市民団体共同声明 2007年9月28日
日本政府は、タイ国憲法に違反して
国家立法議会の審議を経ずに
JTEPAの批准を急ぐタイ政府に
協力すべきではない


Japanese Citizen Group Joint Statement of Concern, September 28, 2007
The Japanese Government Urged Not to Support the Thai Government's Effort
to Rush the Ratification of the JTEPA by Bypassing Deliberation
at the National Legislative Assembly
in Violation of the Thai National Constitution

日本語版 PDF / 英語版 PDF

掲載日:2007年9月28日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/JTEPA/070928_JTEPA_press.html


市民団体共同声明
2007年9月28日

日本政府は、タイ国憲法に違反して国家立法議会の審議を経ずに
JTEPAの批准を急ぐタイ政府に協力すべきではない


【2007年9月28日 東京】タイの市民は、タイ王国スラユット・チュラノン政府が、日本タイ経済連携協定(JTEPA)の早期批准を求める安倍首相(当時)との約束を守るために、2007年8月19日に国民投票によって信任されたタイ国新憲法(2007年憲法)第190条に違反して国家立法議会の審議を経ずに、10月2日に両国の外交覚書を交換し、30日後の11月1日にJTEPAを発効させようとしているとして、その違憲性と不透明性に抗議している。

 私たち、環境問題、健康問題、人権問題、農業問題、貿易問題、消費者問題、等に取り組む日本及び米国の市民団体は、JTEPAを取り巻く状況及びタイ市民の行動に対して以下の立場を表明する。

  1. 2007年憲法第190条により、JTEPAを含む全ての国際条約/協定は国家立法議会の審議を求められていると主張して、スラユット政府の違憲性及び不透明性に抗議するタイ市民の行動を強く支持する。
  2. 日本政府は、タイ国憲法に違反して国家立法議会の審議を経ずにJTEPAの批准を急ぐタイ政府に協力すべきではない。
  3. 日本政府は、タイ国憲法に違反して国家立法議会の審議を経ずに行われる外交覚書の取り交わしを行うべきではない。
  4. 有害廃棄物貿易の問題だけでなく、JTEPAに内在する全ての問題が、国家立法会議において審議され、究明されることを期待する。
以上


2007年9月26日上野公園
日タイ修好120周年式典会場
タイNGOの抗議ビラ
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日本!やめろ!
タイ政府にタイの憲法への
違反を勧めるな!
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賛同団体:
AMネット
ATTAC ジャパン
化学物質過敏症支援センター
化学物質問題市民研究会
関西フィリピン人権情報アクションセンター
グローバリゼーションを問う広島ネットワーク
国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会(全国食健連)
市民がつくる政策調査会
ジュビリー関西ネットワーク
全国労働安全衛生センター連絡会議
地域・アソシエーション研究所
筑後川水問題研究会
脱WTO/FTA草の根キャンペーン
止めよう!ダイオキシン汚染・関西ネットワーク
止めよう!ダイオキシン汚染・東日本ネットワーク
日本消費者連盟
農民運動全国連合会(農民連)
農薬問題を考える会
バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)/米国
フィリピンのこどもたちの未来のための運動(CFFC)
フォーラム平和・人権・環境

本件に関する問い合わせ:
安間 武(化学物質問題市民研究会)
〒136-0071 東京都江東区亀戸 7-10-1 Z ビル 4階
TEL/FAX 03-5836-4358
e-mail: ac7t-ysm@asahi-net.or.jp



JTEPAの経緯:

■2003年交渉開始
■2005年大筋合意
■2006年12月1日
 グリーンピース東南アジアは、日タイ間で交渉中の日本タイ経済連携協定(JTEPA)は大量の有害廃棄物をタイに輸出する道を開くとして、日本大使館前で抗議行動を行った。
■2006年12月22日  タイ政府による自由貿易地域協定締結のための交渉を監視してきたFTAウォッチは、JTEPAの署名と政府主催の形式的な公聴会に反対の意思を表明した。
■2006年12月22日
 タイ政府はチュラロングコーン大学で、JTEPAに関する"形式的"な公聴会を実施した。
■2007年1月9日
 グリーンピース東南アジアは、"タイは日本のゴミ容器ではない"として日本大使館前で抗議行動を行った。また、JTEPAから有害廃棄物の関税削減条項を削除することを要求する手紙を日本国首相に送った。
■2007年3月13日
 FTAウォッチは、反JTEPAキャンペーンの行動計画を発表した。
■2007年4月2日
 日本の市民団体は共同プレスリリースを発表し、首相・外相・環境相への抗議の書簡「日本政府は日・タイ経済連携協定から全ての廃棄物を削除し、廃棄物の国内処理原則を守り、資源循環に名を借りた途上国への輸出戦略を止めるべき」を送付した。
■2007年4月3日
 両国政府は、JTEPAに調印し、協定テキストを発表した。
■2007年8月19日
 タイ国新憲法(2007年憲法)が国民投票によって信任された。
 第190条の内容:
 国家の経済的及び社会的安定に広範な影響を与える、又は貿易、投資又は国家予算に重大な制限をもたらす条約は、国会によって承認されなくてはならないと規定
■2007年9月23日
 FTAウォッチ は記者会見を行い、プレスリリース「タイ政府 JTEPA発効を急いで新憲法に違反」を発表した。
 JTEPAを含む経済連携協定の問題の詳細については、化学物質」問題市民研究会の下記ウェブページを参照ください。
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/jpepa_master.html



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