どれが陰でどれが陽?流派で違う陰と陽
よく 「これは陰陽に分けるとどっちになるのですか?」 という質問を受けます。なるほど、世の中の森羅万象は 「陰 」 と 「陽」 の二極のバランスの上に成り立っていて、このバランスが重要なんですと言ったところで、何が
「陰」 で何が 「陽」 なのかがわからなければ判断できませんね。
ネットを検索してみると 「陰陽表」 なる便利なものがありました。自然現象から物品、生物、最新技術、人間の心理まで広範囲にわたって、白黒つけるが如くに
「陰」 と 「陽」 に分けている表です。
こんな便利なものがあるならと、使って頂いても構わないのですが、一つ落とし穴があります。 陰陽表で検索すると複数ヒットするのですが、それらを良く照らし合わせていくと、A表では
「陰」 になってるのにB表では 「陽」 と書いてある項目が軒並み目につきます。
どれが陰でどれが陽?流派で違う陰と陽 これは、どちらかが間違っているという訳ではありません。そもそも、陰陽の奥義書ともいうべき 「周易」 という本は中国最古の書と言われていて、約3000年ほど前に書かれたものです。
その後500年ほど時代が下って、老子を祖とする道家たちが中心となり易経として再編された思想が、今日の風水や家相などの基礎になっています。
その長い年月の間に、宗教界でも起きたような離合集散が起こり、色々な派閥や組織が出来上がっていきました。簡単に言えば、中国風水と朝鮮風水と日本の陰陽道は、基は1つでも流派が違うのでそれぞれ考え方も違うということです。
ですから、自分がやってみようかなと思う風水 (陰陽道も含む) が、いったいどこの系列のものなのかをまず見極めて、そしてそれに合った陰陽表を用いることが大切です。気候風土、生活習慣、歴史伝統などから生まれる民族意識などの違いによって、風水の在り様も変化をしているのです。
村上瑞祥
初出掲載日:2012年1月12日
最終更新日:2025年3月20日
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