ハイアワサ
Hiawatha(アメリカ先住民)

平和をめざしたインディアン
奇声をあげて幌馬車を追う。捕まえれば頭の皮を剥ぐ。西部劇でのインディアンはそんな野蛮人であるかのように描かれている。
インディアン神話の英雄ハイアワサは、反目しあう5つの部族を取り持ち、争いのない1つの部族、イロコイ族にまとめた。こうして、平和な手段で力をもったイロコイ族は、他部族を武力で押さえ込もうとする。平和と戦争——私たちの時代をみるようだ。
掲載:ラジオ英会話入門1997年12月号表4
デザイン:株式会社インディ

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参考資料

『ハイアワサの歌』
H.W.ロングフェロー著、三宅一郎訳(作品社、1993)
アメリカの詩人ロングフェローによる、先住民の伝説に基づいた長編叙事詩です。主人公はハイアワサとなっていますが、いくつかの種族の伝説をまとめて、ひとりの英雄の話として展開していったものです。ですから、歴史という面では資料的価値はありません。内容は、ハイアワサの誕生から、成長、求愛、戦い、そしてその死までが語られています。
ロングフェローの視点は、英雄ハイアワサを称えつつ、しかし、インディアンという異民族を見る目はあくまで白人側からのものです。それがこの時代とこの詩人の限界であったのかもしれません。ただ、この詩はベストセラーになり、教科書にも載ってハイアワサの名は有名になりました。わたしも子どもの頃、ディズニー絵本でハイアワサを読んだことがあります。
また、この本には、別冊として原詩が付いています。