BAN/GAIA共同声明 2007年5月24日
アジア太平洋諸国は貿易協定を通じて 有害廃棄物が持ち込まれることに警告 バンコクSAICM地域会合 情報源:BAN/GAIA Press Release, May 24, 2007 Asia-Pacific Cautions Against Toxic Waste Dumping Through Trade Pacts http://www.ban.org/ban_news/2007/070524_cautions_against_waste.html 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2007年5月24日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/BAN/BAN_GAIA_070524_SAICM.html 【2007年5月24日 バンコク】 アジア太平洋諸国は昨日、開発途上国は有害廃棄物のゴミ捨て場になってはならず、特に経済協定は有害廃棄物に関するバーゼル条約などの既存の環境関連条約を潜り抜けるような方法に使われるべきではないと述べた。この要求は、5月21〜23日までタイのバンコクで3日間開催され、30カ国が出席した”適切な化学物質管理を推進するための世界規模の多分野関係者が参加する国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)”の地域会合で出されたものである。 この会議中、ある参加者らは彼らの領域内に有害廃棄物が輸入される可能性について懸念を表明した。特に開発途上国は彼らの港で有害廃棄物の輸入を監視することの困難さ及び通関と環境関連法を執行するために必要な人材の不足に直面していることを認識した。同会議ではいかに貿易協定がSAICMの目的[1]及びバーゼル条約と矛盾があるかが明らかにされた。 ”日本が進めるフィリピンとタイとの自由貿易協定は、有害廃棄物投棄についてのアジアの懸念の中心である”とバーゼル・アクションネット・ワーク/アジア太平洋地域(BANAP)のリチャード・グティエレスは述べた。”これらの貿易協定は、日本の有害物質を貧しい諸国に送り込むという国際的化学物質管理の日本版であることを明確に示している。それは日本を安全できれいにするが、アジアの残りの諸国を有害物質で汚染する。” 有害物質の移動に関する同会議における共同の懸念の結果として、地域会合においてフィリピン、インドネシア、ネパール、ナウル、オマーン、及びイラクの各政府によって出された共同声明は、廃棄物に関連する要素を含む二国間又は多国間協定はバーゼル条約、その他の多国間協定、及びSAICMの目的と矛盾すべきでないと述べている。共同声明はまた、次のように述べている。
我々は、有毒で有害で禁止され、厳しく制限された化学物質及び廃棄物の国際的な移動を防ぐというSAICMの目的に合致して廃棄物投棄を抑制するためのアジア太平洋諸国政府による新たな約束を歓迎する”と脱焼却グローバル連合(GAIA)のマニー・カロンゾは述べた。”これは、アジア太平洋地域の開発途上国はきれいで安全な環境に対する彼らの主権を断固として守るというとことを示す通知である。” 連絡先: Richard Gutierrez, Basel Action Network Asia Pacific in Manila at: Tel: +63.0917.506.7724; e-mail: rgutierrez@ban.org. Manny Calonzo, Global Alliance for Incinerator Alternatives in Manila at: Tel. +63.02.436.4733; e-mail: mannyc@no-burn.org. 訳注[1] SAICM の目的: 13.SAICM の包括的目的は、ライフサイクルの全般を通して化学物質の適正管理を達成し、2020年までに化学物質が人の健康と環境への有意な悪影響を最小限にするような方法で使用され、製造されることにある。その目的は、とりわけ世界行動計画に記載された実施活動を通じて、達成されるであろう。(SAICM包括的方針戦略) 訳注[2]リオ宣言 第14 原則: 各国は、深刻な環境悪化を引き起こす、あるいは人間の健康に有害であるとされているいかなる活動及び物質も、他の国への移動及び移転を控えるべく、あるいは防止すべく効果的に協力すべきである。 |