ご利益があるお守り、無いお守り
旅行先で、記念にお守りを買ったというご経験をお持ちの方は多いと思います。しかし、ご利益があったか? と聞かれても、そんなに真剣に祈願して買うわけでも無いので、正直気にしたことも無い、という方がほとんどのことでしょう。
しかし、それは大変にもったいないこと。せっかくのご利益を、自分から放棄しているのと同じことなのです。
そもそも、お守りとはなんでしょうか? 起源を紐解けば、古代の勾玉 (まがたま) などに行き着きます。勾玉とは、古代人が川原で拾った綺麗な石を、一生懸命磨いて大事に愛しんで作り上げたものです。お守りの本質はこの
「思いを籠めて自らの手で作る」 ことにあるのです。
最近の脳科学で、人は自分の能力にリミッターをかけていることが分かったそうです。どんなに頑張っているつもりでも、脳が無意識に余力を残してしまっているのだそうです。
もしこの普段は使えない 「余力」 を使いこなせたとしたら。願いを成就するための強力な武器になると思いませんか?
強い思いを籠めたお守りは、心の支えとなり、 「自分の脳に隠された未知の能力」 を引き出すスイッチになってくれることでしょう。
何かのついでに買って、普段は存在すら忘れてしまっているような記念品のお守りに、ご利益を期待すること自体が間違っています。お守りは自分で作るか、探すか、もしくは自分の手でひと手間加え、そこに精一杯の気持ちを籠めて祈り信じること。これがご利益のあるお守りです。
願いの成就は、他人からもらうものではありません。幸運は勝手に飛び込んでくるものではなく、自分で勝ち取るものなのです。これは風水の心にも通じることです。
村上瑞祥
初出掲載日:2010年6月9日
最終更新日:2025年3月20日
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