ゾヌーダ

   機界新種の別名。2年前(2003年)のEI−01襲来の際にミコトに植え付けられた種子がGパワーへの耐性を身に付け覚醒し、ミコトの身体を素体として人型をとった状態を指す。常に直立、浮遊しており、全身は淡い紅の閃光を発している。アマテラス左胴部を乗っ取り地上に降下した後、アマテラスを吸収しゾヌーダロボへと成長。マモル少年の抹殺を狙ってのことか、都庁を目指すが、ギャレオンによって阻まれ、追撃してきたGGG機動部隊によりを摘出、獅子王凱の手によって浄解される。物質昇華能力はこの状態でも健在であり、覚醒して早々、オービットベースの無力化に成功している。それをはじめとして、都心部一帯の物質昇華、ガオガイガーとの苛烈な格闘戦を為し得た、あの爆発的エネルギィの源は不明である。ミコトの体内に潜伏する間にチャージしていたとは考えにくい。あれほど巨大なエネルギィが一個の人間の体内に納まっていたとは考えにくいし、もしそうだとしても巨大なエネルギィの存在によって種子の存在がGGGに感知されていてもおかしくはない。
   一つ推論を立てるならば、ゾヌーダがオービットベースのエネルギィを吸収した可能性がある、ということだ。周知の通り、GGGオービットベースの要所にはGストーンを用いた動力(GSライドと同一のものかは不明)が設けられている。しかし、それとは別にオービットベースの最下層には旧ベイタワー基地のものと同型(あるいはその発展型)の主動力炉が存在する。機界最強7原種がオービットベースを襲撃した際、ゾンダーメタルプラントの苗床に選んだのがそれである。ゾヌーダはここから供給されていたエネルギィを吸収することで、あれほどのエネルギィを得ることが出来たのではないだろうか。Gストーンの補助があるとはいえ、あれだけ巨大な基地内を維持するだけのエネルギィは膨大なものであろう。それならばゾヌーダロボのあのパワーも納得のいくものではないだろうか。
   もしゾヌーダがGパワーをも吸収することが出来ていたなら、ガオガイガーをはじめとして、オービットベースで「彼女」の行く手を阻んだ機動部隊も「彼女」に融合、吸収されていたはずである。しかし機動部隊もガオガイガーもエネルギーを昇華されただけで吸収を免れている。やはり、いかに「新種」といえども機界文明の産物である「彼女」には反物質であるGパワーは吸収することが出来ず、昇華するほかなかったものと思われる。
   今一つ考えられるのは、エネルギィを別の形で蓄積していた、という事である。ミコトのガイに対する想いを利用していた、と言ってもよい。見落とされがちではあるが恋愛感情は、「負の感情」を多く含んでいることが往々にしてある。独占欲、嫉妬、性欲、そういった他者との接触欲求である。加えてガイは常に危険と隣り合わせの任務に就いており、旧GGG時代以来、ミコトの心配は募るばかりであったろう。マイクロゾンダーに操られたミコトのガイに対する攻撃行為は、その歪んだ形での発露と解釈することもできる。こうして機界31原種殲滅までに、鬱積していたミコトの欲求やストレスを吸収し、発芽の瞬間にそれを一気にエネルギィへと変換すれば、発芽までの間にGGGのセンサに探知されることもない。ゾンダーが知的生命体の精神的なストレスを原動力に変換していたことを考えればありえないこととは言えないだろう。だが人間の気持ち一つにそんな力があるのだろうか?それは誰にも答えることはできない。気持ちは目にも見えなければ、量的に計ることもできないのだから。