Gストーン

   ギャレオンがもたらした数々のオーバーテクノロジーの中心的存在。命の宝石とも別称される。カインの子ラティオの能力を基に緑の星で開発された、緑に輝く六角形の結晶体。大きさは人間の手のひらに納まる程度。それ自体が無限情報集積回路であると同時に結晶回路を利用した超々高速度の情報処理システムであり、優秀なエネルギィ抽出源である。これに加え使用者の特定的な精神状態、生きる意志に満ち溢れた状態、即ち勇気に感応する形で更に莫大なエネルギィを発生させる。しかもそれが継続する限り半永久的にエネルギィを発生させ続けせ、更にはその基本的結晶構造を保ったまま分割することで、分割した双方が本来の機能を失わない特質をもっているため、GGGでは多くのGストーンを動力源として採用している。また後にGストーン同士は物理的な距離に制約されず同調する性質が確認されており、エネルギィ発振の活性化や情報の共有が可能であるとされている。このように幾多の特性を有するGストーンであるが、その基本的な性質は「対機界昇華反物質サーキット」という戒道少年の説明がもっとも端的であろう。
 三重連太陽系、緑の星の指導者カインとその配偶者の間に生まれた子・ラティオは当時三重連太陽系を覆いつつあった未曾有の危機、即ちゾンダーメタルに対して緑の星が、ひいては宇宙と言う大自然がもたらした抗体とも言われる。本来、収納展開が自在に可能な翼による飛行能力を有する人間が、緑の星には一定数存在していたことはほぼ確実視されているが、その三重連太陽系において知的生命体が絶滅の危機に瀕したその時に、これに対抗し生き残りうる個体が生まれたことは、当時の緑の星の人々、そして我々に人知を超越した力の作用を思わせるに充分な事実と言えるであろう。
 しかし、現実的な問題として、機界31原種の危機は三重連太陽系全域に拡大しつつあり、たとえ抗体としての特性を有するとはいえただ一人の嬰児のみで対抗することはできない。よって緑の星では恒星系再生復元システム、ソール11遊星主に対するセーフティアンチプログラムの中枢であるGクリスタルに解析したラティオの能力を付加、精製し、ラティオと同様の特性を有するシステムを構築、大量配備することで機界昇華の進行を阻止しようとしていたようだ。Gストーンはその結実であったが、機界31原種の侵攻は素早く、大量精製を前に緑の星は機界昇華され、カインは後の文明のために僅かな試作型Gストーンとラティオをギャレオンに託して逃れさせたのである。そのためGクリスタルとGストーンは基本的な性質を同じくし、かつ基礎プログラムの書き換えによって互換性を有している。
 後に基礎出力を向上、安定させた改良型Gストーン、通称ラウドGストーンが精製され、ソール11遊星主の主動力として流用されている。