BAN 有害廃棄物ニュース 2006年11月9日 GAIA 報告

ユース・グリーン戦士らが日本に怒りの声
フィリピンは廃棄物の自由貿易区域ではない


情報源:Toxic Trade News / 9 November 2006
Youth Green Warriors Tell Japan: Philippines is Not a Free Waste Trade Zone
by GAIA
http://www.ban.org/ban_news/2006/061109_green_warriors.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年11月17日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/BAN/061109_GAIA_youth_green.html


エコウェイスト連合の若者達が日本大使館とフィリピン上院の前で、もし日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)が批准され実施されれば、壊滅的な廃棄物植民地となるという寸劇を演じた。この有害物質協定はフィリピンの環境法によって禁止されている有害廃棄物の輸入を解禁させることになるかもしれない。”エコウェイスト連合”やその他の関係団体は日本の議会とフィリピン上院に同協定を拒否するよう求めている。アロヨ大統領と小泉純一郎首相(元)の9月9日の署名後2ヶ月目のこの日、様々な抗議行動が行われた。 Image GAIA
【2006年11月9日(パサイ市)】 エコウェイスト連合のグリーン・ユース戦士らが日本大使館とフィリピン上院の前で、もし日本フィリピン経済連携協定(JPEPA)が批准され実施されれば、壊滅的な廃棄物植民地となるという寸劇を演じた。この有害物質協定はフィリピンの環境法によって禁止されている有害廃棄物の輸入を解禁することになるかも知れない。エコウェイスト連合やその他の関係団体は日本の議会とフィリピン上院に同協定を拒否するよう求めている。アロヨ大統領と小泉純一郎首相(元)の9月9日の署名後2ヶ月目のこの日、独創的な抗議行動が行われた。

 極めて有害な廃棄物の国外からの輸入にドア開くことについて、どこに論理と正気があるのか、そのような有害な廃棄物の取り扱いを我々自身でできるということについて、いつ我々は知ったのか? エコウェイスト連合はその声明の中で、”我々は、有害廃棄物貿易を合法化することを通じての現代的な植民地主義の醜悪な形態に強く反対する”と強調して、このように問いかけている。

 ”我々は(日本の)廃棄物のゴミ捨て場になるのか? 我々は国内の不法投棄問題の処理で手一杯なのではないか?” これが数百万の Juan and Juana de la Cruzes の問いかけである。すでに我々の環境は、我々自身が管理できていない都市廃棄物、医療廃棄物、そして有害廃棄物からの影響で目に見えて悪化している。我々の政治家達はこのことが見えないのか?

 ”JPEPA の発効を阻止する連合”から参加している”エコウェイスト連合”は、フィリピン、日本、又はその他の国によってなされるどのような形の廃棄物の投棄にも反対する立場を支持する次のような事実を引用している。

 年間、840万トンの廃棄物が,500万人のフィリピン人によって生成されている。首都マニラだけで、毎日発生するゴミの85%が排水溝、小川、河川、そしてマニア湾に捨てられている。

 250万トン近くの有害廃棄物が、農業、商業、産業、そして家庭からも発生している。28万トンの有害廃棄物のうち、50%が現場でリサイクル又は処理され、13%が運送業者/処理業者によって引き取られ、残りの37%は、近くの現場に、離れた敷地に、あるいはどこかに違法に投棄されている。

 我々の地域の病院、診療所、伝染性廃棄物の生成者らは、医療廃棄物の適正な取り扱いと処理に関する法律の要求に四苦八苦している。それらの多くはいまだに野積みの処分場に廃棄されている。

 投棄を違法とする法律があるにもかかわらず、国家固体廃棄物管理委員会と地方当局は、国中で1,000か所以上の不法投棄を取り締まることができないでいる。

 我が国の法律は、我々と我々の子ども達を有害な排気ガスと焼却灰から守るために、廃棄物の野焼きと焼却を禁止し違反には罰則を設けている。それなのに、なぜ、日本は焼却灰と残渣をフィリピンに投棄することが許されるのか。

 廃棄物危機に対するエコロジカルな解決を追求するエコウェイスト連合と多くのその他の団体は、JPEPA は我々の環境中の有毒物質問題を悪化させるだけであり、我々の脆弱な生態系を汚染し続ける不法な投棄を止めさせる努力を台無しにするものである。

 この協定によって、我々の政治家はこのフィリピンに日本の有害廃棄物という形での侵略を歓迎しようとしているのと同然である。この協定全体は、骸骨のシンボルの烙印が捺され、フィリピン上院及びフィリピン国民全員によって拒否されなくてはならない。

 ”JPEPA の発効を阻止する連合”からの参加団体”エコウェイスト連合”は、JPEPAの下での有害廃棄物の貿易自由化に強く反対することを強調している。



化学物質問題市民研究会
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