ストレス性腰痛(心因性腰痛)

腰痛は高齢者に限らず若い人にもよくある症状で、最近では慢性的な腰痛に悩まされている人も多くおられます。腰痛は、人が2本足歩行するようになったために起こる訳でいわば宿命的なもので脊椎を支える腹筋、背筋の衰えも原因に挙げられます。

 

 症状は腰の痛みだけに留まらず足の痛み、しびれ、冷感などの症状もあり、更に進むと肩こり、頭痛などを伴います。痛みが移動したり、時間によって痛みの度合いが違ったり、同じ姿勢でも痛みがある時とない時と様々です。

 

 腰痛はスポーツ、事故、ケガ又は内科的な疾患によっても起こりますが、慢性的な腰痛は同じ姿勢を続けていたり精神的なストレスが原因でも起こります。
マッサージをしてもその時は楽なのですが、また痛み出します。様々な腰痛に根本的原因を改善する漢方薬が大変有効です。

腰痛の80%は原因不明

病院でレントゲンやMRIの検査を受けても原因や場所の特定が出来ない腰痛はストレスが原因かも

 

 ストレスにより自律神経が乱れ交感神経の緊張、筋肉の緊張そして血行不良へと進み腰痛を悪化させます。自律神経の乱れは脳にも影響し脳の誤作動で神経伝達物質の異常から小さない痛みも強い痛みに感じてしまうのです。
つまり心の疲れが体の疲れとなり慢性的な腰痛を引き起こします。
最近特に多いのがこのストレス性腰痛で、それに冷えが加わることで更に悪化します。つまりストレスと冷えが腰痛の原因とも言えます。

 

ストレス発散で腰痛改善

 

 ストレスのない社会、生活はあり得ません。うまくストレスを発散したり気分転換をしたり、軽いストレッチや軽いウォーキングなどでリラックスして自律神経の調整をしましょう。睡眠も重要な要素で充分な睡眠時間と熟睡できる環境を確保しましょう。

 

 ストレス性腰痛をお持ちの方には精神的な訴え、例えば不眠、不安感、うつ、イライラなどの症状を持っておられる方も多く、それらを総合的にケアすることが重要です。

腰痛と漢方薬

漢方の古典である黄帝内経素問の「脈要精微論 第17」には
「腰は腎を納めている所なのですが、五臓がこれに強さを与えなくなりますと、腎がまず疲れて機能を失い、その結果、腰を動かすことができなくなります。」
また
「腎脈が堅くて長く顔色が黄色で赤味をおびているのは腰痛を病んでおります。」
というように腰と腎との関係性を示唆しています。~参照「意釈黄帝内経素問 小曽戸丈夫・浜田善利 共著」

 

その後、日本で漢方薬が高度な発展を遂げた江戸時代の医師、有持桂里はその著者の中で腰痛に関して「腰痛の来る処其の病因彼是あり、或は瘀血になるものあり、或は打撲に因るものあり、或は疝に因るものあり、或は湿気に感ずるによるものあり、或は傷寒に因るものあり、或は腎虚に因るものあり、婦人は凡て閉経帯下に因るものあり、此の如く来る処多くあれども腰痛は先ず兼症にて、主病たる者にてはなさない。夫故に治法も本病さへ治すれば腰痛も従って治るなり」と述べています。

 

 西洋医学では、腰痛の80%は原因不明となっていますが江戸時代には腰痛の原因がこれだけ明らかになっており、腰痛の多くは、それが主たる病ではなく、主たる病の一症状として現れるとしています。これらのことから腰痛の病名が何であれ漢方薬で対応できるということです。
漢方は原因療法です。根本的なその人の病気を改善することで結果、腰痛を治します。腰痛に効く漢方薬と言う短絡的なものではなく、本質的な治療を漢方薬で行います。

 

 腎虚に因る腰痛と出てきましたが、腎気が損なわれるとストレスに対して弱くなってきます。それを昔の人は「腰砕け」「腰が抜ける」「腰が入らない」などと表現してきました。腰痛の背景には、ストレスによる気の鬱滞や自律神経失調症があることが分かります。
また、加齢現象からくる腰痛も多くは腎虚と言えます。

 

腎虚による腰痛によく用いられる八味地黄丸について、浅田宗伯の「勿誤薬室方函口訣」には
「此は専ら下焦を治す。~虚労腰痛等に用いて効あり~」
というように地黄剤、附子剤は腰痛によく用いられます。

ストレス性腰痛(心因性腰痛)に漢方薬

ストレス性腰痛の原因が精神的ストレスで血行不良も伴うことから、漢方薬の気のめぐりを良くする気剤や血行を良くする血剤が配合された漢方薬をその人その人の証に従い選定します。何か好きなことに夢中になっている時は腰痛を感じないものです。
腰痛を起こしている元の病気を改善して腰痛を改善する、心身両面からアプローチできる漢方薬の面目躍如たるところでもあります。

腰痛を伴う他の疾患

急性腰痛症(ぎっくり腰)
 ぎっくり腰は、重い荷物を持ったり、中腰で不自然な姿勢をしたり、咳をした時などに突如として起こる腰痛です。原因は様々で原因不明もあれば、変形性脊柱症、骨粗鬆症、椎間板ヘルニアなどによって起こる場合もあります。

 

腰部椎間板症

 

椎間板ヘルニア
多くは突然発症し、痛みで立とうとしても立てなくなります。原因は、椎間板が水分を失い変性し神経根を押さえつけることによって起こります。

 

股関節腰痛

 

変形性股関節症
肥満している人に多く発症し、先天性股関節脱臼を十分に治療していない人の中年以降に発症する人と、そういった原因がなくて起こる場合があります。

 

腰部脊柱管狭窄症

 

坐骨神経痛

 

腰椎すべり症(腰椎分離) 

 

変形性脊椎症
 第5、6頚椎、第1、2、4、5腰椎に起こりやすく、更年期障害の一つとして起こる場合が多く、骨粗鬆症を併発している場合もあります。
動き始めに痛みがあったり、腰が伸ばしづらくなり、お風呂などで温もると楽になります。

 

骨粗鬆症
骨梁が減少し骨がもろくなる病気。転んで骨折して寝たきりになる原因の一つでもあります。骨の元となるカルシウム、骨梁の元となるタンパク質、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを積極的に摂る必要があります。
「大人の粉ミルク」はこれらが効率用摂取できます。

 

感染性脊椎症

 

悪性腫瘍(ガン)

 

このような腰痛にも漢方薬がお役に立ちます。
腰痛の漢方薬・養生法のご相談は漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。

腰痛の養生・食養生

腰痛の原因は、他の関節痛、神経痛などと同じように共通した背景があります。それを漢方医学的に言うとその原因は、風寒湿の三邪に因るものと見ます。
この風寒湿の三邪が体を流れる気のルート(経絡)を侵し気血の流れを悪くして痛みを作ります。「通ざれば則痛む」と言われる所以です。

 

 風邪は、風邪(インフルエンザ)による節々の痛みやぎっくり腰、寝違い、三叉神経痛などの元となります。
寒邪は、冬の寒い日や夏の冷房による冷えなどによって体が冷やされ悪化する神経痛、リウマチなどの元となります。
湿邪は、梅雨、長雨、低気圧(台風)などや湿気の多い場所での仕事などで悪化する神経痛や関節痛の元となります。

 

 養生の基本は、体を温めることにあります
食養生では、体を温めるもの、腎を補い利水効果がある食材を摂り入れます。
長ネギ、葛、シナモン(桂皮)、生姜、ニラ、黒豆(補腎・利水)、ヨクイニン(関節痛に良く用いられる漢方薬にも配合されている)などを使って、五味の調和を整えた食養生に心がけましょう。

 

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