子宮筋腫と漢方薬

子宮筋腫は、子宮に出来た良性の腫瘍のことで、生命には特に問題ありませんが、大きさや場所によっては辛い症状が起きたり、妊娠しずらくなったりしますので出来れば子宮筋腫は改善したいものです。

 

 子宮筋腫は、発症年齢は中年以降(35才~50才)に多く、肥満や未産婦に出来やすく成人女性の30%位は、何だかの筋腫があると言われています。

 

 子宮筋腫は出来る場所により「体部筋腫・頸部筋腫・多発性筋腫」などに分類されます。
子宮筋腫の大きさは、大人の頭ほどの大きさもあれば、大豆くらいの大きさのものまで様々です。子宮の複数の場所にできる場合もあります。約95%は子宮体部にできます。
子宮筋腫の原因は、今だはっきりとはしていませんが、エストロゲンの過剰分泌が関わっているという説もあります。

子宮筋腫の主な症状

子宮筋腫の症状は、大きさやできる部位によって異なります。

  • 月経過多・・・筋腫の代表的な症状で出血量が多いものと10日以上続く期間の長いものがあります。
  • 貧血・・・貧血のページをご参照ください。

    ⁠腹部のふくらみ・・・筋腫が大きくなると、子宮も膨らみます。 

  • 頻尿・・・筋腫のため子宮が大きくなり周辺の臓器を圧迫します。
  • 生理痛・・・筋腫が原因で起こる生理痛はそれほど重くはありません。
  • 排尿痛・・・子宮が尿道を圧迫しているために起こります。
  • 便秘・・・子宮が直腸を圧迫しているために起こります。
  • 排便痛・・・子宮が直腸を圧迫しているために起こります。
  • 不妊症・・・早産や流産の原因になり妊娠しにくくなります。
  • 流産・・・受精卵が着床しにくくなります。

など重い症状として茎捻転、筋腫分娩があります

 

 子宮筋腫に対する西洋医学の治療としては、経過観察、ホルモン治療、手術があります。
漢方医学的には骨盤内のうっ血状態で、瘀血です。緊急手術以外、例えば経過観察、妊娠を望んでいるとか閉経を待つとかの場合は、漢方薬が適していて子宮筋腫の症状緩和には大変有効です。

 

 子宮筋腫の養生としては、子宮内膜症と同じく規則正しい生活と体を冷やさないこと。合谷、三陰交、血海などのツボを刺激するのもいいですね。

子宮筋腫の漢方薬

漢方では、昔から子宮筋腫に相当する症状を腹部の硬結や腫瘤を「積聚」「塊癖」「血塊」「癥瘕」など様々な言葉で言い表してきました。その意味するところは、腹にできた塊であり不正出血を表すものでした。
漢方の古典である「諸病源候論」には「月経痞渋して通ぜず、産後の余穢つきず、風冷のために乗ぜられ、血冷を受ければ、すなわち結して瘀となり、瘀久しければすなわち変じて積聚癥瘕となる。」とあります。
※「積聚癥瘕」とは腹部にできた塊のこと

 

 人は、気のめぐりが悪くなると血液の流れも悪くなります。先ずは子宮筋腫 漢方芍薬堂 上郡町気のめぐりを良くするためにストレスをためないことです。子宮筋腫は、漢方で言うまさに、先に言いました「諸病源候論」の示すところの「瘀血」そのものであり、気のめぐりが悪くなるとそれが塊となります。冷えはその塊をさらに悪化させます。
漢方薬は、駆瘀血剤を用いる目標になります。

 

 子宮筋腫による不正出血が続くと貧血になります。漢方では血虚とみなし、補血しますが、その場合漢方薬で消化機能を高め、増血しやすい体作りや養生・食養生も考えます。

 

漢方薬は瘀血を目標に骨盤内の微小循環障害の改善に役立つ駆瘀血剤(牡丹皮、桃仁など)を中心に用います。

 

 つまり血液をキレイにし、流れを良くします。温めなければならない人には温める漢方薬を、炎症があり、熱をとってあげなければならない人には清熱作用のある漢方薬を用います。
貧血には補血の働きのある漢方薬を用います。これらは、漢方薬ならではの働きで、漢方薬の真骨頂とも言えます。

 

実際、漢方薬を用いますと、月経過多、貧血、生理痛、便秘、PMS(月経前緊張症)、不妊症、下腹部膨満感、や排尿のトラブルの改善がみられます。

 

 漢方薬の選定については、漢方の物差しである「陰陽・虚実・表裏・寒熱」「気血水」を把握しその人その人の証に合った漢方薬を漢方原則にのっとって用います。子宮筋腫の縮小、消退を目標としますが、子宮筋腫に伴う女性特有の様々な症状の緩和にも漢方薬が大変お役に立ちます。


子宮筋腫の養生

漢方では、養生を大切にします。未病という観点からも養生は大切で、生活習慣をただすだけでなく、さらに重要なのが心養生と食養生です。

 

 子宮筋腫の養生としては、規則正しい生活と体を冷やさないこと。夕食から就寝までは4時間以上開けましょう。ストレスを感じやすい人は、血行を良くしストレス解消できる薬膳茶・ハーブティや香りでリラックスしましょう。
薬膳茶、ハーブティーには、シナモン、サフラワーなどが入った物がお勧めです。三陰交 子宮筋腫
⁠血行を良くする合谷、三陰交、血海などのツボを温めたり刺激するのもいいですね。

 

 心養生は、ストレスに対する心のあり方です。子宮筋腫になると精神的にも不安定になりストレスを感じやすく、更年期に差し掛かる場合もあり、往々にしてストレスに負けてしまう時もあります。自分なりのストレス発散方法を身に着けメリハリのある日常を過ごしましょう。

 

 子宮筋腫の原因は、瘀血、ストレスであることから、これらを考えた食養生が大切です。
 先ず「瘀血」に関しては、漢方薬でしか対処出来ませんので、漢方薬でしっかりと「瘀血」をさばき、その作用を助けるために体を冷やす生活や食べ物を改めることです。

 

 体を温めることで血行が良くなり、瘀血が排出しやすい体質づくりをします。食べ物は、温性の食べ物をバランスよく薬膳の理論で調理し食べます。
薬膳に用いられる紅花(コウカ)は血行促進の作用があり、是非使っていただきたい食材の一つです。実際、漢方薬の中にも血行促進を目的に紅花が配合された漢方薬があります。

 

 お勧めの食材は、菜の花、よもぎ、きくらげ、イカ、くるみ、黒胡麻、黒豆、大豆などで、これらを薬膳の理論で五味を調え、日々の食卓に上らせれば、良い食養生となり、漢方薬の効き目も一層上がることでしょう。
上郡町産、佐用町産の黒豆や大豆も手に入るようになってきましたので、地産地消もお勧めです。

 

 

子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫などの漢方薬、養生法(薬膳)のご相談は上郡町漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。

卵巣嚢腫

卵巣は、体の中で最も腫瘍のできやすい部位で、そのうち90%が良性腫瘍です。卵巣嚢腫は卵巣に体液がたまりぷよぷよした状態で「皮様嚢腫」「偽ムチン嚢腫」「漿液性嚢腫」の3種に分類されます。
卵巣嚢腫は、卵巣水腫とみて水毒ととらえがちですが、水毒をさばくだけでは解決しないもので、気血水の全体像から把握し、それぞれのアンバランスの是正や、水毒、血毒、気毒を捉えた漢方的なアプローチが必要となります。

 

 主な症状は、腹部圧迫感、下腹部痛、腰痛便秘、排尿困難、むかつき、嘔吐など
 卵巣嚢腫においても漢方では、子宮筋腫と同じとらえ方をし駆瘀血剤を中心にその人の証により処方を決定します。

 

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