風水インテリアで本当に幸運がもたらされる?
風水とは精神を健全に保つための存在
[風水] とは本来は占いでも禁忌でもなく、先人が長い間かかって得てきた結果論の集大成です。 [家相 とは実際の家作りのための存在であったのに対し、[風水]
とはそこに住む人の精神面と衛生面を健全に保つための存在でありました。
そこには古来からの怨霊信仰も深くかかわっています。 そして昨今では風水を占いとしてのみ位置付けした偏った情報まで氾濫しています。 前述の通り、現代ではその根拠も既に消滅し、今の暮らしとは殆ど関係無いような内容もあります。占い的要素からのみ、ただ西に黄色を置いておくという方も沢山いらっしゃる事でしょう。
しかしどれを信じどれを取り入れるのかは、あくまでも個人の心の持ちようにあります。
風水の気を取り入れるという意味
風水は、その文字が示すように [風の流れ] [水の流れ] を [気] と総称して上手く生活に取り入れるために考えられました。
・風は新鮮な空気と清涼感を運んできます。
・水は生命を維持するために欠くべからざるものです。
風通し良く快適に暮らしながら強風の脅威を排除する、水利を得つつ水害から身を守ると言うような、快適な環境を維持するために管理調節していく方法論が
[風水] の根本理念です。 現代では、最近の流行のマイナスイオンが多く出ている場所を探して取り入れるというような解釈で良いかと思われます。
おばあちゃんの知恵袋としての役割
風水では、部屋の中をきちんと整理整頓し、いつも清潔であるようにと言っています。 足の踏み場の無いような家で暮らしていれば、当然精神的にも乱れてきますし、いつも掃除をし綺麗な住環境を維持すれば、精神的に良い影響を与えることでしょう。
風水にはこのように、日本で言えば [おばあちゃんの知恵袋] のような生活習慣へのアドバイス的要素も多く含まれています。精神衛生上良かれと思う事を行なうための知恵集のようなものと言えばわかり易いでしょうか。
全員の意思統一を図るために
歴史的に考えると、古来より [卜占] とは一つの効果を期待して意図的に行われてきました。それは政治的、軍略的効果です。 小人数を1単位とした生活が営まれていた頃には、行動にそれほど意志統一の必要性はありませんでした。
しかし、農耕が始められ集落として多人数が部族化してくると、各個人の意志を一定の方向に導く必要が出てきたのです。 [神のお告げを伺ってみよう] この一言のもとで卜占が行われ、その結果に皆が従いました。[神の意志] に守られると信じた多くの人々の一丸となった行動が好結果を生んだことは想像に難くないと思います。
占いの本来の目的と効用
これらが占いの本来の目的と効用です。信じることにより迷いを払拭し、精神面での好結果をもたらす事こそ [幸運] を手に入れる唯一の方法なのかもしれません。 [信じるものは救われる] という事になるのでしょうか。
村上瑞祥
初出掲載日:2001年6月30日
最終更新日:2025年3月20日
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