東洋思想では未来は決まっている
中国思想では、「良い気が取り込めます」とか、「悪い気が渦巻いてます」などと表現をします。風水的に言えば「龍脈のパワー」なのでしょうが、そもそもこの「気」なるモノとは何なのでしょうか?
これは、簡単に言えば「物事のめぐり合わせ」のことです。自分に向かってくる出来事の順番と言えば分かりやすいでしょうか。
皆さんは、時間の流れを考えたことがありますか?時間の流れとは、どこからどこへ流れているでしょうか?
A. 過去から未来へ
B. 未来から過去へ
さて、AとBどちらを選ばれましたか?
Aを選ばれた方は、西洋的な時間の概念をお持ちの方です。
Bを選ばれた方は、東洋的な時間の概念をお持ちです。ちょうどボートに乗って川を下るのが西洋的な時間の概念で、川を上るのが東洋的な時間の概念です。
時間が過去から未来へと流れると考えるなら、未来は未だ結論が出ていない未知の領域です。しかし、未来から過去へと流れると考えるなら、未来は既に決まっている既成の世界です。現在に立っている我々は、既に決まっている未来を迎えるだけということです。
東洋的な時間の概念とは、既に決まっている未来の出来事が自分に降りかかってくるものであり、運気とはその出来事が降りかかる順番とか状況のことを意味しているのです。
例えば、宝くじが当たる「運気」が来るとしましょう。当然、宝くじを買いに行かなければ当たりません。しかし、同じ時期に仕事が成功する「運気」もやってきて、忙しくてとても宝くじなど買ってる余裕が無かったらどうでしょうか。
この場合、ギャンブル運の「運気」は巡って来ましたが、仕事の「運気」がやってくるのと同時だったため、宝くじの当選を逃してしまうことになります。しかし仕事の「運気」はしっかりつかみましたので、順調に所得は上がり、幸せな日々を過ごすことになります。
これが「運気」の流れです。
幸せではありますが、理想を言えば、宝くじが当たる「運気」と仕事の「運気」がちょっとずれて来てくれたらなぁと思いませんか? その「運気」の巡りあわせを上手にコントロールする方法が風水です。
本来「運気」自体には、幸不幸、良し悪し、盛衰などの正邪や善悪の区別は無く、自然の摂理のようなものです。その人にとって都合が悪いか良いかの違いでしかありません。
東洋思想の世界観では、自分に降りかかってくる未来の出来事は、宿命と呼ばれ変えることはできません。しかし、降りかかってくるタイミングや状況を上手くコントロールして、自分に都合のよい状態にすることはできます。 それが家相・風水の極意です。
村上瑞祥
初出掲載日:2013年6月11日
最終更新日:2025年3月20日
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