アメリゴ・ヴェスプッチ
Amerigo Vespucci(1454〜1512)アメリカの発見者

誰がアメリカを発見したか
先に着いたのはコロンブスだった。 彼は死ぬまで、そこがアジアだと信じていた。
少し遅れて着いたアメリゴは、合理的な推論から、 新大陸であることに初めて気がついた。
地理学者は、アメリゴの名前にちなんで 新大陸を「アメリカ」と名付けた。 後の人々はアメリゴを非難した、「手柄を横取りした」と。
コロンブスの名は、いま、 南米コロンビアの国名として残っている。
掲載:NHKラジオ英語リスニング入門2004年6月号表4

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参考資料

『アメリゴ・ヴェスプッチ:謎の航海者の軌跡』
色摩力夫著(中央公論社、1993)
アメリカを発見したのは、コロンブスかヴェスプッチか。ヴェスプッチの評価には、いつもこの問題がつきまといます。もちろん、この本でも扱われていますが、著者はその結論を書くことを目的としていません。読者のわれわれが、それを考えるための情報を提供してくれていると言ってもいいでしょう。
内容は、ヴェスプッチの生きた時代の状況、彼の出自、そして航海者としての実績、その後の評価などです。ヴェスプッチに関する一次資料はとても少ないので、まわりから責めるといったやり方で人物像を描いていて、それはある程度成功しているようです。

『航海の記録 : コロンブス, アメリゴ, ガマ, バルボア, マゼラン(大航海時代叢書1)』
コロンブスほか著、林屋永吉ほか訳注(岩波書店、1972)
「四回の航海において新たに発見せる陸地に関するアメリゴ・ヴェスプッチの書簡」と「新世界」と題された2つの書簡を収めています。アメリカが新大陸であることを「発見」したという記録です。解説には、新大陸がなぜコロンブスのではなく、ヴェスプッチの名(アメリゴ)から付けられることになったかの経緯が説明されています。
『歴史の目撃者』
ジョン・ケアリー著、仙名紀訳、猿谷要監修(朝日新聞社、1997)
「新世界に関する報告(1502年1~12月)アメリゴ・ヴェスプッチ」という項目が収録されています。