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ひとりごと2005年2月


 2/27(日)『映画タイトルバック・デザイン』


 以前書いたとおりPENという雑誌で映画のタイトルデザイナーを紹介していた。

 私がはじめてタイトルデザインを意識したのは007シリーズである。オープニングのアクションが終わると、主題歌のイントロとともに現れるセクシーな女性のシルエット。そのタイトルを作っていたのがモーリス・ビンダーである。

 その後、私をタイトルコレクターにまでした決定的な作品がある。それはスティーブ・マックイーン主演の「ブリット」だ。スタッフ・キャスト名に次の画面がオプチカル合成され、トラックアップとともに画面が切り替わるという当時としては手の込んだ作業でつくられたものだ。マフィアをとらえたカメラアングルとラロ・シフリンの音楽と相まってスタイリッシュでカッコいいタイトルになっている。後にこのタイトルをデザインしたのはパブロ・フェロだと知る。それからというもの、お洒落なタイトルがあるとデザイナーは誰かチェックするようになり、やがて好きなタイトルだけをテープにつないでコレクションするようになった(現在3時間分ある)。

 私が好きな作品は、ソウル・バスの「黄金の腕」「北北西に進路を取れ」「めまい」「サイコ」「悲しみよこんにちは」。モーリス・ビンダーの「007シリーズ」「バーバレラ」「シャレード」「ラストエンペラー」「ゴールド」。パブロ・フェロの「ブリット」「博士の異常な愛情」「華麗なる賭け」。最近、若手で注目のカイル・クーパー(若いといっても私よりふたつ上だが)の「セブン」「D・N・A」「ドーン・オブ・ザ・デッド」「ゴジラ ファイナル・ウォーズ」。その他には「アメリ」「名探偵登場」「オリエント急行殺人事件」「ミクロの決死圏」「ピンクパンサー」シリーズなど。

私のタイトルコレクションを見る。

映画監督の岡本喜八氏が亡くなりました。
ご冥福をお祈りします。

 2/14(月)『デュシャンとコレクション展』


 横浜美術館でふたつの展覧会を見た。

 まずはマルセル・デュシャン。
 デュシャンと聞いて真っ先に思い出すのは便器をオブジェとした「泉」である。本展覧会の入り口に展示されている作品で、一般に売られている既製品(『レディメイド』と呼んでいる)の便器にサインをしただけのものであり、「できあいの商品の中から選び、それを美術品であると命名することで芸術的行為になりえる。」という方法論を訴えた。当時(1917年)出品された展覧会では、これは美術作品としては認められないと展示を拒否され大問題を起こしたものである。その「泉」を見て感じたのは、「芸術品を見た」というよりも『歴史的事件の証拠物件を確認した』という印象である。

 他にもコート掛けのフックを床に置いて「罠」とタイトルを付けたものがあるが、それが壁にあれば単なるフックにしかすぎないのだが、床に置くことによって、上に向かって並ぶ突起物がいかにも何かの罠のように見えるから面白い。その作品には自分のサインと6/8(8個作ったうちの6番目の意)の作品数も書かれてあり、美術をおちょくっているとしか思えない。(それが楽しい)

 会場に来ている人たちは眉間にしわを寄せて真顔で鑑賞していて、ニコニコ笑いながら見ていたのは私だけだったのではないだろうか。本展を見て、想像力を刺激されたというか、自分も何かをやってみようという気持ちにさせる魅力がある。現に、瀧口修造、森村泰昌や横尾忠則など多くのアーティストがデュシャンのオマージュ作品を作っているのにも驚いた。(本展はデュシャンの作品75点の他に影響された芸術家34人の作品78点も展示されている)

 もうひとつは横浜美術館が所有する作品のコレクション展である。
 マグリットの「レカミエ夫人」とかエッシャーのリトグラフ(永遠と続く水路)、マン・レイの写真展、日本では長谷川潔のメゾチントや近藤弘明の日本画幻想絵画など、シュールレアリスムの好きな方には超オススメです(そうでないとチンプンカンプンかも)。


 マルセルデュシャンと20世紀美術 3月21日まで(横浜美術館)
 横浜美術館コレクション展 第3期 3月23日まで(横浜美術館)



 2/9(水)『第1回 マイ・ラズベリー賞(ノミネート作品発表)』


 アメリカにはアカデミー賞に対してゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)というのがある。アカデミーの前日に発表される駄作映画、最低映画に送られるものだ。今年は俳優部門でブッシュ大統領がノミネートされている。そこで私にとってのラズベリー賞を決めたいと思う。私はあまり作品をけなすことはないが、中には「金かえせ!」と叫びたくなるようなものがある。ということで(生涯の)ノミネート作品を発表します。


 <(生涯の)ノミネート作品>

『がんばれベアーズ3 日本遠征』
 シリーズ3作目、人気子供チームのベアーズが、ただ日本に旅行したというだけの映画だった。「欽ちゃんの家族そろって歌合戦」というテレビ番組に出演するなど、面白くもなく意味もないシーンが多い。全編通してかんじんの野球の試合は少なく、"草野球は楽しい"というエンディングに怒り心頭。金とって見せる映画ではない! 最低中の最低映画。

『スーパーマン3 電子の要塞』
 最低! かっこわるいし、みっともない。予算の節約から2作目と3作目は同時進行で撮影したらしいけど、そのあおりをモロに受けた感じで、チープなセットで出演したスター(ロバート・ボーンとフェイ・ダナウェイ)が不憫でならない。ダメダメ度からしたらこっちのが高いかも。

『ツインピークス ローラ・パーマ最後の7日間』
 わけわかんないし、つまらない。TVシリーズを全部観ていてもわからないから初めて見た人はどう感じたのだろう。観賞後のモヤモヤした気分をどこに納めればいいのか、”ひょっとこ顔の女”を思い出すとチョーーーームカつく!

『幻の湖』(邦画)
 ジョギングに人生を込めた作品。出演する登場人物が皆思いこみと勘違いの妄想狂ばかり。上映開始して2時間近くなって、やれやれ退屈から解放されるかと思ったら、いきなり時代がさかのぼって、そこから新たな話しがはじまるという。まさに拷問映画です。

『噂の二人』(ウィリアム・ワイラー監督 ヘプバーン&シャーリー・マクレーン)
 オードリー・ヘプバーンとシャーリー・マクレーンの愛すべき二大スターが共演(しかもふたりとも主役)、さらに名匠ウィリアム・ワイラー監督とくれば誰だって期待するでしょう。ところがどっこい内容は暗い映画。しかもトラブルを解決できずに挫折したまま終わるという不愉快きわまりない作品! 基本的に映画は娯楽でしょ、救いのない映画は嫌いです。生涯二度と観たくない古典的名作。

『コックと泥棒その妻と愛人』
 ミニシアター系で注目を浴びるピーター・グリーナウェイ監督の作品。ひとことで言って『猥雑』。エロ・グロ・ゲロの三拍子そろってます。他の作品はいっしょうけんめい作って失敗しているため仕方ないが、この作品は観客を不快にさせるために撮ってるようなもので確信犯でしょう。2001/1/10のひとりごとの記事では、過去最低の評価5点(100点満点)をあげました。合掌


 以上、思い出すのも虫ずが走る私の生涯のワースト作品たちです。
 ひょっとしたら、あまりのダメダメぶりに記憶から消えている作品があるかもしれませんが、まずは第一回目ということで。それに、去年業界を騒がしたワースト作品の誉れ高い「デビルマン」は未見なので入ってません。これを機に見たくなりました。

 栄えある(?)マイ・ラズベリー賞はどの作品になるでしょうか。結果は本家ラズベリー賞の発表後に行います。お楽しみに。(って、楽しいか?)


寒気がして風邪を引きそうです。
そんな時は卵酒でもつくって早く寝ますか。

 2/5(土)『くじら料理2「百壷」』


 先日ニュースで、和歌山県の小学校の給食で「くじらの肉」が出たそうだ。和歌山は昔から捕鯨の町として有名で、そんな地元の文化を知る一環として出されたというのだ。

 前回、渋谷の店を紹介したが、私の職場、浜松町にも一軒ある。

 JR浜松町駅南口から品川にもどる階段がある。降りてすぐの通りを芝公園に向かって1分も行かない左側にこじんまりとした店、「百壺(ひゃっこ)」。

 まずは生ビールのお供として『くじらベーコン』を注文する。くじらの肉を薄くスライスしたものをカラシ醤油でたべる。ここのベーコンは脂身の大きさといい味といい昔のまま、少し厚いかもしれない。昔は当たり前のとしてそう味わって食べたことが無くて、高価になった今、よくよくかみしめると、がっしりとした歯ごたえの部分に、脂身はとろけ、1枚肉に様々な食感のコラボレーションがあるのを知った。くじらベーコンが大衆の食べ物、おじさんの酒のおともだったのに、簡単に食べられなくなって悲しい。これでホッピーがあれば気分は「三丁目の夕日」だ。

 ここの名物は「くじらの竜田揚げ」。表面の衣はしっかり揚げてあるのに中身は赤いレア状態。これがやわらかくて美味。前にも書いたとおり、くじらの肉はコレステロールがないので、いくら食べてもヘルシーときている。これまたお腹の出たおじさんには好都合というわけですよ。

 寒くなってきたこの頃は、くじらをつまみにお湯割り、これがたまらない。

 関連記事 2004/6/19『クジラの空揚げ定食』



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ここに書かれている内容は徳富の個人的な感想によるものです。
特に悪意はありませんし下心もありませんので、なにとぞご了承下さい。



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