北海道航空問題研究会(HAPS)

7.特別寄稿


@ハブ空港の設立

1.始めに

30年程前に米国で始まったハブ・アンド・スポークと言う航空会社のネットワーク運用方式は、1978年の航空輸送についての規制緩和を受けて、急速に路線数を増やしたい航空会社の一つの解決策であったと考えられます。 規制緩和による自由競争市場にあってはネットワークの規模は航空会社の競争力の主要な要素です。 ハブ・アンド・スポーク運用はすでに周知のように、ある中心となる空港-これをハブ空港と呼ぶ-に多くの路線を集中させ、そこで集客した旅客を大型機で第二のハブ空港に輸送し、そこから第二のハブ空港からの路線でそれぞれの目的地に輸送すると言うものです。 これを図示するとハブ空港を中心に路線が車輪のスポークのように配置されるので、この名があります。 ハブ・アンド・スポーク運用に対照的な運用はいわゆる直行便で、ポイント・トゥ・ポイント・サービス(point-to-point service)と呼んでいます。


A日本の航空運送事業は市場競争のできる環境になったのか

A. JAL/JAS統合の承認とその意義
 今年の4月26日、公正取引委員会はJALとJASの経営統合計画を承認すると発表した。これで、わが国の航空運送業界は長い間の三社体制から二強時代に入ることになる。
JAL/JASの経営統合計画が発表された当時は、この統合はすんなりと認められると言う空気が強かったが、予想に反して結構難航し、結局JAL/JASが市場競争促進策を講じると言う計画修正をすることによって、統合計画が認められることになった。 公正取引委員会が、わが国の航空運送業界が市場競争のできる環境にないことを指摘したのは、まさに歴史的なことである。 平成12年1月までの旧航空法は独占禁止法の対象外であったため、以前はこんなことは話題にもならなかったが、現在の航空法では過疎地域への路線維持などの例外を除き、航空運送事業も独占禁止法の適用を受けることになった。