1変数関数y=f(x)=x の性質 :トピック一覧   
グラフ/増減/値域/逆像/単射/全射/全単射/逆関数/極限/連続/有界性/最大最小/極大極小/凹凸    

1変数関数の具体例: y=x2/ y=x3 / y=1/x  → 自然数指数の冪関数/整数指数のべき関数/有理数指数のべき関数/実数指数のべき関数
           定数値関数/比例/一次関数/二次関数/三次関数多項式関数  
           指数関数/対数関数 
           絶対値関数/三角関数 /ガンマ関数
1変数関数に関する諸概念の定義:1変数関数一般の定義/極限/連続性/微分/定積分/広義積分/スチルチェス積分
関数定義関連ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般
総目次

  y=f(x)= x 

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)=xは、Rにおける恒等写像になっている。

グラフ

y=xグラフは、
 ・原点(0,0)で、x軸,y軸と交差する
 ・x軸,y軸にたいして、45°の角度をなす
 ・R2上の直線
 である。  




[文献]



  ・赤攝也『実数論講義』§6.1(p.162)

 


y=xのグラフ




→[トピック一覧:y=f(x)の性質]
総目次


  y=f(x)= xの増減
  y=f (x)= xは、 (−∞,+∞)狭義単調増加関数
y=xのグラフ




  y=f(x)= xの値域
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x値域は、 R(−∞,∞
   
y=xのグラフ



→[トピック一覧:y=f(x)の性質]
総目次

y=f(x)= xによる逆像
 
[図]R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xによる y= 逆像 f-1(  )
 y=xによる逆像

 





・左図からわかるように、
 


  どのように、実数yを選んでも、
   実数yfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数」からなる。

・つまり、
 「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x」は、
  単射である。

・このことを根拠として、
  「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x
  には逆関数が存在するといえる。








y=f(x)= xは非有界
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、上にも下にも有界でないy=xのグラフ



y=f(x)= xの最大値・最小値
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xR(−∞,∞における最大値は、
  存在しない。
R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xR(−∞,∞における最小値は、
  存在しない。


→[トピック一覧:y=f(x)の性質]
総目次

  y=f(x)= x と全単射
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、単射であり、かつRの上への全射
 したがって、R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、Rの上への全単射

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x単射だといえるのは、なぜ?
 →下図をいじるとわかるように、
  どのように、実数yを選んでも、
      実数yfによる逆像 f−1(y)が「1個の実数」からなる
  から。
 





・このことを根拠として、  


 「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x
 には逆関数が存在するといえる。









[図]

 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xによる y= 逆像 f-1(  )
 y=xによる逆像


→[トピック一覧:y=f(x)の性質]
総目次

y=f(x)=x の極限

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、
    どんな実数aに対しても、 f(x)a (xa) 





なぜ?

y=f (x)= xの定義より、(xR)(x=f(x))だから、
  どんな実数aに対しても、
    xR ( |xa||f(x)―a| )

・したがって、
 どんな実数aに対しても、
  ε>0 xR ( 0<|xa|<ε|f(x)―a|<ε)
 が満たされる。

 よって、
 どんな実数aに対しても、
  ε>0と、δ=εとに対して、
    xR ( 0<|xa|<δ|f(x)a|<ε)
 が満たされることになる。    

・つまり、
 どんな実数aに対しても、
  f(x)a(xa)の定義
  「ε>0 δ>0 xR ( 0<|xa|<δ|f(x)a|<ε)」
 は満たされる。










【関連項目】
 ・1変数関数の極限定義
 ・1変数関数の具体例の極限:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数
【文献】
 ・黒田『微分積分学』3.2.1-例3.5(p.93):証明つき。
 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.1.5(p.109):証明つき。


 ・赤攝也『実数論講義』§6.1例4(p.165):ε-δ論法による証明付。
 



→[トピック一覧:y=f(x)の性質]
総目次

  y=f(x)=x の連続性

 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、

     R(−∞,∞上の連続関数
  





なぜ?

y=f (x)= xという定義より、
   どんな実数aに対しても、f(a)= a
y=f(x)=xの極限の性質より、 
   どんな実数aに対しても、 f(x)a (xa)
・以上二点より、
 どんな実数aに対しても、 f(x)f(a) (xa) 
 つまり、
 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、
   どんな実数aにおいても、連続性の定義を満たす。
 したがって、
   R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xは、
     R(−∞,∞上の連続関数。  
 










【関連項目】
 ・1 変数連続関数の定義
 ・1変数関数の具体例の連続性:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反 比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶 対値関数/三角関数/ガンマ関数
【文献】
 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデル タ+積分』例3.2.7(2)(p.115):
         証明は、y=f(x)=xの極限の性質より。
 ・小平『解析入門I』§2.2-a (p.81):「明らかに」として証明なし
 ・小林昭七『微分積分読本:1変数』第2章 -1(p.38):証明なし「明らかに連続」


 ・赤攝也『実数論講義』§6.3例3(p.176): 証明付。




→[トピック一覧:y=f(x)の性質]
総目次

 y=f(x)=x の逆関数
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xには、逆関数が存在する
 ※なぜ?
  どのように、実数yを選んでも、実数yfによる逆像 f−1(y)は「1個の実数」からなる[→下図]。
 





【関連項目】  


 ・1変数関数の「逆関数(の存在)」定義
 ・1変数関数の具体例の「逆関数(の存在)」について:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数









[図]

 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= xによる y= 逆像 f-1(  )
 y=xによる逆像

  だから、
  実数yに対して、その「fによる逆像f-1(y)」を返す「対応規則」
     x = f-1(y)  
  は、R(−∞,∞で定義された関数の定義を満たす。 



R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x逆関数は、
    xf -1 (y)y
  慣例に従って、x,yを入れ替えて、独立変数をx,従属変数をyで表すと、
 R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x逆関数は、
    y=g(x)= x