあるオリジナルなタトゥー柄。 C、はヒモと黒と茶のレザー。クールな印象で、これいいかも。

  (-o-;)タメ息

  関連記事 2/9(火)『花魁メイキング12「細部塗り」』 下↓


Yamato50の1周年記念パーティーでのビデオ上映が終わった。
これで、またひとつ締め切りが減った。
あとは絵を描くのみ。頑張らないと!


 2/9(火)『花魁メイキング12「細部塗り」』


 面積の広い部分が終わると細部を描いていきます。

 細いラインなどは手首を使って描くので、キャンバスに板を渡して、そこに手を置いて描いている。

 お尻の後ろに配置した風船のような飾りには蛾の羽模様を描く(写真3)。こういった模様などは丁寧に描くことに心がけよう。くりかえしの作業をいい加減にすると、完成したときの印象が汚くなってしまうからだ。面倒くさい作業だが、私はけっこう楽しんだ。ひとつひとつの模様が生きているバクテリアのようで、イキイキと描けるとうれしいもんだ。この感覚って普通の人にはわからないでしょうね。シュールレアリスムの画家にイヴ・タンギーという人がいる。何もない地平線にスライムのような粘土のような生き物(?)たちがウニウニ集まって増殖している絵を描いてるけど、おそらく1匹1匹描きながらお話ししているんじゃないだろうか。タンギーさんの気持ちがわかってきたような気がする。

[写真1] ゴールドの髪飾りは、はじめに金を塗って、その上から黒で塗りつぶす順に描く。ゴールドの絵の具は粒が粗いためエッジがシープにならない。だからこの順番の方が描きやすい。

[写真2] 一度塗りが終わったところ。もう二回黒を塗り重ねる。背景の金と髪飾りのゴールドと同じ色なので、一部分が背景にとけ込んでしまった。予想していたことだけど、仕上げに何かひと工夫しないといけないと思っている。

[写真3] 蛾の羽模様。こげ茶の模様をひとつひとつ丁寧に描く。ここをいい加減にすると作品が安っぽく見えてしまう。自分はこういう細かいのを描くのが好きなんだとわかった。シュールレアリスムの画家タンギーさんの気持ちがわかってきた。

[写真4] 細部を描くときはキャンバスに板をわたして、その上に手を置いて描く。今は胸の牡丹(ぼたん)の花を描いているところ。細部を描き込んでくると完成が見えてきてテンションあがる。板は「パイン材」というやわらかい木で肌触りがイイ。

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  関連記事 1/27(水)『花魁メイキング11「髪塗り」』 下↓(一部、文章を修正しました。再度ご覧下さい


ミー子の具合がよくない。肩のこぶはいよいよ大きくなり
最近、食欲までなくなってきた…。 心配

 2/5(金)『花魁メイキング11「ボディ塗り」』


 作品の印象を左右する幅広い部分、今回は人物のチャイナドレスを塗ります。赤にしようとは思っているが、どういう赤にするかを決めるのに時間がかかった。

 私が使っているターナーのアクリルガッシュには「チァイナレッド」という色がある。チャイナレッドは赤よりもオレンジ色に近いので、他の赤と混ぜてオリジナルな色を作ろうとするが、納得する色がなかなかできません。そこで、まず、自分のイメージをはっきり決めることにした。チャイナドレスの素材をどうするか。一般の布地では面白くないので、光沢のあるビニール製のチープな感じにしようと決めた。 そうなると、暗い赤ではなく明るくて光沢のある絵の具を使う必要がある。このように、色に迷ったら具体的なイメージを考えると方向性が明確になります。

 さて、光沢のある表現を考えてひらめいたのが、ターナーが出している「GOLDEN・アクリリックス」というシリーズの絵の具。近年、ニューヨークで開発された新しい絵の具で、私のオーストラリア仲間も何人か使っていて評判がいい。以前から気になっていたのでこれを機に買ってみた。絵皿で調合した時はイメージ通りの色ができて喜んだが、いざ塗ってみるとツルツルすべって思うようにいかない。 ああ、イライラするっ! しめ切も迫っているので2度塗りしたところでストップして普段使っている絵の具に戻しました…。 新しい絵の具は恐い。

[写真1] これがGOLDENの赤。写真でわかるように光沢があって発色がきれい。「パイロール・レッド」と「キナクリドン・レッド」を混ぜてビニール製のドレスのイメージができた! と思ったら…

[写真2] 塗ってみると、ベースのジェッソの上でツルツルすべって色が定着しない。これはダメだと即中断! このまま塗り重ねるか慣れた絵の具にもどすか思案…。まいった。   画面をクリックで拡大します

[写真3] 〆切が近いこともあり、普段使っている絵の具に戻した。ドレスの素材をビニールからSM系のレザースーツに変更。光沢をおさえた濃いめの色にした。はみ出して塗っているように見えるが、実はマスキングシートを貼っているので心配ない。

[写真4] マスキングシートをはがして完成。それにしてもチャイナドレスの塗りだけに、あーでもない、こーでもないと3日かかってしまった。 この忙しい時に時間かけすぎた。もう、イヤっ  画面をクリックで拡大します

   関連記事 1/27(水)『花魁メイキング10「髪塗り」』



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特に悪意はありませんし下心もありませんので、なにとぞご了承下さい。


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