参考文献:フォークソング

『フォークソングのアメリカ:ゆで玉子を産むニワトリ』
ウェルズ恵子著(南雲堂、2004)
フォークソングから、アメリカ人の生活と心情を探っていこうという本です。ここでは、歌が職業別に、「カウボーイ・ソング」、「レイルロード・ソング」、「黒人労働歌(ハンマー・ソング)、「炭坑の歌」、「ゴールドラッシュの歌」、「女工の歌」、「船乗りと七つの海の歌」、「木こりの歌」と分類され、考察されています。本サイト関係では、ビリー・ザ・キッド、ケイシー・ジョーンズ、ジョン・ヘンリー、ストーマロングなどの歌を収録。こうした歌のなかから英雄が生まれ、また英雄から歌が生まれてくるのでしょう

『アメリカ・フォークソングの世界』
皆河宗一著(岩崎美術社、1995)
初版は1971年。日本のおとぎ話の英雄、「浦島太郎」や「金太郎」の歌があるように、アメリカの英雄たちも歌に歌われています。この本では、「民間英雄」という章に、そうした歌がまとめられています。「リンカーンと自由」、「ケーシー・ジョーンズ」、「ジョン・ヘンリー」、「ジェシ・ジェイムズ」、「ビリー・ザ・キッド」などで、どれも、歌の日本語訳と、その解説が1・2ページ出ているという形式。本サイト関係では、他の章で、「ジョー・ヒル」の歌が紹介されています。残念なのは、原詞が収録されていないこと。また、この分野の研究がまだまだ途上であった時期に書かれたものなので、一部(ブルースの章など)の理解や解釈に、疑問がある部分も見受けられます。
なお、この本のコンパクト版と言える新書も出ています。
『アメリカン・フォークソング55話』皆河宗一著(三一書房、1972)

"The American Song Bag"
Carl Sandburg, (Harcourt Brace , 1990)
アメリカのフォークソングの曲集は、いまではたくさん出ています。これはそのなかの古典的な一冊。詩人として有名なカール・サンドバーグが蒐集して1927年に刊行した曲集です。曲の解説、楽譜、歌詞が290曲収められています。楽譜やそのコード付けなど、ちょっとあやしい点もあるようで、実用性にはやや欠けますが、この分野の仕事におけるパイオニアとしての心意気を感じる本です。
本サイト関係では、「ケーシー・ジョーンズ」、「ジェシ・ジェイムズ」、「ジョン・ヘンリー」、「リンカーンと自由」などの曲を収録。
CD

"The New Christy Minstrels / Tell Tall Tales & Land of Giants"
(Collector's Choice Music, 2003)
英雄をテーマにしたフォーク・ソングは、いまも多くの歌手によって歌われています。特に、「ジョン・ヘンリー」は、ピート・シーガーやオデッタをはじめ、多くフォーク・シンガーによって録音されています。
このCDは、60年代に人気があったフォーク・グループ「ニュー・クリスティ・ミンストレルス」によるもので、2枚のアルバム(「トール・テールを語る」と「巨人の国」)をカップリングしたもの(オリジナル・リリースはいずれも60年代)。両方とも、トール・テールや民間のヒーローをテーマにした歌を集めたもので、こういう歌がまとめて聞けるのは便利でしょう。(ただ、このグループはあまり伝統的な歌い方ではありませんが)。本サイト関係では、"Joe Magarac"、"John Henry and the Steam Drill"、"Paul Bunyan"、"Casey Jones"、"Stormy(ストーマロング)"、"Appleseed John"が収録されています。