1変数関数y=f(x)=x3の性質 :トピック一覧   
グラフ/増減/値域/単射/全射/全単射/逆関数/極限/連続/有界性/最大最小/極大極小
1変数関数の他の具体例:定数値関数/比例/一次関数/反比例/指数関数/対数関数/べき関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数
1変数関数に関する諸概念の定義:1変数関数一般の定義/極限/連続性/微分/定積分/広義積分/スチルチェス積分
関数定義関連ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般
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  y=f(x)= x3

グラフ

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)=x3グラフは、下図のとおり。

[文献]

 ・


y=x~3のグラフ




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y=f(x)= x3の増減
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、狭義単調増加関数
y=x~3のグラフ


 [文献]

 


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y=f(x)= x3の値域
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3値域は、R(−∞,∞

[文献]



y=f(x)= x3は非有界
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、上にも下にも有界でない

[文献]



y=f(x)= x3の最大値・最小値
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3R(−∞,∞における最大値は、
  存在しない。
R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3R(−∞,∞における最小値も、
  存在しない。
y=x~3のグラフ


[文献]




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y=f(x)= x3による逆像

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3」による、y= 逆像(立方根)。

y=f(x)=xによる逆像

[文献]

 ・『岩波数学入門辞典』平方根(p.543)
 ・吉田栗田戸田『高等学校数学I』(p.53)
   上記2文献では、「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」による実数y逆像平方根と呼び、
   実数y>0のとき、二つある平方根のうち、正のほうを√yで表すとしている。
 ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);n乗根一般。
  ・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113);n乗根一般。
 赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。

[解説]

・左図からわかるように、
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2 に関しては、
   (i)任意の正の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、「2個の実数」からなる。
   (ii)y=0に対して、
     y=0のfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数0」のみからなる。
   (iii)任意の負の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、空集合
 となるので、
 「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は、単射ではない。
 したがって、「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、逆関数は存在しない





・ところが、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」に関しては、
   (i)任意の非負の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数」からなる。
   (ii)任意の負の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、空集合
 つまり、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は、
     単射
 したがって、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、
 逆関数が存在する

・「正の実数yの『[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2』による逆像」を、 
       記号  
y 
 または、 y1/2     
  で表す。

・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数[0,∞)で定義された1変数関数x = f-1(y)」を、
    x=f-1(y) 
y 
 または、 x=f-1(y)y1/2  
  で表す。



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  y=f(x)= x3 と全単射
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、単射。 
 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、Rの上への全射
 だから、
 
R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、Rの上への全単射になっている。

[文献]

 ・黒田『微分積分学』3.1.2-例3.2(pp.86-7)


y=x~3のグラフ




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 y=f(x)=x3の逆関数

[説明]

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3単射なので、逆関数が存在する
 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3逆関数は、
      R(−∞,∞で定義された1変数関数x=f-1(y)3 y 。
 慣例に従って、x,yを入れ替えると、
      R(−∞,∞で定義された1変数関数y=g(x)= 3 x 。

[文献]

 ・吉田栗田戸田『昭和63年3/31文部省検定済 高等学校基礎解析』2章1.指数の拡張-[累乗根](p.41)。
 

[図解]

・下図は、R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3のグラフ。
 普通、グラフは、xの値を一つ決めて、それに対応するyの値を読み取っていくものだが、
 逆に、yの値を一つ決めて、それに対応するxの値を読み取っていくと、
 「y=f (x)= x3」の逆対応 x = f-1(y)3 y」のグラフとして下図を読んだことになる。
 同一のyの値に、一個のxの値が対応付けられていることから、
 「y=f (x)= x3」の逆対応 x = f-1(y)3 y」は、
 1変数関数の定義を満たしていると分かる。
 だから、「x = f-1(y)3 y」を、「y=f (x)= x3」の逆関数と呼んでよい。
 y=x~3のグラフ

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3 逆関数x = f-1(y)3 y」を、
 慣例に従ってx,yを入れ替えて、
    y=g(x)=  3 x  
 としたグラフが下図。


1変数関数の「逆関数(の存在)」定義
※1変数関数の具体例の「逆関数(の存在)」について:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


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y=f(x)=x3の極限
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、
    どんな実数aに対しても、 f(x)a3 (xa) 

なぜ?
  ・y=g(x)=xの極限の性質より、
      y=g(x)= xは、
     どんな実数aに対しても、 g(x)a (xa)。
  ・y=g(x)=x2の極限の性質より、
      y=g(x)= x2は、
     どんな実数aに対しても、 g(x)a2 (xa)。

  ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、
    上記で得られた「g(x)の極限値」より、
           g(x)3a3 (xa)
   ・したがって、f (x)=g(x)3= x3は、
    どんな実数aに対しても、 f(x)a3(xa) 。
 

[文献]

 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.1.5(p.109):
     ・多項式関数一般に関して。
     ・定数関数の極限f(x)=xの極限と、関数の極限の和積による証明つき。
 ・黒田『微分積分学』3.3.2-例3.16(p.102):「任意の多項式はRで連続」。
  ・証明として、
   定数関数とf(x)=xがRで連続だから、連続関数の和差積・定数倍も連続関数より。

1変数関数の極限定義
※1変数関数の具体例の極限:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


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  y=f(x)=x3の連続性
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、
     R(−∞,∞上の連続関数

なぜ?
 ・y=f (x)= x3という定義より、どんな実数aに対しても、f(a)= a3
 ・y=f (x)= x3の極限の性質より、どんな実数aに対しても、 f(x)a3(xa)
 ・以上二点より、どんな実数aに対しても、 f(x)f(a) (xa) 
   つまり、R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、
         どんな実数aにおいても、連続性の定義を満たす。
  したがって、
   R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x3は、
     R(−∞,∞上の連続関数
 

[文献]

 ・黒田『微分積分学』3.3.2-例3.16(p.102):「任意の多項式はRで連続」。
   →証明:定数値関数の連続性y=f(x)=xの連続性連続関数の和積定数倍も連続
 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.2.7(p.115):多項式一般。
        ・証明:多項式関数の極限の性質より。
 ・小林昭七『微分積分読本:1変数』第2章-1(p.38):多項式一般。証明:
   →証明:定数値関数の連続性y=f(x)=xの連続性連続関数の和積も連続
1変数連続関数の定義
※1変数関数の具体例の連続性:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


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