お盆の仕掛け人は、起死回生を狙う陰陽師軍団
今、盆休みの真っ最中。実はこの [お盆] は、日本の風水と密接な関係があります。
日本に風水が入ってきたのは、仏教伝来から200年ほどたった8世紀初頭。遣唐使の吉備真備 [きびのまきび] が陰陽道の奥義を持ち帰り、その中に風水も含まれていたと伝えられています。
当時の朝廷では、仏教が盛んで絶大な力を持っていましたから、仏教界の邪魔もあり、この新知識はさほど注目はされませんでした。 陰陽師たちの悲願は、朝廷から仏教勢力を追い出し、自分達が取って変わって権力を得ることでした。そこでその秘策として利用したのが [鬼門] であり、[鬼] だったのです。
本来、中国での [鬼 (き)] は日本の [魂 (たましい)] に近い概念で、今の日本で言う [鬼(おに)] とは全く違うものです。 日本での邪悪な祟り神は [隠 (おぬ)] と言いました。
そこで陰陽師たちはこの [隠 (おぬ)] を、中国から伝来した [鬼 (き)] に結びつけ、「恨みを持って死んだ人は恐ろしい怨霊、鬼 (おぬ⇒転じておに)
になり、丑寅の方角 [鬼門] から現れて祟りを為す。」 と宣伝したのです。
この陰陽師の秘策は大成功し、祟りを恐れる桓武天皇は、失脚させた早良親王の怨霊を鎮める儀式である [御霊会 (ごりょうえ)] を国家事業として行うよう、陰陽師たちに命じました。
この御霊会が、現在の [お盆] の起源です。 つまりお盆は陰陽道のイベントで、仏教とは関係の無いものなのです。ではなぜ現在はお寺でやっているのか?
それはまた何れの機会にでも。
村上瑞祥
初出掲載日:2010年8月11日
最終更新日:2025年3月20日
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