トイレの風水が教えてくれること-2
前回に続き、トイレの風水の話です。
風水の中でも、トイレと玄関に関する風水は市民権を得ていると言って良いほど、多くの人達に知られています。「トイレが汚れてると幸運が逃げる!」「玄関が片付いていないと幸運が来ない!」この2つに関しては、誰でも1度は話題にしたことがあるのではないでしょうか。
しかしトイレの風水に関して言えば、歴史的に見ると実はつい最近にできたものだったりします。知る限りで、ここ50年位でしょうか?私の記憶だけでは、根拠になりませんので、歴史的事実を一つご紹介しましょう。
そもそも日本でも中国でも、一般的には便所が家屋の中に設置されたのは、100年ほどの歴史しかありません。前回にもご紹介しましたが、有史以来、便所は衛生的な理由と立地的な理由により、屋外に作られていました。
4000年の歴史と宣伝し、その長い歴史に裏打ちされたことが、人気の源になっていると思われている風水ですが、一番人気のコンテンツは最大100年の歴史も無いことになります。
と言うと、「なんだぁトイレ風水ってそんなに最近できたんだ」とガッカリする方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います。
風水は長い歴史があると言っても、4000年の歴史の中で不変だったわけではなく、その時代の生活様式や文化に合わせて進化し続けてきたものだからです。
トイレ風水そもそも風水や占いが人々に受け入れられ語り継がれてきているのは、それが「当たる」からではなく、そのものが持つロジックが優れているからに他なりません。
風水や占いの本質は「あぁ、なるほど」とか「確かに言われてみればそうだよね」とか、お客さんを共感・納得させることが重要なのであって、必ずしも結果が当たることが必要条件では無いということです。
風水師や占い師が見料を受け取るのは、占いをした時点であり、結果を見届けた時ではありません。大昔から大勢に受け入れられ、語り継がれているものは、それだけ優れたロジックを持った概念だということです。
村上瑞祥
初出掲載日:2012年12月6日
最終更新日:2025年3月20日
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