借金なんかで死ぬな−開業マニュアル−

土地家屋調査士は、土地の境界に最も詳しいスペシャリストです。
土地・建物の調査、測量、登記に関する仕事で社会に貢献しています。

開業マニュアル

24.借金なんかで死ぬな

調査士の話題としてはいささか適さないのかもしれませんが、経済社会に身を置いている以上、そのような場面に遭遇しないためにも転ばぬ先の杖として取り上げてみました。

ご存じのように自殺が新聞で報道されることはほとんどなく、プライバシーにも関わるため特異なケースでなければニュースで取り上げられることはめったにありません。

しかし、警察庁発表の資料によると、毎年3万人を超えています。

あの阪神大震災死者6433人の約5倍、交通事故死者数の4倍です。あの湾岸戦争では約1万人が亡くなっていますが、その3倍以上もの人々が平和と言われる日本で自らの命を絶っています。

これは大戦争に匹敵するほどの凄まじさですが、事が静かに進行しているために問題視されずにいます。(なぜか政府やマスコミは関心が薄い)

その中でも特に多いのが中高年男性の自殺です。これが男性全体の平均寿命を引き下げる要因になっているほど事態は深刻です。

年齢別では、健康上の理由で60歳以上が最も多く、年代が低くなるごとに少なくなっていきますが、経済・生活問題を自殺理由にあげる人は30〜50代に最も多いという特徴があります。

日本の教育に欠けている最悪のこと」でも書きましたが、日本人はお金に関する教育がほとんどなされていません。にも関わらずサラ金会社が東証一部上場されるということから、借金することに抵抗感のない人々が増えているようです。

以前、知人から多重債務について相談される機会がありました。約10年サラ金と取引があり、今は借金返済のために借金を繰り返す自転車操業状態でした。

本人はおとなしい性格で多重債務のきっかけは、パソコンを購入するために30万円借金したことから始まったそうです。

サラ金会社の営業戦略はきめ細かく、取引の信用がついたという理由で全額返済させることなくどんどん借金の枠を広げて融資するようになったそうで、最後には自宅を抵当に入れる寸前までに債務が膨らみ、法的解決以外にない状態でした。

弁護士の力を借りながら債務処理を行ったようです。
最悪の解決手段を選ばないうちに適切な処理方法に巡り会ったことは幸運だったと思います。

やはりお金の知識が欠落している日本の教育は現実の経済世界では役立たないことを痛感します。
今回の多重債務問題で、あれこれ調べているうち非常に役立つ情報に巡り会えました。

こちらです。↓
http://www.nekojiro.net/

この吉田猫次郎さんは弁護士や司法書士など専門家の間でも一目おかれた存在です。

彼の壮絶な体験談を読むうちに、借金で死ぬことなんかないのだということが良くわかりました。非常に読み応えのある内容です。このような境遇に直面している人を知っていたら是非とも教えてあげて下さい。

借金にケリをつける法 吉田猫次郎著

猫の手、貸します その借金、なんとかしましょう  吉田猫次郎著

そして次に彼の最も素晴らしい提案をご紹介します。

連帯保証人制度のせいで企業家はスクラップ&ビルドが思うようにできない。金融機関は不良債権処理が進まない。 
これが、日本経済を停滞させ、成長を大きく妨げているのです。

連帯保証人制度を廃止すれば、不採算事業から退くことも新規事業を起こすことも楽にできるようになるので、起業&廃業の新陳代謝が活発になり、有望な起業家が沢山育ち、金融機関の構造改革も進み、日本経済は底から湧きあがるように活性化されていくはずです。

今回は重い題材でなかなか思うようには書けませんでしたが、個人としてお金に向き合うために是非とも心に留めておいていただきたいと思います。


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