インクワイアラー 2007年10月8日記事 紹介
JPEPA 深刻な憲法上の問題が指摘される

情報源:Inquirer.net 10/08/2007
(UPDATE)'Serious constitutional problems' cited in JPEPA
http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/nation/view_article.php?article_id=93167

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2007年10月9日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/JPEA/071008_Inquirer_constitutional.html


【マニラ】 日本フィリピン経済連携協定には、”深刻な憲法上の問題”があると元最高裁判事フロレンシオ・フェリシアーノは月曜日、JTEPAに関する上院の最終聴聞会で読み上げた声明の中で述べた。
 フィリピン大学元法学部長メルリン・マガローナは、JPEPAは行政部によって交渉がなされたので、憲法第6条24節に定める”議会の独占的関税設定権”、特に下院議会を侵害したというフェリシアーノ元判事の主張のを繰り返した。

 ふたりの憲法専門家は、そのような関税設定権は、条約を通じてではなく、法によって、大統領に委任されるとフィリピン憲法は明記していると述べた。

 マガローナ・フィリピン大学法学部長は、この権限の委任は関税の完全撤廃を含んでいないと述べた。

 JPEPAは、”この議会の憲法上の権限を奪うものである”と元法学部長は述べた。

 マガローナ元学部長は、この条約はまた、議会が課税権を行使することを効果的に禁止していると述べた。

 彼は、日本の投資家に与えられる国の待遇もまた、フィリピンで事業を行う会社は少なくとも60%以上フィリピン人であるべきとする憲法上の要求に違反していると指摘した。

 JPEPAの第96条及び98条を引用してマガローナ元学部長は、フィリピンは日本の投資家を革命や動乱などから保障する保険会社になるであろうと述べた。

 ”これは、フィリピンが私的な個人の行為に法的責任を負うことになる・・・。これは我が国の主権に対する著しい侵害である・・・。我々は、私人による行為に対してではなく、我が国の主権に基づく行為だけに責任を負うべきである”と元法学部長は述べた。

 マガローナ元学部長は、日本人以外の外国人にもJPEPAで規定している同じ国家待遇を与えることを許すとしてJPEPAをトロイの木馬に例えた。

 ”これは、経済的民族主義に対する完全な襲撃である”と彼は述べた。

 両国間で交渉されたこの協定を承認するか拒絶するかどちらかを決める上院で、この協定の長所と短所が議論されている。



化学物質問題市民研究会
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