キング・コング
King Kong (映画・小説の怪物)

無敵の想像力
ジャングルのなかで、金髪美女が生け贄にされようとしている。なにかが近づいてくる。近づいてくる。そして、美女の絶叫。そうやってコングはわたしたちの前に登場した。
1933年に作られたコングは人形だった。ハリウッドは21世紀の技術でこの大猿を甦らせようとしたが無駄なことだ。
コングはいつでも、わたしたちの想像力のなかを大股で歩いている。CGの影など軽々と踏みつぶして。
掲載:NHKラジオ英語リスニング入門2004年12月号表4

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参考資料

『キングコング』
エドガー・ウォーレス、メリアン・C・クーパー、デロス・ラヴレス、尾之上浩治訳(早川書房、2005)
1933年の映画版『キング・コング』は、エドガー・ウォーレスとメリアン・C・クーパーが原案を書きました。この本はそれを、デロス・ラヴレスが小説にしたもの。内容は、映画をかなり忠実にノベライズしてあります。
『アメリカ史重要人物101』
猿谷要編(新書館、2001)
「キング・コング」の項目があります。
映像

キング・コング
監督:メリアン・C・クーパー/出演:ノーブル・ジョンソン、サム・ハーディ キープ株式会社
1933年版のこの映画が、キングコングのオリジナルです。
美女を片手にエンパイア・ステート・ビルを上っていく、あまりにも有名なシーンを始め、古いドキュメンタリー映画を見ているような、不思議な力強さがあります。ひと度この世界に入り込んでしまうと、粗い映像が返ってリアルに感じます。リメイクのCG製コングにはない野性があるのです。