(99/6/29掲載)
モーツァルトの交響曲を演奏するなんて、久しぶりのことですね。そこで、この日のために資料を集めていたモーツァルト関連のネタを公開してしまいましょう。
だいたい今まで「ジュラシック・トーク」では、ブルックナーの4番の第1稿から始まって、ベートーヴェンの交響曲の原典版、フォーレのレクイエムの第2稿、はてはマタイ受難曲のメンデルスゾーン版と、およそへそまがりなエディションばっかり取り上げて重箱のすみをつつくようなことをやってきたわけです。まあこれは変わり者のマスターの性格が反映されているのと、こういうマイナーなテーマだと、資料のCDもあまり出ていないので、少ない枚数で全貌が把握できるという安直さをねらってのことなのですが。
モーツァルトの話でしたよね。何といってもこういうひねくれ系にピッタリなのが、超名曲の「レクイエム」なのですよ。なんせ、モーツァルト自身は半分も書いていないんですから。
現在、この曲に関しては、私が調べた限りでは、全部で6種類の版が公にされています。そこで、とりあえず今回はそれらを全部ご紹介してみましょう。実は、この6種類のほかにも、出版されていない改訂版(たとえばMarius FlothuisやKarl Marguerreによる版)が数多く存在するのですが、それらについてはここでは触れません。
それぞれの版の特徴は、以下に譜例やMIDIを使って説明してあります。実際に音になったもの(CD)も併せてご紹介しています。
■ジュスマイヤー版(表紙をクリックしてください)
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新モーツァルト全集 レオポルド・ノヴァーク校訂 ベーレンライター(1965)→音友 |
(00/6/26追記)
ヴァド版(ジュスマイヤー版の変形)
(02/5/14追記)
フロスワス版(やはり、ジュスマイヤー版の変形)
(05/8/18追記)
ジュスマイヤーのレクイエム
(06/2/20追記)
リオ・デ・ジャネイロ版(ノイコム版)
■バイヤー版(表紙をクリックしてください)
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フランツ・バイヤー補筆・校訂 オイレンブルク(1971)→クンツェルマン |
■モーンダー版(表紙をクリックしてください)
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リチャード・モーンダー補筆・校訂 オクスフォード・ユニヴァーシティ・プレス (1988) |
■ランドン版(表紙をクリックしてください)
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ロビンス・ランドン補筆・校訂 ブライトコップフ・ウント・ヘルテル (1992) |
(14/11/6追記)
鈴木版(ランドン版の変形だが、「アーメン・フーガ」を含む
■ドゥルース版(表紙をクリックしてください)
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ダンカン・ドゥルース補筆・校訂 ノヴェロ(1993) |
■レヴィン版(表紙をクリックしてください)
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ロバート・レヴィン補筆・校訂 ヘンスラー(1993)→カルス(1994) |
(13/10/17追記)
■コールス版(表紙をクリックしてください)
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ベンヤミン=グンナー・コールス補筆・校訂 ヘフリヒ(2013) |
(20/10/8追記)
■デュトロン版(表紙をクリックしてください)
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ピエール=アンリ・デュトロン補筆・校訂 自身のウェブサイト(2016) |
(22/7/10追記)
■オシュトリーガ版(ジャケットをクリックしてください)
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ミヒャエル・オスシュトリーガ補筆・校訂 ベーレンライター(2022) |
■トピックス
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映画「アマデウス」の中のレクイエム |
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アバドのモツレク |
■最近発売されたCD(適宜追加)