司法書士は最強パートナー−開業マニュアル−

土地家屋調査士は、土地の境界に最も詳しいスペシャリストです。
土地・建物の調査、測量、登記に関する仕事で社会に貢献しています。

開業マニュアル

11.司法書士は最強のビジネスパートナー

土地家屋調査士と司法書士をダブル取得されている方であれば問題ないのですが、私のように調査士の資格だけで開業しようという場合は、必ず司法書士との連携が必要になります。

土地家屋調査士は不動産の表示に関する登記を扱い、司法書士は権利に関する登記を扱うので、基本的な仕事の流れは、土地家屋調査士→司法書士となるわけです。例えば新築住宅の登記を依頼されると、まず土地家屋調査士が最初に建物の所在、種類、構造、床面積、新築年月日、所有者の特定をして、法務局に建物表題登記を申請すると登記簿(表題部)に記載されます。

この後は司法書士が引き継ぎ、権利の登記(所有権や抵当権)を法務局に申請することになります。
ですから、土地家屋調査士の職域だけで業務を完結させることはできないのが普通です。

そこで、土地家屋調査士として開業する際には、将来に渡ってお世話になるベストパートナーの司法書士を必ず見つける必要があります。

1つの例ですが、年間業務の8割以上を1人の司法書士と付き合うだけで事務所が成り立っている調査士さんもいます。

このケースの場合、司法書士が圧倒的な力を持っていますので、対等の立場でやって行けないような気がします。日本とアメリカのような関係になりがちです。

仕事になるんだったらこのような力関係でも良しとするのであればいいのですが、長く仕事をやっていく中で、よくあるのがバックマージンの問題です。営業経費として妥当な範囲であれば問題ないのですが、一方的な取り決めだと単価的には調査士報酬が高いために不満が蓄積しかねません。

ですから、私がお世話になっている司法書士の先生と私の関係を例にすれば、お互いの資格エリア内でそれぞれの職域をまっとうすることが第一なのであり、それ以外のことには一切干渉しないことが基本となっています。

このような関係であればバックマージンの問題は発生しません。それでいいんじゃないでしょうか?

なので、理想的な関係を将来に渡って築くことのできる司法書士さんを見つけることが、調査士事務所を成功させるために最も重要な鍵となります。

で、どのような司法書士さんだったらいいのかなんですが、これは相性の問題も含んでいますので一概には言えません。

だだし、最も避けたいパターンが1つあります。
それは、相手の司法書士さんが土地家屋調査士でもある場合です。このパターンの場合は、こちらから権利の仕事を依頼することはあっても、調査士の仕事が回ってくることは、まずありません。

理想的には、開業が同時期で年齢も近く土地家屋調査士の資格を持っていない司法書士さんがベストだと思います。

お互い仕事がない時期から、協力し合って頑張れるような関係であれば申し分ないと思います。私の場合は幸運にも理想的な司法書士さんに恵まれました。(感謝)m(__)m


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