参考文献:アメリカ史関係

通史

 

民衆のアメリカ史

『民衆のアメリカ史(全3巻)』

ハワード・ジン著、富田虎男ほか訳、 ティビーエス・ブリタニカ、1982

 1500項目のにわたって、それぞれの専門家がコンパクトな解説を書いています。まずこの本にあたれば、それが何であるかがすぐにわかる便利な本です。アメリカを勉強している人、アメリカに興味のある人は一家に一冊といった本でしょう。

 

イラスト版アメリカの歴史

『イラスト版アメリカの歴史』

ノーネル・ファー著、佐藤亮一訳(東京書籍、1984)

 イラストというより、アメコミを読んでいるような感じで歴史が語られます。一つひとつの事項に関して突っ込んだ理解は求めるべくもありませんが、とっつきやすさがこの本の一番の特徴でしょう。

アメリカ合衆国の誕生 : 1500〜1800
西部開拓の時代 : 1800〜1860
南北戦争と産業革命 : 1850〜1920
波乱と戦争の現代 : 1920〜1981

 

フロンティア史

西部開拓史

『西部開拓史』

猿谷要著(岩波書店、1982)

 ルイス・クラーク探検隊から、インディアンの組織的抵抗が終わまでの、フロンティアの歴史が、新書というコンパクトなかたちにまとめられています。西部劇に出てくるような話も出てきますが、著者はマイノリティーの歴史を研究してきた学者ですから、先住民への目配りも忘れていません。1804年から1890年まで、19世紀のアメリカ西部がどんなところであったか見渡せる本です。

 

アメリカ西部開拓博物誌

『アメリカ西部開拓博物誌』

鶴谷壽(PMC出版、1990)

 ルイス・クラーク探検隊から、インディアンの組織的抵抗が終わまでの、フロンティアの歴史が、新書というコンパクトなかたちにまとめられています。西部劇に出てくるような話も出てきますが、著者はマイノリティーの歴史を研究してきた学者ですから、先住民への目配りも忘れていません。1804年から1890年まで、19世紀のアメリカ西部がどんなところであったか見渡せる本です。

 

文化史

概説アメリカ文化史

『概説アメリカ文化史』

笹田直人、堀真理子、外岡尚美編著(ミネルヴァ書房、2002)

 アメリカ文化を13のテーマに分け、それぞれを「概説」(全体的な解説)、「キー・トピック解題」(ポイントになる事項を4つ解説)、「原典紹介」(参考になる本を紹介)という3つの部分から成っています。本サイトの登場人物もさまざまな場所で語られていますが、特徴はその章のテーマに沿った解説であるということ。たとえば、ピルグリム・ファーザーズとベンジャミン・フランクリンは「信仰とアメリカ国民の生活」という章で扱われているため、宗教や生活の規範という視点から見た説明がなされています。

第1章:アメリカン・ドリーム
第2章:信仰とアメリカ国民の生活
第3章:西部開拓の夢
第4章:移民の国アメリカ
第5章:奴隷制とアメリカ南部
第6章:都市と経済
第7章:ハイブラウとロウブラウ
第8章:冷戦とヴェトナム戦争期の対抗文化
第9章:環境
第10章:文化の変容
第11章:マルチカルチュラリズム
第12章:犯罪・暴力・抑圧
第13章:身体文化

 

アメリカ文化史入門

『アメリカ文化史入門』

亀井俊介編(昭和堂、2007)

 類書の『概説アメリカ文化史』と比べて、章分けという意味では大差ないように感じられます。アメリカの文化史というと、こういうテーマが並ぶのが定番ということなのでしょう。『概説アメリカ文化史』では、各章のなかが概説・各論という風に分かれていたことに対し、こちらは一つの章がつながった話として解説されています。本サイト収録の人物もところどころに登場しますが、文化史的の流れのなかでの位置づけが明確になり、人物をより立体的に見ことができるように思います。

序章:アメリカ文化の展望
第1章:植民地の文化の形成
第2章:近代市民社会の形成
第3章:西部への道
第4章:歌声ひびく新大陸
第5章:金めっき時代
第6章:白亜の街の悪魔
第7章:ハリウッド映画、覇権の成立
第8章:性表現の規制と解放
第9章:新聞・雑誌の銀河系
第10章:メディアの文化革命
第11章:女性の文化
第12章:多文化主義と混血化
第13章:「アメリカの世紀」とその後

 

北米大陸に生きる:生活の世界歴史9

『北米大陸に生きる:生活の世界歴史9』

猿谷要著(河出書房新社、1992)

 メイフラワー号から、1960年代後半までのアメリカ社会を扱った、文庫版のアメリカ史です。著者のねらいは、前半3分の2が、アメリカ的価値観や生活様式がどのような形で形成されてきたかであるといいます。そして後半3分の1は、その生活文化がどうして破綻したかということだそうです。そして、最後の章で、新しい生活文化を創り出そうとする動きがどう生まれてきたかを検証しています。
 プロテスタントとアングロサクソンの社会、奴隷制度、デモクラシー、カネ社会、膨張主義、暴力的体質、多民族社会の抱える問題などのテーマにそって、クリティカルな視点で書かれています。

 

アメリカ女性解放史

『アメリカ女性解放史』

池上千寿子著(亜紀書房、1972)

 1619年、ジャームズ・タウンに上陸した90名の女たちから、1960年代のウーマン・リブ運動までの、アメリカ女性の歴史です。それぞれの時代に活躍した女性をとりあげ、その活動と考え方を見ていきます。まだジェンダーという考え方が浸透していない時期に出た本なので、そういう側面からの議論はありません。
 本サイト関係では、エリザベス・スタントンとスーザン・アンソニーについて詳しく扱われているほか、ジェーン・アダムスについても一項目設けられています。

 

アメリカ黒人女性解放史

『アメリカ黒人女性解放史』

ポーラ・ギディングズ著、河地和子訳(時事通信社、1989)

 アメリカの黒人女性は、人種差別と性差別という二重の差別のなかに置かれてきました。アメリカ黒人女性の歴史を書こうとすれば、必然的にこの二重差別とのと闘いを書くことにならざるをえません。この本は、その二つの視点を軸に、奴隷制の時代から1980年代初頭までの歴史と、その時点での展望が描かれています。80年代から、マイノリティから見たアメリカ史がいろいろ書かれ、この国を多面的に見るという視点が育っていきます。これもその成果の一つと言えるでしょう。

 

アメリカ鉄道物語:アメリカ文学再読の旅

『アメリカ鉄道物語:アメリカ文学再読の旅』

小野清之著(研究社、1999)

 アメリカにおいて鉄道は、衰退した輸送手段となっています。でも、19世紀においては科学技術時代のシンボルであり、「鉄道の行くところ、稲妻に撃たれたかのように新しい生活が生まれた」と言われていました。この本は、文学作品と民話・伝説のなかに表れた鉄道のイメージから、アメリカの姿を探っていこうとした試みです。鉄道マニアのための本ではありません。
 本サイトの関係で言えば、7章「鉄道史を飾る悪漢・民話・民謡」において、ケイシー・ジョーンズとジョン・ヘンリーの話が出ています。また、9章は、「鉄道と社会進化論:ホイットマン、トウェイン」とある通り、この2人の作家が扱われています。

 

民族史

ネイティヴ・アメリカン—写真で綴る北アメリカ先住民史

『ネイティヴ・アメリカン—写真で綴る北アメリカ先住民史』

アーリーン・ハーシュフェルダー 著、赤尾秀子ほか訳、猿谷要監修、(BL出版 、2002)

 副題にある通り、写真や図版が満載の大型本。北米大陸の先住民に関して総合的に述べた序章を除けば、それ以降は白人との出会いと闘争の歴史です。細かい項目に分けられて、それぞれに写真・図版がついて、簡潔に説明されているのでわかりやすいのが特徴でしょう。

 

アメリカ黒人の歴史(新版)

『アメリカ黒人の歴史(新版)』

本田創造著、(岩波書店、1994)

 この本で扱うのは、アメリカ社会における黒人たちの政治的・社会的闘いの歴史です。新書一冊のなかに、植民地時代の奴隷制度から1990年までが、コンパクトにまとめられています。ただ紙数の関係か、黒人文化に関してはほとんど触れられていません。フレデリック・ダグラスや地下鉄道を、オバマ大統領誕生の意味を、現在のアメリカ社会を考えるためにも、読んでおいた方がいい一冊と思えます。

 

アメリカ黒人解放史

『アメリカ黒人解放史』

猿谷要著(サイマル出版会、1981)

 アフリカ人が奴隷としてアメリカに運ばれてきた時代から、1960年代後半までのアメリカ黒人の歴史が描かれています。著者は、日本におけるアメリカ黒人史のパイオニアの一人で、初版はキング牧師暗殺前に出されています。公民権運動が成果を結び始め、さらに次のステップにという時期に書かれた本ですから、端々にそういう熱気を感じます。ただ、著者の守備範囲外なのか、文化についてはややステレオタイプな記述や誤りもあり、いまから見るとちょっと古いかなという部分も見受けられます。

 

その他

歴史の目撃者

『歴史の目撃者』

ジョン・ケアリー著、仙名紀訳、猿谷要監修(朝日新聞社、1997)

 歴史はいろいろな形で語られます。多くの場合は、過去の出来事をまとめたものという感じでしょう。でも、そこに生きた人にとっては、目の前で繰り広げられている「いま」です。この本は、歴史的大事件の「その場に立ち会った人たち」が書き残した、ライブとしての歴史を集めています。
 本サイト関係では、次の資料を収録。

・新世界に関する報告(1502年1~12月)アメリゴ・ヴェスプッチ
・ピルグリム・ファーザーズのニューイングランド上陸(1620年11月)ウィリアム・ブラッドフォード
・リンカン大統領の暗殺(1865年4月14日)ウォルト・ホイットマン
・アメリカ人記者が見た冬宮殿襲撃(1917年11月7日)ジョン・リード

 

五枚の金貨

『五枚の金貨』

柘植久慶著(中央公論社、2001)

 いろんな時代に作られた5枚の金貨が、コイン・コレクションのケースのなかで自分の見た時代を語り合うという、そんな趣向でアメリカの歴史的場面が描かれていきます。
 本サイトに関係する部分では次のような事柄が取り上げられています。

「一八三四年の5ドル金貨」:デヴィー・クロケット/アラモの戦い/ワイルド・ビル/駅馬車強盗ブラック・バート
「一八四九年の1ドル金貨」:ゴールドラッシュ
「一八五〇年の20ドル金貨」:ドク・ホリディとOKコラルの決闘/ブッチ・キャシディの旅

 

 

更新情報

2012年5月19日
冊子・広報誌(六弦堂の仕事2)に、今年作ったもの2点を加えました。
2012年5月1日
六弦堂ページをリニューアルしました。
2012年1月4日
プレイ・ザ・スラッキー・ギターに「ビデオ(教則)」を加えました。
2011年12月26日
六弦堂ページをアップロードしました。

掲載一覧

参考文献

フォークヒーローリスト

アニー・オークリー
アメリア・イヤハート(*)
アメリゴ・ヴェスプッチ
アンクル・サム
アンダーグラウンド・レイルロード
イサドラ・ダンカン(*)
イシ(*)
ウィリアム・クリストファー・ハンディ
ウィルバー・ライト&オービル・ライト
ウインドワゴン・スミス
ウォルト・ホイットマン
エイブラハム・リンカーン
エジソン
エリザベス・スタントン
ガーシュイン(*)
カメハメハ大王
カラミティ・ジェーン(*)
キット・カーソン(*)
キング・コング
ケーシー・ジョーンズ
クリストファー・コロンブス(*)
ココペッリ
コロンブス(*)
サカガウィーア
サム・パッチ
サリー・アン・サンダー・アン・ワールウインド
ジェシー・ジェームズ
ジェーン・アダムズ(*)
シッティング・ブル
ジム・ボウイ(*)
ジャック・オランタン
ジャック・ジョンソン(*)
自由の女神
ジョー・ヒル(*)
ジョー・マガラック
ジョージ・ガーシュイン(*)
ジョージ・ワシントン
酋長ジョセフ
ジョニー・アップルシード
ジョン・ヘンリー
ジョン・リード
スコット・ジョプリン
スーザン・アンソニー(*)
スティーブン・フォスター
ストウ夫人
ストーマロング
ラ / ワ
ライト兄弟
リップ・ヴァン・ウィンクル
リリウオカラニ
リンカーン
リンドバーグ
ルイス&クラーク(*) → メリウェザー・ルイス&ウィリアム・クラーク
ローラ・インガルス・ワイルダー
ワイアット・アープ
ワイルド・ビル・ヒコック(*)
ワシントン