モーズ・ハンフリーズ
Mose Humphreys(伝説の消防士)

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ニューヨークにはいつも火事と闘うひとたちがいた
「3階にわたしの赤ちゃんが!」
梯子が届かないと見るや、モーズは樽を積み上げてその上に梯子を立てた。火と煙の中から再び彼の姿が見えたとき、その腕には赤ん坊が抱えられていた。火事だという声があがると、モーズと仲間たちは消防署に駆けつける。馬鹿力で消防車をひっぱって行き、人力でポンプを押し放水する。150年ほど前のニューヨークでは、そうやって火事に対してきた。
ある日、モーズたちが現場に駆けつけると、すごい勢いで水を出している消防車がいる。蒸気エンジンつきの消防車だった。機械の圧倒的な力と、それを操る技術。都市が大きくなるに従って、消防はプロの仕事になっていく。超人を必要とする時代は終わった。
掲載:NHKラジオ英語リスニング入門2003年4月号表4/NHKラジオ英会話入門2007年2月号表4
参考資料
"Tall Tale America: A Legendary History of Our Humorous Heros",
Walter Blair著(The University of Chicago Press, 1987)
『ほら話の中のアメリカ:愉快な英雄たちの痛快伝説でつづるアメリカの歴史』
ウォルター・ブレア著、廣瀬典生訳(北星堂書店、2005)
「モーズ・ハンフリーズ、ニューヨークの町火消、そしてカリフォルニアの金鉱夫」という一章があります。
"American Tall Tales"
Mary Pope Osborne (著), Alfred A. Knopf; 1991
この本に、"Mose"の一章があります。
『語りつがれるアメリカ』
リチャード・M・ドーソン著、松田幸雄訳(青土社、1997)
「建国の時代:民主的衝動」の章に、「バワリー・ボーイ、モーズ」という項目(p.142-154)があります。
"12 Tall Tale Mini-Book"
Jeannette Sanderson, Scholastic, 2002
このなかに、"Mose Humphreys"の一章が入っています。