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尾瀬ヶ原:山ノ鼻起点 牛首三叉 |
014:山ノ鼻〜上田代〜牛首三叉
このコースのポイントは、上田代の大池塘の逆さ燧ヶ岳と、オゼコウホネです。
山ノ鼻には山の鼻ビジターセンター、3軒の山小屋(至仏山荘・山の鼻小屋・尾瀬ロッジ)、公衆トイレ、無料休憩所(独立した建物で、中は無人で、テーブル・椅子などがあり、持参したお弁当などが食べられます)、数多く設置されているベンチなどがあり、尾瀬ヶ原への向かう人、尾瀬ヶ原から帰ってきた人などで賑わっている所です。
尾瀬ヶ原に向かうには、至仏山荘の先を右に曲がり、隣の山の鼻小屋、尾瀬ロッジの前を通って、そこで左に曲がって入山者カウンターの所に進みますが、曲がり角の手前には2004年に熊避けの鐘が設置されています。
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熊避けの鐘 |
木道は入山者カウンターの横を通って、尾瀬ヶ原の西端:山ノ鼻田代へと入りますが、そこまでにも数多くの山野草があるので、ご紹介しておきます。
山ノ鼻の標識のたっている場所(至仏山荘と研究見本園の中間)から研究見本園出口(時計回りで周った場合の出口)に続く木道がありますが、その木道脇にトモエソウが
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右隅の木道脇にトモエソウ |
8月には濃いクリーム色の花を咲かせています。この付近から入山者カウンターまでの間には、ミゾソバ、ノビネチドリ、ノアザミ、赤いゲンノショウコ、白いゲンノショウコなどと、尾瀬では珍しくなかなか近づいては見られない・撮影できないアケボノソウが数株生えていて、8月も中旬を過ぎると美しい花をさかせておりますが、詳細はアケボノソウをクリックして下さい。
山ノ鼻田代とは、尾瀬ロッジ前の入山者カウンターから、原ノ川上川との間にある湿原を指し、鳩待峠から入山して牛首三叉まで行く場合には必ず通る湿原です。
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残雪期の山ノ鼻田代と至仏山 |
山ノ鼻田代を通る木道脇には、ショウジョウバカマ、タテヤマリンドウ、アブラガヤ、サワラン、トキソウ、モウセンゴケ、ノアザミ、ニッコウキスゲ、カラマツソウ、ワレモコウ、サワギキョウ、イワショウブ、エゾリンドウ、オゼミズギクなどが見られ、初めて通ったハイカーは歓声を上げますが、複線式木道でも通行者が多く、立ち止まることは人の迷惑となるので、ご注意願います。
山ノ鼻田代の真ん中を、右から左へと小川が流れていて、シーズンには数多くのミズバショウ、レンゲツツジなどが美しい花を咲かせています。
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原ノ川上橋と山ノ鼻田代 |
原ノ川上橋を渡った先は高架式木道となってますが、渡った直ぐ先の左手にはキツリフネ、オオマルバノホロシが、旧川上川の拠水林まで進んだ右手の木道下にはトモエシオガマ、木道の左右にはサラシナショウマ、ノアザミ、アマドコロなどが生えていて、見上げるとカラマツの巨木があり、10月には黄葉が見事です。
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拠水林のカラマツ |
拠水林を越えると上田代(かみたしろ)となりますが、拠水林の上田代側出口にはズミが数多く生えていて、春にはピンク色の蕾・白い花を咲かせ、秋には真っ赤な実をならしています。
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木道下のヒツジグサ |
上田代は池塘の多い湿原で、木道下も浅い池塘があるので、ヒツジグサも直ぐ近くで見られます。上田代には高層湿原が多いのですが、低層湿原もあるので、様々な山野草が生えていて、多くの池塘とともに見所の多い所です。
暫く進むと前方右手に最初の池塘が見えてきて、
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池塘への周遊路とベンチ&テラス |
そこの周遊できる木道があり、そこにはベンチ&テラスがあって、山ノ鼻からは最初の休憩場所ですから、ここで休んだり、周りの風景を撮影したり、付近の山野草を撮ったりしている人が多く見られます。
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ベンチ&テラスの向こうに池塘 |
この辺りで目立つ山野草は春、ショウジョウバカマ、タテヤマリンドウ、アブラガヤ、ミツガシワ、リュウキンカ、ミツバオウレン、ヒメシャクナゲ、ワタスゲ、
夏、ノアザミ、ニッコウキスゲ、カラマツソウ、ワレモコウ、サワギキョウ、ナガバノモウセンゴケ、ヒオウギアヤメ、カキツバタ、コバイケイソウ、ミカヅキグサ、コバノトンボソウ、イワショウブ、サワラン、トキソウ、モウセンゴケ、
晩夏・秋、イワショウブ、エゾリンドウ、オゼミズギク、オゼヌマアザミ、タムラソウ、などで、
先に進むと更に池塘が増えてきて、木道も緩やかに左右に曲がり、正面には燧ヶ岳が聳えていて、いわゆる尾瀬ヶ原らしい光景となってきます。
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正面:燧ヶ岳、右隅:シラカバ |
やがて前方の湿原の中になぜか数本のシラカバが見えるようになると左手に、
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上田代の大池塘・周遊路 |
私と仲間が上田代の大池塘と呼ぶ大きな池塘が見えてきて、そこに分岐して周遊できる木道があります。
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上田代の大池塘は広いので、晴れていれば燧ヶ岳を映し出す逆さ燧が見られ、早朝には多くのカメラマンで賑わう、尾瀬の撮影ポイントの1つです。
上田代をいくメーンルートは、上田代の大池塘をS字型に巻くようにしており、燧ヶ岳・牛首山だけでなく、先を急ぐハイカーの姿を映し出すこともあり、人物を入れて撮影したくないカメラマンには辛い場所でもあります。
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燧ヶ岳・牛首山・ハイカー |
上田代の大池塘には尾瀬でも間近に見られる個所の少ないオゼコウホネも生えていて、上に掲載した画像のハイカーの足元付近に生育してます。またメーンルートを挟んだ反対側の細長い池塘にも、オゼホウホネは生えています。
緩やかに曲がりくねった木道を先に進むと右手に、山ノ鼻から数えて3個所目となるベンチ&テラスが見えてきて、そこから左手を見るとヤマドリゼンマイの大群落があり、7月中旬にはニッコウキスゲの花が大群落の中にチラホラと見えます。
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中央黄色:ニッコウキスゲ |
ベンチ&テラスの前で木道はS字型に曲がって、上田代と中田代を分ける上ノ大堀川に架かる上ノ大堀川橋を渡り、いよいよ中田代に入ります。
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上ノ大堀橋 |
上ノ大堀川にはミズバショウが多く、沼尻川・川上川ほどではありませんが拠水林もあります。左手に山ノ鼻から数えて4番目のベンチ&テラスがあり、横の湿原には特にヤチヤナギとサワギキョウが数多く生えています。
先に進むと、10ヶ所ほどのベンチ&テラスがあり、シーズンの土日には多くのベンチがありながら座れないほど混雑することも多い
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数多くてもベンチは満杯 |
牛首三叉に到着します。
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無人の牛首三叉・標識と燧ヶ岳 |
牛首三叉は、牛首分岐、中田代分岐、尾瀬ヶ原分岐、尾瀬ヶ原三叉などとも呼ばれ、ここで竜宮十字路に向かうメーンルートと、ヨッピ橋分岐に向かうルートに分岐します。