実数指数のべき関数(累乗関数)の性質 :トピック一覧  

冪(べき)関数・累乗関数の定義 
べき関数のグラフ/べき関数の増減/べき関数の値域/有界性/最大最小/
・べき関数の逆像/ べき関数の単射/全射/全単射の判定 / べき関数の逆関数 /  
べき関数の極限/べき関数の連続性/べき関数の微分可能性/べき関数の導関数/極大極小
べき関数の原始関数/べき関数の広義積分   

1変数関数の具体例:y=x / y=x2/ y=x3 / y=1/x  → 自然数指数の冪関数/整数指数のべき関数/有理数指数のべき関数
           定数値関数/比例/一次関数/二次関数/三次関数→多項式関数  
           指数関数/対数関数 
           絶対値関数/三角関数/ガンマ関数
1変数関数に関する諸概念の定義:1変数関数一般の定義/極限/連続性/微分/定積分/広義積分/スチルチェス積分
関数定義関連ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般
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定義:べき関数(累乗関数) 〜指数を実数全般に拡張して
  指数を実数とする「冪(べき)関数」「巾(べき)関数」「累乗関数」とは、
 実数の定数aに対して、(0,+∞)で定義された1変数関数
     f (x)=xa 
 のことをいう。

R(−∞,∞)ではなく、(0,+∞)で定義するのはなぜ?

 ・指数aが正の整数に限定される場合は、
  特に支障がないので、累乗関数 f (x)=xa(−∞,∞)で定義できる。

 ・ところが、指数aを「負の整数」にまで拡張すると
  指数aが「負の整数」であって、自然数nを用いて、指数aを−nと表せるとき、
     f (x)xa=1/x n  
  となるから、

  x=0Rにおいて、 f (0)0a=1/0φとなってしまう(∵実数体の定義)。
  だから、指数aを「負の整数」にまで拡張すると
  R(−∞,∞で定義された対応f (x)=xa は、
  関数の定義を満たさない。

  指数aを「負の整数」にまで拡張した場合
  累乗関数 f (x)=xa は、
  0を避けた、R{0}(−∞,0)(0, +∞) で定義せざるを得ない。

 ・さらに、指数aを有理数にまで拡張すると
  自然数n,整数zを用いて、az/nと表される場合、
     
    f (x)xa  xz
 
  となるから、  

  xが負のとき、
    一定の条件下で、xz<0となって、累乗根が定義不能となる事態に陥って、
     f (x)φとなってしまって、
    R(−∞,∞で定義された対応f (x)=xa は、
    関数の定義を満たさない。

  また、xが0のとき、zが負の整数なら、xz=1/0となるから、
     f (x)φとなってしまって、
    R(−∞,∞で定義された対応f (x)=xa は、
    関数の定義を満たさない。

  だから、指数aを有理数にまで拡張した場合
  累乗関数 f (x)=xa は、
  0と負の値を避けた、(0, +∞) で定義せざるを得ない。
 

指数を《特別な実数》に限定したときの「べき関数」「累乗関数」の定義と性質は、
 以下を参照。
 →指数を有理数に限定した「べき関数」「累乗関数」
 →指数を整数に限定した「べき関数」「累乗関数」
 →指数を自然数に限定した「べき関数」「累乗関数」

[関連事項]

  実数指数の累乗の定義と指数法則   

[文献]

 小平『解析入門I』§2.3-b) (pp.91-92);
  松坂『解析入門1』5.2-A(p.165);
 ・赤攝也『実数論講義』§7.2定義7.2.2(p.210):


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冪関数(累乗関数)のグラフ
   1≦aのときのf (x)=xaグラフの例
  
 0<a<1のときのf (x)=xaグラフの例
  
 −1<a<0のときのf (x)=xaグラフの例
  
 a≦−1のときのf (x)=xaグラフの例:
  

[文献]


 


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冪関数(累乗関数)の増減
  (0, +∞)で定義されたべき関数y=f (x)=xa は、
 ・
a>0ならば区間 (0 , +∞)で単調増加 
  導関数がaxa−1だから、a0, x0の範囲で、導関数は常にプラス。    
 ・a<0ならば区間 (0 , +∞)で単調減少  
  導関数がaxa−1だから、a0, x0の範囲で、導関数は常にマイナス。
 (以上二点をまとめると、a≠0ならば、、(0, +∞)狭義単調関数) 
 
a=0ならば(0, +∞)y=f (x)は、1のまま一定不変である(→定数値関数

[文献]

 ・赤攝也『実数論講義』§7.5定理7.5.7(p.223):。
 


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冪関数(累乗関数)の値域
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冪関数(累乗関数)と有界性
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冪関数(累乗関数)と全単射
  [制作中]



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冪関数(累乗関数)の逆関数
  [制作中]

[文献]

 
1変数関数の「逆関数(の存在)」定義
※1変数関数の具体例の「逆関数(の存在)」について:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


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冪関数(累乗関数)の極限
  (0,+∞)で定義されたべき関数y=f (x)=xa は、
  (i) a>0のとき 
    x+∞で、xa +∞
    x+0で、xa 0   
  (ii) a<0のとき 
    x+∞で、xa 0
    x+0で、xa +∞   

[文献]


1変数関数の極限定義
※1変数関数の具体例の極限:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


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冪関数(累乗関数)の連続性
  (0,+∞)で定義されたべき関数y=f (x)=xa は、
  区間(0,+∞)で連続

なぜ?→小平『解析入門I』92.

[文献]

 ・赤攝也『実数論講義』§7.5定理7.5.8(p.225):。
 小平『解析入門I』§2.3-b) (pp.91-92);
1変数連続関数の定義
※1変数関数の具体例の連続性:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


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冪関数(累乗関数)の微分可能性と導関数
  ・微分可能性:(0 , +∞)で微分可能。 
・導関数: →ここを見よ



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冪関数(累乗関数)の原始関数
  (0,+∞)で定義されたべき関数y=f (x)=xa について、
 (i)  a≠−1のとき→ ここを見よ
 (ii) a=−1のとき→ ここを見よ。・



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冪関数(累乗関数)の広義積分
  (0,+∞)で定義されたべき関数y=f (x)=xa は、
  区間(0,+∞)で連続

a<0のとき、y=f (x)=xa はx=0が特異点となる。(分母にゼロがくるから。)
左半開区間(0,b]におけるf (x)=xa広義積分は、
 −1<a<0のとき収束a<−1で発散となる。
      例えば,b=1の場合、
      −1<a<0のとき、 
      a≦−1のとき、

無限区間[b,∞)におけるf (x)=xa広義積分は、
 −1<a<0のとき発散a<−1で収束となる。
      例えば,b=1の場合、
      −1≦a<0のとき、
      a<−1のとき 、


[文献]

 ・黒田『微分積分学』p. 173;
 ・住友『大学一年生の微積分学』122;
 ・吹田新保『理工系の微分積分学』115-6.

※関連:広義積分の収束条件その2 


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reference

小平邦彦『解析入門I』 (軽装版)岩波書店、2003年、pp.89-92。
高木貞治『解析概論改訂第3版』岩波書店、1983年、pp.105-108;
和達三樹『理工系の数学入門コース1・微分積分』岩波書店、1988年、pp.20-21。
青本和彦『岩波講座現代数学への入門:微分と積分1』岩波書店、1995年、p.84:高階導関数、p.93:凸性、p.110:原始関数。
黒田成俊『21世紀の数学1:微分積分学』共立出版株式会社、2002年、pp.171-173。
住友洸『大学一年生の微積分学』現代数学社、1987年、p.122.
吹田・新保『理工系の微分積分学』学術図書出版社、1987年。pp.115-6.
松坂『解析入門1』5.2-A (p.165);


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