ボルフォッグ

 GGG諜報部に所属するビークルロボ。型式番号及びAIボックスコードはGBR−4。ちなみに命名はロシア語で狼を意味する「ボールク」と英語で霧を意味する「フォッグ」の複合語である。ビークル形態は日本警察のパトロールカーであるが、その外観はフェラーリF50に酷似している。要人警護、情報収集およびその分析と追跡、潜入、強行偵察などを主任務とし、獲得した情報を確実に帰還させることを主眼に開発された。隠密性の確保や市街地などでの迅速な行動のため「竜」型ビークルロボットと比較しても約半分程度のサイズであり、GSライド出力も氷竜炎竜の半分以下程度であるがその分、高い機動性と運動性を獲得している。
 煙幕兼スクリーンとして使用されるフォッグガスとこれに映像を投射するプロジェクションビーム、周囲の景色に光学的に同化することで目標の視覚を欺くホログラフィックカモフラージュなどの光学的欺瞞装置のほか、多機能光学センサーおよび素粒子Z0探知装置であるZセンサー、特殊音波を発信し機界文明の強力なバリアを分解し、またあらゆる電磁的妨害を受けることなくガンマシンを誘導制御することのできるメルティングサイレン、自らの意志でミラー粒子を自在に蒸着、剥離させることができる内蔵ミラーコーティング、あらゆるコンピュータにアクセスを可能にしている多次元リンクシステム、要人警護用キットなどを携行射出する脚部の多目的小型カタパルトなど先駆的な隠蔽、欺瞞、探査諜報機能が実験的に多数搭載されている。また携行武装として目標を迅速確実に捕獲するジェットワッパー、巨大な「く」の字手裏剣シルバーブーメランを装備する。このシルバーブーメランにミラーコーティングを施した「シルバームーン」、更に「シルバームーン」を組み合わせた巨大十字手裏剣「シルバークロス」は高い攻撃力を有しており、加えて同諜報部所属の自律機動歩兵であるガンマシンを自らの意志で自在に制御することができ、これらとの三身一体を経て更に武装を強化したビッグボルフォッグへと合体が可能である。その他、多次元リンクシステムにより、緊急時には独自の判断でエリアX・多次元諜報潜水艦を自在に操艦しうる機能と権限を持ち、またボルフォッグ自身のAIによる多次元諜報潜水艦の遠隔操作も可能となっている。これらの能力を総合したボルフォッグは運用次第ではスタンドアローンでの戦闘も可能な正に万能の感があり、Gストーン搭載型AIロボットの「最高傑作」として内外の評価も高い。
 AIは内閣調査室に所属していた犬神霧雄を人格モデルとして作成され、これに約三ヶ月の育成期間を経て実務へ投入された。当初は本拠地の捜査等、機界文明に対する諜報活動を任務とする予定であったがEI−02の出現とこの浄解した天海護少年の出現に伴い、マモル少年の監視と護衛を行うこととなり、マモル少年がGGGによって正式に特別隊員に認定されて以降は彼の護衛がボルフォッグの主任務となっている(なおこの着任にあたって天海護特別隊員専用護衛キットが諜報部よりボルフォッグに支給されており、有事の際にはボルフォッグ独自に判断によりこれら護衛キットを使用することが許されている)。しかし、機界文明の攻勢が激化するにつれ、ボルフォッグも機動部隊との共同作戦を採ることも多く、これにおいてもボルフォッグは多大な戦果をあげている。特に対EI−12戦におけるゾンダーメタルのサンプル取得と対EI−15戦におけるウィルスプログラムの撃退は特筆に価するであろう。
 任務上の非情さとそれ以外での優しさを渾然と有した沈着冷静な性格であるが、氷竜のそれとはまた異なった雰囲気の持ち主である。非情を以って旨とする諜報部員らしからぬその優しさゆえに足元をすくわれることも多々あったが、それゆえに対EI−14戦において護衛対象であるマモル少年に初めて存在を認識されて以来、彼との個人的な親交を深め、強い信頼関係を築き上げている。時にはマモル少年のメンタルヘルスのケアも行うことがあったようだ。
 東京における機界四天王最終作戦においては、ペンチノンことEI−27の撃破に成功、直後の対EI−01戦における弾丸Xのファイナルパワーアップの反動によりAIを休眠させた。その後対ZX−04戦より戦線に復帰。この時機体の修復に伴いウルテクエンジンを搭載、出力が従来の1.5倍に跳ね上がり、ビークル形態における水上走行機能、ビークルロボ形態における飛行機能が付加されている。またこれ以降失われた多次元諜報潜水艦に替わり、百式司令部多次元艦スサノオの艦橋に籍をおいている。なおスサノオも多次元諜報潜水艦同様、多次元リンクシステムによる操艦とAIによる遠隔操作が可能である。対機界最強7原種戦、木星最終決戦においてはスサノオのリフレクタービームを駆使し、戦果をあげている。また木星決戦に先立ちJアークメインコンピュータであるトモロ0117の調整を多次元リンクシステムを用いて担当しており、この際かつて死闘を演じた者同士、なんらかの共通理解を得たのであろう。後にトモロ0117を「かけがえのない友人」であったと評している。
 対機界新種戦ではAIボックスをステルスガオーUに搭載して参戦した。機界新種殲滅後は機体の修復完了と共に職務に復帰したが、マモル少年が宇宙へ旅立ったことで彼に対する護衛任務に替わり、新たにバイオネットに対する諜報活動の任務が与えられている。同じく諜報員であることからシャッセールルネ・カーディフ・獅子王と共同作戦をとることも多く、一部では「いいコンビ」、あるいは「どつき漫才」などと言われていたり、いなかったりするらしい。
 見た目はそのまんま忍者であるが、それは機体の共同開発にあたったロシア共和国技術者の日本に対する認識が偏っていたためであるとか。
 声優は小西克幸さん。

ビークルロボ形態
   分類 G−stone Drived Brave Robot
   型式 ビークルロボ
   全高 10.7m
   乾燥重量 9.5t
 全備重量 13.5t
 搭載AI型式 GBR−4 VOLFOGG
   GSライドクラス 機密
   構造 スーパーモノコック
   動力 Gドライブ
   最大出力 100000kw+(130000馬力以上)
   最大走行速度 250km/h
   システムチェンジ総所要時間 20.655sec
   バリアシステム 内蔵ミラーコーティング
   ミラーコーティングで耐久可能な最大衝撃負荷 機密
   携行/固定武装 シルバーブーメラン/ジェットワッパー/フォッグガス噴出装置/プロジェクションビーム
   特殊装備 内蔵ミラーコーティング/ホログラフィックカモフラージュ/多機能光学センサー/Zセンサー/メルティングサイレン/多次元リンクシステム

ビークルマシン形態
   分類 G−stone Drived Brave Robot
   型式 ビークルマシン
   全長 7.3m
   最高巡航走行速度 485km/h
 瞬間最大走行速度 630km/h
    搭乗可能人員数  2
                     (重量、搭載AI型式、動力、最大出力、バリアシステム、特殊装備 はビークルロボ形態時と同一)
   備考 AIによりガングルー、ガンドーベル両機、および多次元諜報潜水艦、百式司令部多次元艦・スサノオを制御することが可能。ガングルー、ガンドーベル両機と三身一体合体を行うことでビッグボルフォッグとなる。ウルテクエンジン搭載後は出力が1.5倍に。またビークルロボ形態時には飛行機能、ビークルマシン形態時には水上走行機能が付加される。