1変数関数y=f(x)=x2の性質 :トピック一覧   
グラフ/増減/値域/有界性/最大最小/逆像(平方根および√)/単射/全射/全単射/逆関数/極限/連続/極大極小 
平方根と√の定義 

1変数関数の具体例:y=xy=x3 / y=1/x  → 自然数指数の冪関数/整数指数のべき関数/有理数指数のべき関数/実数指数のべき関数
           定数値関数/比例/一次関数/二次関数/三次関数多項式関数  
           指数関数/対数関数 
           絶対値関数/三角関数 /ガンマ関数
1変数関数に関する諸概念の定義:1変数関数一般の定義/極限/連続性/微分/定積分/広義積分/スチルチェス積分
関数定義関連ページ:2変数関数/n変数関数/実数値関数一般/ベクトル値関数/写像一般
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  y=f(x)= x2



グラフ

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)=x2グラフは、
 ・原点(0,0)でx軸に接する
 ・下に凸な 
 ・R2上の放物線
 である。  




[文献]
 中学生向けの教科書で、お馴染み。
 あえて、文献をあげると、

 ・松坂『解析入門1』3.1-D(p.100);









y=x~2のグラフ


[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2グラフ
y=x^2の[0,∞)への制限


・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の(-∞,0]への制限
  すなわち、「(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2」のグラフ





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  y=f(x)= x2の増減
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、
        (−∞,+∞)における単調関数ではない。y=x~2のグラフ





[文献]
 中学生向けの教科書で、お馴染み。
 あえて、文献をあげると、

 ・松坂『解析入門1』3.1-D(p.100);




 

・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の(-∞,0]への制限(すなわち、「(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) 
  は、狭義単調減少関数
     

・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の[0,∞)への制限(すなわち、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」)
  は、狭義単調増加関数
     y=x^2の[0,∞)への制限


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  y=f(x)= x2の値域
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2値域は、[0,∞)
y=x~2のグラフ




・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の(-∞,0]への制限(すなわち、「(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) 
  の値域も、[0,∞)

   

・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の[0,∞)への制限(すなわち、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」) 
  の値域も、[0,∞)

   y=x^2の[0,∞)への制限





y=f(x)= x2は非有界
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、下に有界だが、上に有界ではないので、
           有界でない


y=f(x)= x2の最大値・最小値
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2R(−∞,∞における最大値は、
  存在しない。
R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2R(−∞,∞における最小値f(0)=0。
  



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y=f(x)= x2による逆像、平方根、√

 一般化:y=x3による逆像/べき関数y=xnによ る逆像




[文献]
 ・『岩波数学入門辞典』平方根(p.543)
 ・吉田栗田戸田『高等学校数学I』(p.53)
   上記2文献では、「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」による実数y逆像平方根と呼び、
   実数y>0のとき、二つある平方根のうち、正のほうを√yで表すとしている。
 ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);n乗根一般。
 ・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113);n乗根一般。


 赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197) 

[解説]

・左図からわかるように、
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2 に関しては、
   (i)任意の正の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、「2個の実数」からなる。
   (ii)y=0に対して、
     y=0のfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数0」のみからなる。
   (iii)任意の負の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、空集合
 となるので、
 「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は、単射ではない。
 したがって、「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、逆関数は存在しない

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」による、y= 逆像(平方根)。

y=f(x)=xによる逆像




[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」による、y= 逆像(√y)。
y=f(x)=x^2による逆像
・ところが、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」に関しては、
   (i)任意の非負の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、「1個の実数」からなる。
   (ii)任意の負の実数yに対して、
     yfによる逆像 f−1(y)は、空集合
 つまり、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は、
     単射
 したがって、「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、
 逆関数が存在する

・「正の実数yの『[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2』による逆像」を、 
       記号  
y 
 または、 y1/2     
  で表す。

・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数[0,∞)で定義された1変数関数x = f-1(y)」を、
    x=f-1(y) 
y 
 または、 x=f-1(y)y1/2  
  で表す。

√を一般化した概念→  3 / n 


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y=f(x)= x2 と全単射

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、単射ではない。
 な ぜ?→下図をいじるとわかるように、
      任意の正の実数yに対して、
      yfによる逆像 f−1(y)は 「2個の実数」からなるので。
 [図] (−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2による、y= 逆像

y=f(x)=x^2による逆像

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、Rの上への全射ではないが、
                        
[0,∞)の上への全射ではある。






【関連事項】
 ・定義の確認→1変数関数が単射/全射/全単射 
 ・類例の参照→y=xの全単射の検討/y=x3の全単射の検討
 ・一般化した事例の参照→自然数指数の累乗関数の全単射の検討
            整数指数の累乗関数の全単射の検討 
            有理数指数の累乗関数の全単射の検討 

【文献】

 ・黒田『微分積分学』3.1.2-例3.2(pp.86-7)
 ・ラング『ラング現代微積分学』0章§2例3(p.6) 







[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2単射になる。
 な ぜ?→下図をいじるとわかるように、
      ど のように、実数yを 選んでも、
         実数yfによる逆像 f−1(y)が 「1個の実数」からなる
         または
         実数yfによる逆像 f−1(y)空集合 
      となるから。
  [図]「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」による、y= 逆像
y=f(x)=x^2による逆像
[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、Rの上への全射ではないが、
                     [0,∞)の上への全射ではある。
・だから、
  y=f (x)= x2を対応規則とする「f:[0,∞)R」は、全単射にならないものの、
  y=f (x)= x2を対応規則とする「f:[0,∞)[0,∞)」は、全単射になっている。

(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2単射になる。
 
(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2Rの上への全射ではないが、
                     
[0,∞)の上への全射ではある。
 だから、
  
y=f (x)= x2を対応規則とする「f:(−∞,0]R」は、全単射にならないものの、
  y=f (x)= x2を対応規則とする「f:(−∞,0][0,∞)」は、全単射になっている。






[文献]
 ・加藤十吉『微分積分学原論』4.3-例9:2次関数(pp.36-7)
 ・『解析演習ハンドブック1変数関数編』ex.1.1.12(p.11) 






→[トピック一覧:y=f(x)=x2の性質]
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 y=f(x)=x2の逆対応、逆関数、平方根の定義
→[R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数]
→[[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数と√の定義]
→[(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数]

1変数関数の「逆関数(の存在)」定義
※1変数関数の具体例の「逆関数(の存在)」について:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数


R=(−∞,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆対応・逆関数


[逆関数の存在の有無]

・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は単射でないから、
 「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応は、
   
関数の定義を満たしていない。
  すなわち、
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2逆関数は存在しない。

[文献]

 ・青本『微分と積分1』例1.49(p.34);例1.81(p.48):[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2逆関数について。証明なし.
 ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);n乗根一般。
  ・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113);n乗根一般。
 赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。
  ・『岩波数学入門辞典』平方根(p.543)
  ・『高等学校 数学I』(p.53)

[解説]

 ・「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」のグラフを、
   通常とは逆に、
     「yの値を一つ決めて、それに対応するxの値(yの値の逆像)を読み取る」
   という方向で読み取れば(→右図)、
   「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応x = f-1(y)」のグラフ
   となる。
 ・ 同一のyの値に、複数のxの値が対応付けられていることから、
  「R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応 x = f-1(y)」は、
   1変数関数の定義を満たしていない
   〜つまり、R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2逆関数は存在しない〜
   と分かる。

[図:「y=x2のグラフ」を「逆対応のグラフ」として読む]

R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応x =  f-1(y)
       y= に対応するx = f-1(y)の 値は…? 

y=f(x)=x^2による逆像


 ・R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2逆対応x = f-1(y)」を、
  慣例に従って、x,yを入れ替えて、
      y=g(x)= f-1(x) ±√x 
  としたグラフが下図。
  同一のxの値に、複数のyの値が対応付けられており、関数の定義を満たしていない。
y=^2の逆対応

  したがって、R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2逆関数は存在しない。


[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数





[文献]
 ・青本『微分と積分1』例1.49(p.34);例1.81(p.48):[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2逆関数について。証明なし.
 ・小平『解析入門I』§2.3-a) (p.89);n乗根一般。
  ・ 松坂『解析入門1』3.2E-例(p.113);n乗根一般。
 赤攝也『実数論講義』§6.5定義6.5.3(p.197):。
  ・『岩波数学入門辞典』平方根(p.543)
  ・『高等学校 数学I』(p.53) 





[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2を考える(→下図)。
  y=x^2の[0,∞)への制限


[逆関数の存在の有無]

・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」は単射になるので、
 「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆対応は、
   
関数の定義を満たす。
  すなわち、
   「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」には、逆関数が存在する

[逆関数の定義域]

[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の値域[0,∞) だから、
 「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数は、
 「[0,∞)で定義された1変数関数x= f-1(y)」となる。

[逆関数の表現]

・「正の実数yの『[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2』による逆像」は、
       記号  
y 
 または、 y1/2     
  で表される。
  したがって、
  「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数
       「[0,∞)で定義された1変数関数x = f-1(y)
  は、
    x=f-1(y) 
y 
 または、 x=f-1(y)y1/2  
  と表される。 



[ [0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数のグラフ]

・「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」のグラフを、
   通常とは逆に、
   「yの値を一つ決めて、それに対応するxの値(yの値の逆像)を読み取る」
  という方向で読み取ると(→右図)、
  「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数 x=f-1(y) 
y 
グラフ 
  となる。
・慣例に従って、
  「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」の逆関数 x=f-1(y) 
y 

 のx,yを入れ替えて、
  y=f-1(x) 
x 

 としたグラフが下図。
y=x^2の[0,∞)への制限の逆関数

[図:「y=x2のグラフ」を「逆関数のグラフ」として読む]

    「[0,∞)で定義された1変数関数y=f (x)= x2」による、y= 逆像は…?
y=f(x)=x^2による逆像


(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2の逆関数


(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2を考える(→下図)。
    

 ・(−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x2単射になるので、逆関数が存在する
  (−∞,0]で定義された1変数関数y=f (x)= x逆関数は、
      [0,∞)で定義された1変数関数x=g(y)= −√y 。
      慣例に従って、x,yを入れ替えると、
      [0,∞)で定義された1変数関数y=g(x)= −√x 。
      このグラフは、下図。






→[トピック一覧:y=f(x)=x2の性質]
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y=f(x)=x2の極限
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、
    どんな実数aに対しても、 f(x)a2 (xa) 

なぜ?
  ・y=g(x)=xの極限の性質より、
      y=g(x)= xは、
     どんな実数aに対しても、 g(x)a (xa)。
  ・「関数どおしの積」の極限は、「関数の極限」どおしの積となるという定理と、
    上記で得られた「g(x)の極限値」より、
           g(x)2a2 (xa)
   ・したがって、f (x)=g(x)2= x2は、
    どんな実数aに対しても、 f(x)a2(xa) 。
 




【関連事項】
1変数関数の極限定義
・1変数関数の具体例の極限:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数

【文献】
 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.1.5(p.109):
     ・多項式関数一般に関して。
     ・定数関数の極限f(x)=xの極限と、関数の極限の和積による証明つき。
 ・黒田『微分積分学』3.3.2-例3.16(p.102):「任意の多項式はRで連続」。
  ・証明として、
   定数関数とf(x)=xがRで連続だから、連続関数の和差積・定数倍も連続関数より。








→[トピック一覧:y=f(x)=x2の性質]
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  y=f(x)=x2の連続性
  R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、
     R(−∞,∞上の連続関数

なぜ?
 ・y=f (x)= x2という定義より、どんな実数aに対しても、f(a)= a2
 ・y=f(x)=x2の極限の性質より、どんな実数aに対しても、 f(x)a2(xa)
 ・以上二点より、どんな実数aに対しても、 f(x)f(a) (xa) 
   つまり、R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、
         どんな実数aにおいても、連続性の定義を満たす。
  したがって、
   R(−∞,∞で定義された1変数関数y=f (x)= x2は、
     R(−∞,∞上の連続関数。    




【関連事項】
 ・1変数連続関数の定義
 ・1変数関数の具体例の連続性:
   定数値関数/y=x/比例/一次関数/反比例/二次関数/べき関数
   指数関数/対数関数/絶対値関数/三角関数/ガンマ関数
【文献】
 ・黒田『微分積分学』3.3.2-例3.16(p.102):「任意の多項式はRで連続」。
   →証明:定数値関数の連続性y=f(x)=xの連続性連続関数の和積定数倍も連続
 ・吉永『初等解析学:実数+イプシロンデルタ+積分』例3.2.7(p.115):多項式一般。
        ・証明:多項式関数の極限の性質より。
 ・小林昭七『微分積分読本:1変数』第2章-1(p.38):多項式一般。証明:
   →証明:定数値関数の連続性y=f(x)=xの連続性連続関数の和積も連続




 



→[トピック一覧:y=f(x)=x2の性質]
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1変数定数値関数の導関数