1変数関数y=1/xの性質 :トピック一覧   
グラフ/値域/有界性/最大最小/増減/単射/全射/全単射/逆関数/極限/連続/ 極大極小/ 凹凸

1変数関数の具体例:y=x / y=x2/ y=x3   →べき関数
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1変数関数に関する諸概念の定義:1変数関数一般の定義/極限/連続性/微分/定積分/広義積分/スチルチェス積分
関数定義関連ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般 
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y=f(x)=1/x 

R(−∞,∞で定義された対応y=f (x)=1/xは、関数の定義を満たさない。
   なぜなら、
   x=0Rにおいて、 f(0)=1/0φとなる(∵実数体の定義)から。
・しかし、
 R(−∞,∞から0を除いたR{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された対応
    y=
f (x)=1/x
 は、関数の定義を満たす。
・したがって、通常、「y=f (x)=1/x定義域」は、
 0を除く実数全体(−∞,0)(0, +∞)とされる。

  y=f(x)=1/xグラフは、以下のとおり。
y=1/xのグラフ
このグラフを、直角双曲線と呼ぶ。

[文献]
・『高等学校数学I』p.138
・松坂『解析入門1』3.1-D(p.100)
・小林昭七『微分積分読本:1変数』第2章-1(p.39):有理関数一般。

一般化

べき関数   



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y=1/xの値域range 
  ・「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
 の値域は、「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)




y=1/xは非有界
  ・0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
 は、上にも下にも有界ではない

[文献]



y=1/xの最大値・最小値
  ・0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
 には、最大値最小値も存在しない。
y=1/xのグラフ

[文献]




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y=1/xの増減
  開区間(−∞,0)で、y=1/xは、狭義単調減少
開区間 (0, +∞)で、y=1/xは、狭義単調減少
定義域全 体(−∞,0)(0, +∞)では、y=1/x単調減少ではない。
y=1/xのグラフ
[文献]
  ・松坂『解析入門1』3.1-D(p.100)


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y=f(x)= 1/x と全単射
  「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
 は、単射
・「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
 は、Rの上への全射ではないが、R{0}(−∞,0)(0, +∞)の上への全射ではある。

 文献見当たらず。 



y=1/xのグラフ




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 y=1/xの極限
  「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
  に関して、以下が成り立つ。
 (1) 0を除くどんな実数aに対しても、 f(x)1/a (xa) 
 (2) f(x) +∞ (x→+0)
    なお、このように、y=f(x)=1/x+∞に発散するのは、
       この「0における右極限」の場合に限られる。
 (3) f(x) −∞ (x→−0)
    なお、このように、y=f(x)=1/x−∞に発散するのは、
       この「0における左極限」の場合に限られる。
 (2+3) 「0における右極限」「0における左極限」が一致しないので、
    y=f(x)=1/xには、「0における極限」は存在しない。
     (収束せず発散するが、発散方向も、0への接近路によって逆)
 (4) f(x) 0 (x+∞)
 (5) f(x) 0 (x−∞)
    なお、このように、y=f(x)=1/x が0に収束するのは、
       この(4)(5)のケースに限られる。 

[文献]

 ・松坂『解析入門1』3.1-F例1(p.103):(2)(3)について; G例2(p.104):(4)(5)について:証明無
 ・和達『微分積分』例題2.4(p.29)
 ・黒田『微分積分学』例3.8(p.95);問題3.2.4;3.2.5(pp.99-100)
 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.1.5(p.109):(1)について
     ・有理関数一般に関して。証明つき。

なぜ?
 (1)
  ・y=g(x)=xの極限の性質より、
      y=g(x)= xは、
     どんな実数aに対しても、 g(x)a (xa)。
  ・したがって、a=0ならば、  g(x)0 (x0)。  
  ・「関数のあいだの商」の極限は、分母0でない限り「関数の極限」の商
   という定理と、
   上記で得られた「g(x)の極限値」より、
     a≠0ならば、1/g(x)1/a (xa)
  ・したがって、f (x)=1/g(x)=1/xは、
    を除くどんな実数aに対しても、 f(x)1/a (xa) 。



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 y=1/xの連続性
  ・「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
  は、
  開区間(−∞,0)で連続
  開区間 (0, +∞)で連続
  x=0において不連続
[文献]
 ・青本『微分と積分1』例1.5.4(p.37):証明なし
  ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.2.5(p.114)
 ・小林昭七『微分積分読本:1変数』第2章-1(p.39):有理関数一般。証明つき。

なぜ?
 ・y=f(x)=1/x という定義より、を除くどんな実数aに対しても、f(a)=1/a
 ・y=f(x)=1/xの極限の性質(1)より、を除くどんな実数aに対しても、 f(x)1/a(xa)
 ・以上二点より、を除くどんな実数aに対しても、 f(x)f(a) (xa) 
  つまり、
  「0
を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
   y=f(x)=1/x
   は、を除くどんな実数aにおいても、連続性の定義を満たす。
  したがって、
  「0を除く実数全体R{0}(−∞,0)(0, +∞)で定義された1変数関数
          y=f(x)=1/x
   は、開区間(−∞,0)および開区間(0, +∞)上の連続関数
 ・y=f(x)=1/xの極限の性質(2)(3)より、
  y=f(x)=1/xには、「0における極限」は存在しないので、
  y=f(x)=1/xは、x=0において不連続。  



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 y=1/xの導関数
 

開区間(−∞,0)で、y=1/xは、
開区間 (0, +∞)で、y=1/xは、
  

[文献]
青本『微分と積分1』例2.9(p.63)


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