経済連携協定(フィリピン・タイ・インド)
![]() 化学物質問題市民研究会 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 更新日:2009年3月13日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/JPEA/jpepa.html 更新情報|AJCEPA 市民社会フォーラム|EPA全般|フィリピン|タイ |インド はじめに|JPEPA の経緯|メディア報道|市民団体共同声明|当研究会 日本のNGOs |タイのNGOs|フィリピンのNGOs|BAN 二国間協定と廃棄物貿易|放射性廃棄物|第4条 法令の見直し|廃棄物を示す関税表 EPA/FTA について|廃棄物輸出問題説明資料ppt 更新情報 ■日・ASEAN(ASEAN6カ国:タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイ) ![]()
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■フィリピン
日・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEPA) (08/10/22) ■AJCEPAに関する市民社会フォーラム(2009年3月6〜7日、バンコク)
■外務省のウェブサイトによれば「この協定は、ASEANとの間の経済連携を強化するため、我が国とASEAN構成国との間の物品貿易を自由化・円滑化し、知的財産分野及び農林水産分野等での協力を促進するとともに、サービス貿易の自由化並びに投資の自由化及び保護について今後交渉を行うこと等を定めるもの」とある。 日・ASEAN包括的経済連携協定の効力の発生に関する通告について ■関税撤廃リスト中の有害廃棄物 (1) 関税撤廃リストには他のEPAと同様に日本語板と英語版があるが、日本語版は日本国に適用される「日本の表」だけである。 日ASEAN包括的経済連携(AJCEPA)協定/附属書 1 関税の撤廃又は引下げに関する表(PDF) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/ajcep_k.html http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/pdfs/ajcep_k1.pdf 他のEPAと同様に、この「日本の表」では、有害廃棄物について下記のように大分類だけで詳細は記述されていない。 ・第二六類 鉱石、スラグ及び灰 ・第三〇類 医療用品 ・第三八類 各種の化学工業生産品 (2) 英語版では、ACEPA / Annex 1 に日本を含む「各国の表」がある。 http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/agreement.html http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/annex1.html 他のEPAと同様に、英語版の「各国の表」には有害廃棄物の小分類まで記されている。 たとえばフィリピンの場合 Part 8. Section 2: Schedule of the Republic of the Philippines [PDF] http://www.mofa.go.jp/policy/economy/fta/asean/part8-2.pdf 2620.6000 灰と残渣(鉄鋼メーカからのもの以外) 2621.1000 一般廃棄物の焼却による灰及び残渣 3006.80 医薬品廃棄物 3825.1000 都市廃棄物 3825.2000 下水汚泥 3825.3010 医療廃棄物−粘着性手当て用品及びその他の物品、ガーゼ包帯、手術手袋 3825.3090 その他の医療廃棄物 3825.4900 有機溶剤−ハロゲン化合物、その他の廃棄物 ■有害廃棄物貿易の監視 中古品名目のものを含めて有害廃棄物が日本からASEAN諸国に輸出されないよう監視する必要がある。 ■関連資料
はじめに ■日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)は、2006年9月9日に小泉純一郎総理(当時)とフィリピンのアロヨ大統領により署名されました。 ■この協定に基づきフィリピンから看護士・介護士を日本に受け入れることについてはメディアは取り上げましたが、この協定が日本の廃棄物や焼却灰をフィリピンへ輸出する道を開く可能性があるということについてはほとんど報道がありません。 ■協定書に付属する関税削減品目を示す表中で、焼却灰、残渣、医療廃棄物、都市廃棄物、下水汚泥、化学品廃棄物、中古衣類、中古品、などが関税ゼロ品目として挙げられています。 ■フィリピン当局は、廃棄物を入れたことは単なる事務的なことであるとし、また現地日本大使館は「バーゼル条約に基づく法的枠組みを確立しており、厳格な輸出入管理を実施しているので、相手国の承認なしにどのような有害廃棄物も輸出しない」と述べています。 ■しかし、「シンガポールとフィリピンの比較」に示すように、決して事務的ではなく、各国にそれぞれ念入りに選ばれた廃棄物がリストされていることがわかります。 ■バーゼル条約でもわが国の廃棄物処理法でも、廃棄物の「国内処理の原則」を明確に規定しています。 ■廃棄物をリストに入れたことが単に事務的なことであり、廃棄物の「国内処理の原則」に従い廃棄物を輸出しないなら、廃棄物をリストから外すべきなのです。ここに資源国際循環の名の下に廃棄物をアジア諸国に輸出できるようにする下地作りのための日本政府の巧妙な戦略が隠されています。 ■日本からフィリピンへ輸出される物品には「フィリピンの表」が適用されますが、この表(英文)の日本語訳は外務省のJPEPAの日本語テキストでは"省略"されています。そのため日本ではJPEPAに廃棄物が含まれていることをほとんどの人は気付かず、国民の目から廃棄物輸出を巧妙に隠しています。 ■すでに行われた衆議員の審議でも廃棄物については一言も触れられていません。議会の審議が、廃棄物がリストされている「フィリピンの表」の日本語テキストなしで、十分な情報提供を受けずに行われていることは重大な問題です。 ■日本政府の廃棄物貿易自由化政策は、国内での廃棄物処理はコストがかかり、最終処分場の残余年数は一般産業廃棄物(平成16年度)が13.2 年、産業廃棄物(平成15年度)は全国では6.1年、首都圏では2.3年と逼迫しているので、資源の国際循環という名目で、廃棄物処理をアジア地域内を含む途上国で行うという戦略です。この戦略は、 「3Rイニシアティブの物品・原料の国際的な流通に対する障壁の低減」 と 「アジア域内二国間経済協定(FTA)の関税削減リストに廃棄物を含める」 という2本柱からなっているとバーゼル・アクション・ネットワークの報告書は分析しています。 ■わが国で発生する廃棄物の処理を途上国に押し付けることで、自国の廃棄物問題の軽減をはかり、その結果、途上国の人々の健康と環境を脅かすということは環境正義の観点から許されません。 ■12月5日の参議院外交防衛委員会における質疑で、「関税削減リストから全ての廃棄物を削除すべきではないか」、「有害廃棄物は絶対輸出しないとの約束が必要ではないか」との質問に対し、政府答弁は 「バーゼル条約とJPEPA23条/GATT20条(人・動物・植物の健康・生命の保護に必要な措置)に国際的な約束がある」 とはぐらかしました。しかしJPEPA第4条の 「法令の見直し」 は、 「一層貿易制限的でない態様で対応することができる場合には、その法令を改正し、又は廃止する可能性を検討する」 としており、廃棄物貿易を規制する既存の法を改正することによる有害廃棄物貿易の可能性を明確に述べています。(06/12/08) JPEPAの経緯
メディア報道
日本のNGOsの対応 ■学習会
http://www.geocities.jp/fujiwara_toshihide/index.html 日比経済連携協定(JPEPA)問題のページ 廃棄物問題 基礎資料のページ(省庁、各機関、出版物等の情報が豊富)
■FTAウォッチ (タイ) (http://www.ftawatch.org/en/index.shtml)
http://www.greenpeace.org/seasia/en/
MAGKAISA JUNK JPEPA COALITION (JPEPA 阻止連合) Global Alliance for Incinerator Alternatives (GAIA) Greenpeace SEA
http://www.ban.org/index.html 当研究会が日本語化したBAN 有害廃棄物ニュースのうち、JPEPA関係の記事を紹介しています。
二国間協定による廃棄物貿易の推進政策 (07/02/03) ■二国間協定による廃棄物貿易の推進政策とバーゼル崩しの証拠 経済産業省は二国間協定による廃棄物貿易の推進を図るために下記のような調査研究を公募し、2006年9月29日付けで神鋼リサーチ株式会社が受注した。 JPEPAに関する2006年12月5日の参議院外交防衛委員会の質疑で、国は、「これ(JPEPA)により有害廃棄物の輸出入を促進する意図は全くない」と答弁しているが(*)、このような調査・研究は国がJPEPAのような二国間協定を使って廃棄物貿易を推進しようとしている明白な証拠である。 (*)参議院外交防衛委員会12月5日議事録(PDF) 6頁下段中央(政府参考人/石川 薫) また、バーゼル条約があるために廃棄物の移動が円滑に進まない場合があるとして、バーゼル条約崩しの意図を露骨に示しています。 ■平成18年度「循環資源の輸出入のための二国間・多数国間協定等の現状及び課題に関する調査委託事業」に係る委託先の公募について(平成18年8月18日産業技術環境局リサイクル推進課 )http://www.meti.go.jp/information/data/c60818ij.html 調査事業の目的 現在、バーゼル条約事務局には、同条約第11条に基づいていくつかの二国間又は多数国間協定等が通告されているが、その内容(バーゼル条約との内容の違い、手続きの違い等)や法的位置づけ(締結国内担保措置、締結国のバーゼル国内法との関係等)は、詳しく研究されていない。 本事業調査では、我が国とアジア諸国間での将来的な締結も視野に入れて、環境汚染の拡散の防止と資源の有効利用の両立を目的とした適正な有害廃棄物等の移動と処理・リサイクルを確保するための二国間・多数国間協定の課題について整理するための調査・検討を行うこととする。 ■公募要領:平成18年度 循環資源の輸出入のための二国間・多数国間協定等の現状及び課題に関する調査 委託事業(pdf) 調査事業の目的 ・・・これらの廃棄物の多くは、バーゼル条約の対象の有害廃棄物等に該当すると考えられるが、バーゼル条約締約国間での移動については、それぞれ各国の国内法で廃棄物の範囲が必ずしも同じでないこと、政府間での通告・回答に一定の時間を要することなどから、円滑に進まない場合がある。また、そもそもバーゼル条約締約国と非締約国との間では有害廃棄物の移動が禁止されている。 このような問題の解決策として、他の国ではバーゼル条約第11条に規定する二国間、多数国間若しくは地域的な協定又は取決めの締結を活用している・・・ ■経済産業省 循環資源貿易で実態調査 汚染拡散防止と資源有効利用(日刊資源新報) ■報告書の発表 国際循環システム対策費−循環資源の輸出入のための二国間・多数国間協定の現状及び課題に関する調査 http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/research/h18fy/180901-3_src.html 放射性廃棄物 (07/01/27) ■使用済み原子炉用(放射性)燃料要素(カートリッジ) 日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)の関税撤廃リストに放射性物質及び”使用済み原子炉用(放射性)燃料要素(カートリッジ)”が含まれており、まだ公開されていない日タイ経済連携協定(JTEPA)も同一文言で記述されている証拠があります。グリーンピース東南アジアは、これを日本から東南アジア諸国への核廃棄物の輸出の道を開くものとして警告しています。JPEPAでの核廃棄物の記述はフィリピン用関税リスト(英語)にはありますが、日本用関税リスト(日本語)には核廃棄物と明示されておらず、日本人は気づかないようになっています。
「JPEPA 第4条 法令の見直し」の問題点 ■JPEPA 第4条 法令の見直し 同条は次のように述べている。 「各締約国は、この協定の実施及び運用に関連し、又は影響を及ぼす法令につき、その制定の契機となった事情若しくは目的が存在しなくなった場合又はそのような事情若しくは目的について一層貿易制限的でない態様で対応することができる場合には、その法令を改正し、又は廃止する可能性を検討する。」 フィリピン政府は「フィリピンに有害廃棄物の輸入を禁止する国内法があるので、廃棄物を輸入することはない」と説明しているが、そのような国内法は貿易制限的なわけであるから、協定の実施・運用の妨げになると判断して、そのような国内法を”一層貿易制限的でない態様”に改正して、廃棄物を輸入できるようにする可能性があることをこの第4条は明確に示している。 この問題を取り上げた2006年11月30日マニアラ・スタンダード・トゥデイは次のように述べている。 「・・・JPEPAに関する日本との交渉責任者であるトーマス・アキノ次官は、『有害廃棄物(の輸入は)は禁止されているのだから、有害廃棄物の関税表は実際に使われる機会はない』と述べている・・・」 しかし、「・・・簡単に言えば、この第4条は、もしJPEPAの実施・運用を妨げるような法令が存在するなら(例えば有毒物質及び危険・核廃棄物法1990年、及び清浄大気法1999年)、各締約国はその法令を改正し、又は廃止する可能性を検討する義務があるということである。・・・」 「アキノ次官はJPEPAに有害廃棄物が含まれていることは正直に告白したが、この第4条については何も述べていない。なぜか?・・・」 Manila Standard Today Online, November 30, 2006/The fourth article http://www.manilastandardtoday.com/?page=connieVeneracion_nov30_2006 廃棄物を示す関税表 ■JPEPAの関税表 JPEPA の関税表には、「日本国の表」 と 「フィリピンの表」 がある。「日本国の表」 はフィリピン産物品の日本への輸入関税用であり、「フィリピンの表」 は日本産物品のフィリピンへの輸入関税用である。 外務省の英語版テキストには 「日本国の表」 と 「フィリピンの表」 の両方が掲載されているが、日本語版テキストには 「日本国の表」 しか記載されておらず、「フィリピンの表」 は省略となっている。 日本からフィリピンへの(廃棄物)輸出に関しては 「フィリピンの表」 が適用されるにもかかわらず、フィリピンへの輸出物品(廃棄物)の分類と関税を示すこの 「フィリピンの表」 が日本語テキストに示されていないということは、 JPEPA に廃棄物輸出が含まれていることを非常に分りにくくしている。これは廃棄物輸出を日本国民の目から巧妙に隠しているといわれても仕方がない。 すでに行われた衆議院の審議でも廃棄物については一言も触れられていない。議会での審議が廃棄物の記述のある「フィリピンの表」の日本語テキストなしで、十分な情報提供を受けずに行われていることは重大な問題である。 ◆外務省の日本語版テキスト 附属書一(第二章関係) 第十八条に関する表(PDF) http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/philippines/pdfs/fuzoku01.pdf ◆外務省の英語版テキスト Annex 1 referred to in Chapter 2: Schedules in relation to Article 18 (PDF) http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/philippine/epa0609/annex1.pdf ■「フィリピンの表」 に示される関税ゼロの廃棄物 (日本語テキストではこの表は省略されている)
■「日本国の表」 日本語テキストにある 「日本国の表」 には、上記の表に示す品目は示されておらず、次のような大分類項目が示されているだけである。 ・第二六類 鉱石、スラグ及び灰 ・第三〇類 医療用品 ・第三八類 各種の化学工業生産品 ・第六三類 紡織用繊維のその他の製品、セット、中古の衣類、紡織用繊維の中古の物品及びぼろ ■原産品の定義(廃棄物関連) 協定書 第二十九条(四八頁) 1 略 2 1(a) の規定の適用上、次に掲げる産品は、締約国において完全に得られ、又は生産される産品とする。 (a)〜(h) 略 (i)当該締約国において収集される産品であって、当該締約国において本来の目的を果たすことができず、回復又は修理が不可能であり、かつ、処分又は部品若しくは原材料の回収のみに適するもの (j)当該締約国における製造若しくは加工作業又は消費から生ずるくず及び廃品であって、処分又は原材料の回収のみに適するもの (k)本来の目的を果たすことができず、かつ、回復又は修理が不可能な産品から、当該締約国において回収される部品又は原材料 ■シンガポールとフィリピンの比較 (07/06/24) 2002年11月30日発効の日本・シンガポール新時代経済連携協定の英文テキストには日本の表だけがあり、シンガポールの表はない。 2006年12月5日参議院外交防衛委員会12月5日議事録(4頁):政府参考人(石川薫君)「 シンガポールの場合は、基本的に日本を原産とするすべての物品について関税を撤廃しますという包括的な規定をまずぼんと掛けてしまっているものですから、その後ろの細かい記述が違うと、こういう趣旨でございます。 ■マレーシアとフィリピンの比較(07/06/24) 2006年7月13日発効のマレーシアとの経済連携協定におけるマレーシアの表に含まれている廃棄物:
日本の外務省や環境省は、「廃棄物が、関税撤廃の対象リストに入ったのは、過去の協定と同様で他意はない」、「廃棄物がリストに含まれているのは単に形式上の問題」、「EPAには、HSコードがふられているものの内、90%を対象にしなくてはならないので、実際には、貿易が行われるはずのない廃棄物もリストアップしているだけ」 という説明をしているようであるが、その説明は偽りであり、国毎に念入りに選んでリストされていることが分る。 フィリピンの協定の中でも 「日本の表」 には廃棄物はリストされていないのに、「フィリピンの表」 にはリストされていることから、日本からフィリピンに輸出できるよう大いに他意をもって念入りに選ばれた廃棄物がフィリピンにだけリストされていることがわかる。 「日本の表は」廃棄物をリストしていないのだから、90%対象要求というものがあったとしても、それは廃棄物をリストに含める理由にならない。日本と「同様」に、「フィリピンの表」からも廃棄物を除外すべきである。 EPA/FTA について ■経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)/外務省
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![]() ■ASEAN・日本を取り巻くEPA・FTAの現状とビジネス環境の変化/ジェトロ資料 EPA/FTAとは何か
■HSコードについて(JETRO による解説) "Harmonized Commodity Description and Coding System"(商品の名称および分類についての統一システム) ADB京都総会・市民フォーラム(2007年5月4日〜7日) 2007年5月4日〜7日、アジア開発銀行(ADB)の第40回年次総会が京都で開催されました。ADBは、アジア各国の開発事業に融資をおこない、アジアの人々の生活にとても大きな影響を与えている国際機関です。 このADB総会に向けて「ADB京都総会に向けたNGOネットワーク実行委員会」が結成され、当研究会も国内4団体、海外2団体と共に、日本政府の有害廃棄物自由貿易に反対する立場から参加しました。 当研究会の参加報告は、「アジア開発銀行と3Rイニシアティブ」 のページをご覧ください。 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/ADB/ADB._3R.html |