古代エジプトと風水の意外な共通点
風水をもっとさかのぼってみると、前回
「風水は美しいミイラになるために」でお話しした風水とミイラの関係が、また別の角度から見えてきます。
風水の元になった道教の始祖は黄帝であり、そしてそれを大成したのは老子であるとされています。黄帝とは紀元前2510年〜紀元前2448年まで、古代中国を統治した伝説の王です。
この黄帝が実在したかどうか、何をしたかなんてことはここではどうでもいいことです。ここで重要なのは、「道教思想は紀元前2500年位からある!」ということが意味を持ちます。 実は、ピラミッドの製造年代も、紀元前2500年頃と言われています。
ピラミッドの構造はご存じの通り正四角錐をしていて、その四辺は正確に東西南北を向いています。北斜面の中ほどには入口が開いていて、この開口部は正確に北極星を指しているそうです。これらは、古代エジプト人の世界観により作られたものと考えられています。
古代エジプトの神話では、天と大地はヌトとゲブという夫婦神で、初めは抱き合ってくっついていました。しかしその2人の間に空気と湿気が入り込み、引き離して空と地が別れたと言うのです。
その地の底には冥界があり、太陽神ラーは夜にその冥界を通って朝に再び地上に現われる、つまりそれが日の出と考えていました。太陽神ラーは頭がハヤブサ、体が赤色で太陽や火を表しています。
冥界を支配していた神はオシリスと言い、その姿は緑色の肌をしたミイラとして描かれています。緑は死者を表す色で、白色の包帯は復活を意味します。
オシリスの弟であるセトは、兄を殺して王位を簒奪しました。セトは頭が黒色のジャッカル、身体は人の形をした神で、砂漠を守護し、悪や戦争、嵐を意味する黒がイメージカラーでした。 オシリスの妹にして妃だったイシスは、人の姿をした女神で、体は黄色く頭は白色という誕生と復活を表すイメージカラーを持っています。
この様に、エジプトの神々には色の意味する属性が見られます。風水の基本的な理念、陰陽五行説の、白黒黄赤緑の5色に似ていませんか?
エジプトルクソール地域と中国山東省付近は、距離にして1万キロほど離れていますが、発生した古代思想には意外な共通点があったのです。 そしてこれらの古代文明の共通点を調べてみると、ある正体不明の人種にたどり着きます。その話はいずれまた。
村上瑞祥
初出掲載日:2012年8月14日
最終更新日:2025年3月20日
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