北海道航空問題研究会(HAPS)

3.HACのあり方


@北海道エアシステムの行方


1.始めに

北海道の第三セクター地域航空会社、北海道エアシステム(以下HACと称す)が1998年3月に運航開始してからはや7年が経過した。 営業成績も良く、2004年度まで6期連続の黒字を記録している。

それでこの会社は順風満帆と言いたいところであるが、不安材料もない訳ではない。 一つはその将来展望が見えないことで、1999年にSaab 340機の3機目が導入されて2000年度からは3機稼動体制となったが、それから5年を経過した今も3機体制のままである。 この程度の事業規模だと現有機を新型機と交代しようとする時に、機材更新資金を賄うだけの事業収益規模とは言えないので、親会社が資金を提供或いは保証しない限り、資金調達が難しい可能性があり、機材更新がどうなるか見えて来ない。

もう一つの不安材料は、これも3機体制と密接に関係してくるが、事業収益が頭打ちで利益はコスト削減に依存するしか方法がなくなりつつあり、コスト削減も限界があるのでそこから先は収支が悪化するだけになる可能性である。 それではどうすれば良いのか。 それを検討する。


A北海道内路線の将来とHACの将来

始めに

2014年2月14日、ANAホールデイングス(ANA)は2014年度から3年間の経営計画を発表した。

当所は以前よりANAは近い将来に北海道内路線から撤退すると予想し、その後も北海道が道内航空路線を維持したいならば実質的に道営航空会社とも見える北海道エアシステム(HAC)を今から強化すべきだと提言している。 この報告は、このたび発表されたANAの経営計画で道内路線がどう扱われるのかを予測し、それにHACがどう対応すべきかを提言するものである。