Zマスター

   機界31原種の集合体。その姿は機界最強7原種が融合した原種巨人に酷似している。原種核の集合体であるマスタープログラムによって制御されているが、直接的な指令はエネルギー供給を司る心臓原種によって行なわれ、31体の原種の能力をすべて、同時に行使する。その戦闘力は東京の全エネルギィを味方につけたEI−01をはるかに凌駕すると思われる。さらに木星の無限エネルギィ「ザ・パワー」を取り込むことにより、マイクサウンダース部隊の壊滅、百式司令部多次元艦スサノオを撃沈するなど圧倒的な力を見せつけた。
   しかし、このZマスターが、「31」すべてとは言わずとも、複数の原種能力を同時に使用することはなく、攻撃、防御ともに単発的な要素が強かった。唯一の例外といえば、体内に侵入した勇者達に対して行われた各原種の妨害行動が見られるが、これは各原種自身の自律防御的側面が大きいのではないだろうか。
   というのは、やはり「ザ・パワー」が「制御困難な無限エネルギー(アベルの戦士たちはこれを称して『滅びの光』と呼んでいた)」であることに尽きる。いかなZマスターとはいえ、複数の原種能力を同時に発動させた際、「ザ・パワー」の暴走が起こらないという可能性を克服できなかったのだろう。特に、GGGに対して有効な攻撃方法と見られていた肋骨原種の原子分解能力、腸原種マイクロブラックホール能力は、ひとたび「ザ・パワー」が暴走を始めれば、Zマスター自身をも滅ぼしてしまいかねない危険な能力である。そういう点からZマスターは、腕原種超指向性重力波爪原種の切断光波といった単純(?)な攻撃に終始せざるを得なくなっていたのであろう。
 最終的には木星へ墜落し「ザ・パワー」を得たGGG機動部隊Jアークに体内への侵入を許し、心臓部でのキングジェイダーの捨て身の暴走により「ザ・パワー」を制御できず自壊した。