INQUIRER.net 2008年7月16日
最高裁 JPEPA交渉の行政特権を認める
情報源:INQUIRER.net, 07/16/2008
SC affirms 'executive privilege' on JPEPA negotiations
http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/nation/view/20080716-148806/
SC-affirms-executive-privilege-on-JPEPA-negotiations


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2008年7月17日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/JPEA/080716_JPEPA_executive_privilege.html


【マニラ、フィリピン】フィリピン最高裁は、一部の議員、比例代表政党(partylist)、及び戦闘的団体が求めていた議論ある貿易協定に関する日本との交渉過程を完全に公開することの要求を拒否して、政府が主張した’行政特権’を支持した。

 10対4の採決の結果、要求された文書は、完全な情報と政策の公開の権利に対する例外とみなされる外交交渉であるとされて公開することを免れた−と最高裁は述べた。

 ”外交交渉は特権であるということがこの裁判で認められ、請願者らが申し出た理由は最高裁を納得させることができなかった”と最高裁は日本−フィリピン経済連携協定(JPEPA)に言及しつつ、副判事コンチタ・カルピオ-モラレスによって書かれた51ページの判決文の中で述べている。

 ”さらに、市民と上院議員の双方からなる請願者らは、特権であるとする主張に打ち勝つために必要な十分な証拠を示せなかった”と最高裁は述べた。

 請願者らはアクバヤン市民行動党((AKBAYAN)、Pambansang Katipunan ng mga Samahan sa Kanayunan (PKSK)、進歩労働者連合(APL)、Vicente Fabe, Angelito Mendoza, Manuel Quiambao, Rose Beatrix Cruz-Angeles, Lawmakers Lorenzo Tanada III, Mario Joyo Aguja, Loreta Ann Rosales, Ana Theresia Hontiveros-Baraquel and Emmanuel Joel Villanueva 等を含む。

 請願者らは、交渉過程を完全に公開せずに政府が日本との貿易協定に署名するのをやめさせることを望んでいる。

 この訴訟で被告とされた貿易産業省はJPEPAの全文を明らかにすることを求めるアカバヤンの要求を拒否した。

 政府は1987年憲法の中で述べられているように情報と政策の完全な公開に対する公衆の権利を認めるが、そのような権利は絶対的なものではないと述べた。

 政府は大統領令464に関する最高裁の判断に留意したが、それは特定の情報に関連して行政特権を発動する権利を認めている。

 特権として考慮されるかもしれない情報の種類には外交的特性のある事項及び交渉中並びに検討中の事項が含まれる。本件の場合、外交交渉の特権的特性が被告側、特に貿易産業次官[トーマス・アキノ]によって引用され明確に説明されたと政府は述べた。

 しかし請願者らは、JPEPAは、二国間の貿易障壁を取り除き、商品、人、サービス及び資本の流れを容易にすると主張した。

 アカバヤンは、自治体ゴミ、下水汚泥、医療廃棄物のような危険で有害な廃棄物製品の貿易を含めるという提案に言及した。

 この協定は、グロリア・マカパガル・アロヨ大統領の東京訪問を受けて、2002年に当時の小泉純一郎首相によって初めて提案されたが、公式の交渉は2004年2月になって開始された。



化学物質問題市民研究会
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