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2012年  2月
21 東京農大「食と農の博物館」  ブータンシボリアゲハの標本公開
食と農の博物館標本公開のポスター日本に贈られた2体のブータンシボリアゲハの標本のうちの1頭が、こちらでも公開中です。
展示は近縁種としてタイスアゲハの仲間やギフチョウの仲間、シボリアゲハの仲間の標本。
ブータンシボリアゲハの標本箱の外箱は、龍の刺繍が施された美しいもので、東大総合研究所では左隣に置いてありました。
解説パネルブータンシボリアゲハの標本
4種のシボリアゲハ属の標本の写真 を撮影したもの左はパネルの写真を撮影したもの。
4種のシボリアゲハ属が並んでいるので特徴が比べやすいです。
左上:ブータンシボリアゲハ、右上:シナシボリアゲハ、左下:シボリアゲハ、右下:ウンナンシボリアゲハ。

東大の標本よりも幾分大きいが、前翅の一部が欠けていること、少し擦れていると聞いていましたが、きっと大きいからこれが♀だと勘違いして贈ってくださったのではないか…と想像したりしました。
17 東京大学総合研究博物館   ブータンシボリアゲハの標本公開
東大総合研究博物館昆虫切手展の小型印を描くために、ブータンシボリアゲハの正しい資料が欲しかったのですが、まだ図鑑にも掲載されておらず、切手も発行されておらず、参考にできるのは、昨年の報道発表の写真のみでした。
いつ一般公開になるのか?と待ちかねていましたが、とうとう一般公開されることになり、ようやく実物を観ることができました。
初日、どれだけの人が並ぶことだろうと心配しながら開館1時間前に並びましたが、寒い中並ぶ人は無く、10時会館には10人ほど。他に早く来た人は、散歩に出かけたり、喫茶店で時間をつぶしたりしていたそうでした。
矢後教授の解説調査隊の矢後教授が、寒い中早くから来てくれた方もいるので、と資料を先着20名分用意され、説明をしてくださいました。
3年前、ブータンの自然保護官が撮影してきたブータンシボリアゲハの写真を見て、欧米各国からも研究のために入国申請がたくさん出ていたそうだが、その中から唯一日本を選んでいただいたのは非常に幸運だったとのこと。
ブータンは親日国ですが、確かに人の顔が似ていること、クヌギやコナラなど、日本とよく似た植物が見られたこと、日本の里山に近い環境で、どこか懐かしさを感じるなど、こちらも親近感が大きかったとのことでした。
見学者は大半がNHKスペシャルを見ており、発見の様子は知っていましたが、テレビで放映されなかったこととして、空港が谷間にあり、着陸するのも怖いような場所にあったこと。山ビル、蚊、ノミが多く、過酷な状況にあったこと。今でも山ビルに吸われた真っ赤な痕が肘近くに残っているところを見せてくださいました。
チョウが飛ぶ位置は非常に高く、8mの長竿に直径60センチほどの網を付けていたが、なかなか捕獲できなかったとのこと。

博物館内は撮影禁止ですが、この標本はブータン国民から日本の皆さんへと(特に大きな災害を被った日本が元気になれるようにと)贈られたものなので、絶対にダメとは言えない、フラッシュ・接写禁止の上なら撮影してもよいとの許可をいただきました。

外箱の刺繍は龍の模様、標本箱の中の標本の周りに施された彫刻は、上がブータン国の紋章(日本なら菊のご紋章)、左右が竜でブータンの正式国名の由来(日本が外国からはジャパンと呼ばれるように、自国ではブータンとは呼ばずドゥク・ユル(雷龍の国)と呼ぶ)だそうです。

ブータンは仏教国で殺生は禁じられ、蚊やゴキブリも殺さない、野良猫、野良犬がたくさんおり、食肉は輸入して食べているとか。
そんな中、研究のために、5頭のみ採集し、全て標本にしてブータンに残してきた。またワシントン条約にもかかるので、持ち出すには閣議での決定が必要だった。標本は♂♀2頭の申請依頼をしていたし、ブータンからの申請許可証にも♂♀2頭と書いてあったが、どうも間違って♂2頭がやってきたらしいとのこと。
「食と農の博物館」にも同じ装丁の標本箱に入った標本があるが、名刺、メッセージカード、カード入れはこちらにしかないとのこと。
ブータンシボリアゲハの標本ブータンシボリアゲハの標本 他一番右の標本箱は、五十嵐邁コレクションで、シボリアゲハ属のもう3種、シボリアゲハ、シナシボリアゲハ、ウンナンシボリアゲハと、シボリアゲハの蛹が入っている。
この蛹は世界にひとつとのこと。

放映されたチョウの飛ぶ姿は、大変優雅で、さすがに大きな翅を持つチョウといった感じだったが、箱におさまったチョウは意外に小さく感じられました。

♂の胴体は♀に比べて短いわけではないが、ほっそりしているとのこと。
食草はウマノスズクサ属とはいっても違う種で、日本のウマノスズクサとは比べようもないほど大きくて葉が厚いので、積み上げて産卵することができるとのこと。

調査は5カ年計画だそうですが、今年はNHKの同行は無いこと、この標本の公開はもう当分ないとのことでした。

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