ペレ

Pele(ハワイの伝説の女神)

かつて、人と自然と神々は

 自分の婚約者を迎えに妹を使わしたら、二人は恋仲になって帰ってきた。怒った姉は炎となり、二人を焼き尽くす。ペレはそんな情熱的で怖ろしい火山の女神だ。
 そのペレの国に、人間は人工的なワイキキの浜辺をつくり、ハイビスカスやブーゲンビリアを持ち込み、観光の楽園として作りかえた。人と自然と神々が共存するハワイはもうない。
 ハワイ島のキラウエア火山は、いまでも時折噴火し、赤黒い溶岩を吐き出している。ペレが怒っていたとしても、わたしたちにはもうその意図がわからないのだ。

掲載:NHKラジオ英会話入門2006年8月号表4

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参考資料

『古代ハワイ人の世界観:人と神々と自然の共生する世界』

マイケル・オキニダドリー著、中島和子、堀口登訳(たちばな出版、2004)

 古代ハワイ人の宇宙観、宗教観、自然観といった事柄を、自然環境、生活、神話などから解き明かしている本です。ペレに関して特に詳しく出ているわけではありませんが、ペレ神話を生んだ人たちの精神世界を窺うことはできるでしょう。

『南太平洋のロマン:ポリネシア伝説と民謡』

早津敏彦著(白馬出版、1971)

 ハワイを始め、ポリネシアの12地域の神話や伝説がまとめられた一冊。どの章も、まず創造神話の紹介があり、その後にいくつかの短い話が続くという構成です。ペレに関しては、そりの名手カハワリに負ける話が収録されています。ポリネシア一帯を概観することによって、なにが類似・共通しているかを見通すことができます。ただ、それぞれの話は断片的なので、なかなか地域ごとの差異までは見えてきません。

『ハワイ・太平洋の神話』

後藤明著(中央公論社、1997)

 著者は文化人類学者・考古学者。ペレに関しては、「火山と虹の島:ハワイの自然と創世神話」の章に「火山の女神ペレの神話」として4ページにまとめられています。ただ、この本はもともと、神話の物語をたくさん収録することをめざしていません。「神話の世界観」あるいは、「神話の背景にあるもの」を文化人類学的に読み取ることを目的としていようです。

『アンオフィシャル・ハワイブック』

テランス・バロー著、原蓉子訳(ホーム社、2002)

 右ぺージにイラスト、左ページに解説、そういう見開き2ページで一つのテーマを扱っています。全部で55項目を収録。そのなかの一つが「火と火山の女神ペレ」です。実質1ページですから、ごくごく概略のみです。ちなみに、本サイトの守備範囲で言えば、カメハメハ大王に関しても一項目割かれています。

更新情報

2012年5月19日
冊子・広報誌(六弦堂の仕事2)に、今年作ったもの2点を加えました。
2012年5月1日
六弦堂ページをリニューアルしました。
2012年1月4日
プレイ・ザ・スラッキー・ギターに「ビデオ(教則)」を加えました。
2011年12月26日
六弦堂ページをアップロードしました。

掲載一覧

参考文献

フォークヒーローリスト

アニー・オークリー
アメリア・イヤハート(*)
アメリゴ・ヴェスプッチ
アンクル・サム
アンダーグラウンド・レイルロード
イサドラ・ダンカン(*)
イシ(*)
ウィリアム・クリストファー・ハンディ
ウィルバー・ライト&オービル・ライト
ウインドワゴン・スミス
ウォルト・ホイットマン
エイブラハム・リンカーン
エジソン
エリザベス・スタントン
ガーシュイン(*)
カメハメハ大王
カラミティ・ジェーン(*)
キット・カーソン(*)
キング・コング
ケーシー・ジョーンズ
クリストファー・コロンブス(*)
ココペッリ
コロンブス(*)
サカガウィーア
サム・パッチ
サリー・アン・サンダー・アン・ワールウインド
ジェシー・ジェームズ
ジェーン・アダムズ(*)
シッティング・ブル
ジム・ボウイ(*)
ジャック・オランタン
ジャック・ジョンソン(*)
自由の女神
ジョー・ヒル(*)
ジョー・マガラック
ジョージ・ガーシュイン(*)
ジョージ・ワシントン
酋長ジョセフ
ジョニー・アップルシード
ジョン・ヘンリー
ジョン・リード
スコット・ジョプリン
スーザン・アンソニー(*)
スティーブン・フォスター
ストウ夫人
ストーマロング
ラ / ワ
ライト兄弟
リップ・ヴァン・ウィンクル
リリウオカラニ
リンカーン
リンドバーグ
ルイス&クラーク(*) → メリウェザー・ルイス&ウィリアム・クラーク
ローラ・インガルス・ワイルダー
ワイアット・アープ
ワイルド・ビル・ヒコック(*)
ワシントン