天海 護(あまみ まもる)

  勇者王ガオガイガーの主人公。人類の存亡をかけた戦いの鍵となる少年。
 10年前(1997年)、ギャレオンによって天海夫妻に託され、その愛情を一身に受けて育つ。その甲斐あって、元気で優しく礼儀正しい、勇気ある少年に成長した。5年前(2002)までは北海道苫小牧に在住。父の宇宙開発公団入社を機会にGアイランドシティへ引っ越してきた。カモメ第一小学校に通う3年生に在籍し、教室での座席は窓側から二番目の列の後ろから二番目。末男少年の前の席であり、華ちゃんの右隣にあたる。GGG機動部隊長である獅子王凱を兄のように慕っている。
 その正体は緑の星の指導者カインとその妻の間に生まれた子、ラティオであった。生まれながらに機界文明に対する耐性を持っており、機界昇華によって滅亡間近の三重連太陽系に生まれた「Zマスターへの抗体」、すなわち機界31原種に対して三重連太陽系の自然が生み出したアンチテーゼの体現たる少年である。
 EI−02の出現と侵攻により秘められていた能力を開花させる。そのころからギャレオンに対しては、何か特別な懐かしさを感じ取っていた。ゾンダー化された人々を「浄解」し、Gストーンの出力を増大させ、東京決戦の直後においては完全停止した最強勇者ロボ軍団を復活すらさせた。その能力はマモル自身の感情の昂ぶりに大きく左右されるようだ。
 浄解モードになると全身は緑色に輝き、額にはGストーンと同じ紋章が浮かび、妖精をおもわせる八枚の翼を得る。浄解の呪文は「クーラティオー!テネリタース セクティオー サルース コクトゥーラ!」
 この呪文はラテン語である程度の翻訳が可能で
 クーラティオー=curatio 「治療」
 テネリタース=teneritas 「柔軟、繊細」
 セクティオー=sectio 「切り取り、切断」
 サルース=salus 「安全」
 コクトゥーラ=coctura 「料理、分解」となる。
 浄解の際、左手の中指と薬指を立てた印を結ぶ。中指は「全てを超越した存在」を、薬指は「癒し」を意味している。
 EI−01こと、パスダーはマモル少年を「カインの造りし破壊マシン」とよび、マモル少年はその言葉に少なからずショックを受けていた。
 EI−05との戦闘よりGGGの正式な一員として特別隊員に任命される。当初は両親に嘘をついている罪悪感と心配をかけたくないという想いの間で板挟みになっていたが、大河長官の正式な要請以降は両親の了承の下、GGG特別隊員の務めを一生懸命果たしている。立場上、GGG諜報部ボルフォッグによる厳重な(?)護衛の下にあるが、普通の小学生として毎日元気に生活していた。
 対ZX−04戦で自分の力では原種核が浄解出来ないことを知り、自らの存在意義に悩むが、Gストーンのペンダントを介してギャレオンのなかに眠っていた「カイン」の意識と対話したことにより、己の過去の一端と原種に対する感知能力および原種核を浄解する力を得る。なお、原種核を浄解する際には右手で親指、人差し指、小指を立てた印を結ぶ。親指は「力」、人差し指は「戦いの意志」、小指は「慈愛」を意味する。
 対機界最強7原種戦において腸原種から自分が「緑の星のラティオ」であることとその意味を知らされ、自分が両親の本当の子ではないことに激しいショックを受ける。後に両親にそのことを確認することになるが、両親の温かい言葉に自分と両親の「家族」としてのつながりを再確認し、木星決戦に臨む。
 木星決戦にはスターガオガイガーの背面、ステルスガオーUの操縦席に搭乗して参加。最前線で原種核の浄解を行う。その最中、「ザ・パワー」を介して生みの父親カインと対面する機会を得るが、昏睡状態にあり、直接言葉を交わすことはかなわなかった。対Zマスター戦にもそのまま参加し、その機界昇華プログラム=マスタープログラムを浄解し、地球の機界昇華の阻止に成功。地球へ帰還する。その際の最後の呪文、「ウィータ」はラテン語で「生命」を表す言葉であると言われる。ガオガイガーヘル・アンド・ヘヴンと同様の構えをとる。その際、両手はゾンダーを浄解する中指と薬指の印と、原種を浄解する右手の親指と人差し指と小指の印を組み合わせたものであり、真のヘル・アンド・ヘヴンとも称される。
 地球に帰還後、再び遠足で訪れた新都庁でゾヌーダロボに遭遇。GGG機動部隊が到着するまでの間、ギャレオンと共にゾヌーダロボに戦いを挑むがすべての物質、すべてのエネルギィをも昇華する敵に苦戦を強いられ、ゴルディオンハンマーを失ったガオガイガー最後のヘル・アンド・ヘヴンの援護のためにその身を挺するが、ゾヌーダロボの衝撃波に吹き飛ばされ、意識を失ってしまう(あるいはこの時既に死亡していたとの説もある)。結果的にそれが機界新種の素体であったミコトに影響を与え、ガオガイガーの勝利へとつながった。ゾヌーダの浄解に際して、マモル少年のペンダントとそして彼自身の力が不可能なはずの二つの浄解、即ちゾヌーダとガイの身体、その両者の浄解という奇跡の一端を担っていたことは疑う余地がない。
 戒道少年には機界31原種襲来戦での再会以来、複雑な感情があったようだが、同時に同じ浄解者としての共感も多分にあったに違いない。機界新種殲滅後、マモル少年が決意した旅立ちは、健在であれば、戒道少年が必ず自らかって出たであろうことであり、戒道少年の意志を継ぐ意味もあったものと思われる。それはマモル少年にしか出来ないことであり、同時にマモル少年本人の意志と合致していたことでもあった。
 だが、地球を去って一年後の夏、突如地球に帰還を果たし、アメリカGGG、および中国の科学院航空星際局から、謎の物体Qパーツを強奪するが、その正体は物質復元装置によって複製された彼のコピー人間、レプリジンであった。このレプリジンにもマモル少年と同様の能力と記憶が宿っているが、ソール11遊星主パルパレーパケミカルボルトによって意識に改造を加えたため、オリジナルのマモル少年とは異なり、場合によっては自身の立場や、自身へ向けられる大人たちの愛情さえも利用して、目的を達しようという妄執とも呼べる意志だけが存在するように思える。
 オリジナルのマモル少年はソール11遊星種のもとからパスキューマシンを奪取し、GGGの協力を仰ぐべく地球を目指したが、その最中ソール11遊星種の追撃によりESウィンドウへ落下、三重連太陽系に複製された地球へと転移させられていた。
 必殺技は天海家一子相伝の「うわっはー!」と魅惑のナマ足(笑)。北海道以来の幼なじみ、華ちゃんと「ケッコンの約束」を交わしていたらしい。
 血液型O型、星座は天秤座。声優は伊藤舞子さん。