ポカホンタス
Pocahontas(1595?〜1617)アメリカ先住民

なにをしに来たのだろう
「今度来た白人たち。やつらはなにをしに来たのだろう」
ヴァージニアを流れるヨーク川の岸辺で酋長ポウハタンは考えた。
白人と先住民は土地をめぐって衝突を繰り返すようになる。ポウハタンの娘・ポカホンタスも人質として誘拐され、白人の男の妻となった。しかしその後も、白人たちは不平等な条約を突きつけては、一方的に破棄していった。
それから200年以上経った1858年、日本はアメリカと日米修好通商条約を結ぶ。調印式が行われた戦艦の名前は皮肉にも、ポカホンタスの父親の名・ポウハタン号だった。
掲載:NHKラジオ英会話入門2008年2月号表4

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参考資料
『人物アメリカ史:People America(全8巻)』
猿谷要ほか編(綜合社、1984)
「ポカホンタス:白人と結婚、女王に謁見したインディアンの娘」と題する伝記が収録されています。
『ネイティヴ・アメリカン—写真で綴る北アメリカ先住民史』
アーリーン・ハーシュフェルダー (著)、赤尾秀子、小野田和子 (訳), 猿谷要(監修)( BL出版、2002)
ポカホンタスに関する記述があります。
『アメリカを揺り動かしたレディたち』
猿谷要著(NTT出版株式会社、2004)
ポカホンタスを取り上げた一章があります。
映像

『ポカホンタス』
マイク・ガブリエル、エリック・ゴールドバーグ監督(ウォルト・ディズニー・フィーチャー・アニメーション、1994)
史実を元にしたというより、「白人男性の命を救ったインディアン娘」の英雄譚をディズニーは作りたかったのでしょう。ポカホンタスは、森の木々や動物たちと会話できる女性という方向で美化されています。公開時からいろいろ批判のあったアニメですが、それも仕方がないかなと思える内容です。