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尾瀬の花図鑑 尾瀬の花 尾瀬自然保護ネットワーク


標準和名 科・属名 漢字表記
モウセンゴケ モウセンゴケ科  モウセンゴケ属 毛氈苔
九州〜北海道の湿原・湿った箇所に分布する多年草の食虫植物。

愛知県豊橋市の葦毛湿原(いもうしつげん)の流れのある低層湿原にも、名古屋市東部の丘陵地の湿った粘土の表面、など海抜100m以下の低地から、2,000m近い亜高山の湿原・湿地などでも生育するなど、極めて広範囲に分布している。

光を好み、あまり根からの栄養分を必要としないで、葉の粘着物質に捕らえられる虫からチッ素やリンなどを得て、種を作っているようである。

葉は鮮やかな赤色をしていて、これを緋毛氈に見立ててモウセンゴケ(毛氈苔)と命名された。
高層湿原に生えるモウセンゴケ 低層湿原に生えるモウセンゴケ
標高が伊吹山(滋賀県・岐阜県)の頂上より高い尾瀬でも、モウセンゴケは広範囲に分布していて、低層湿原の泥の上にも生えてはいますが大多数は、ミズゴケの上に生えています。

尾瀬には3種のモウセンゴケ(モウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケサジバノモウセンゴケ)がありますが、尾瀬沼西岸の小沼湿原・沼尻平湿原など複数のモウセンゴケが生育する湿原では、ナガバノモウセンゴケ・サジバノモウセンゴケの根元は水に浸かって、モウセンゴケは、小高い箇所で根元は水に浸からない箇所に生えています。

モウセンゴケは比較的水の流れから遠ざかっているようで、添付の画像のように湿原から突き出た木杭の上(30cmほどは水面から離れています)にもモウセンゴケは育っていました。
木杭上に育つモウセンゴケ
尾瀬のモウセンゴケは7月下旬〜8月初旬に白い花を咲かせています。