北海道航空問題研究会(HAPS)

6.国内航空の課題


@国内航空機開発の行方


経済産業省が提唱した国産地域航空機開発計画は、2002年に三菱重工業(株)(以下三菱重工)が開発検討に着手し、この時点では30席級リージョナル・ジェツトの開発が進行するかに思えた。 しかし、2005年になって市場が70席級以上の航空機を指向しているとして、2007年末まで70-90席級航空機の市場調査をやり、事業化の是非を決定すると発表された。 この時点でもこのプロジェクトは三菱重工の商業プロジェクトとして進められると思い、これでYS-11の時のような誰がプロジェクトの責任者なのか判然としない体制は免れると考えていた。 しかるに、今年の9月6日の日本経済新聞で、このプロジェクトのために特別目的会社を設立し、それがプロジェクトを主管するが、実際の作業は三菱重工に委託すると言う経済産業省案が紹介された。 この記事を見て、少し形は違うがこれはYS-11の時の仕組みと基本的に同じではないかと考えた。 結局、三菱重工は自身がリスクを背負って迄、このプロジェクトを自社プロジェクトとする意志のない事を表明したのであろう。 それではまた、YS-11の轍を踏む事になるのだろうか。


Aエアトランセの実績分析と将来展望


1.始めに

北海道の地域航空会社、エアトランセが2005年3月13日に帯広〜函館線を運航開始してからはや6ヶ月が経過した。 これまでの実績だけでエアトランセの将来を予測するのは時期尚早とも思うが、中間的な見通しをするのも全く意味のないことでもないと考えた。報告には現段階における将来見通しも述べているが、これは今後の進展如何で大きく変わる可能性のあることも予めご承知願いたい。