健忘症とは・・・(認知症にならないために)

記憶は、見たことや経験したことを覚え込む(記銘)、覚えた記憶を忘れないようにする(保持)、それを再び頭の中に呼び起こし再生する(想起)という三つの過程に分類されます。

 

 加齢とともに物覚えが悪くなったり、人の名前がなかなか思い出せなくなるのは、記憶の記銘や再生能力が低下してくるからです。
また、記憶には短期記憶といつまでも忘れない長期記憶があります。そういった記憶が思い出せなものを短短期憶障害や長期記憶障害といいいわゆる健忘症(物忘れ)のことを言います。

健忘症(物忘れ)の原因

認知症・健忘(物忘れ)は、加齢現象だけでなく疲労やストレスでも起こります。いわゆる脳の疲労です。加齢から来る健忘(物忘れ)は、脳の神経伝達物質の流れが悪くなることから起きます。
この脳の神経伝達物質であるアセチルコリンが減って、情報伝達が鈍くなり、情報伝達路を守る防壁(ミエリン鞘)が傷つき情報の信号が漏れやすくなるためです。
認知症 漢方芍薬堂 上郡町
 脳の血流も関係してきます。特に脳血管性認知症は、脳血流を良くしておくことが大切で、脳卒中(梗塞、脳出血)などの脳血管障害で起こります。
高血圧や高脂血症、糖尿病などは、そのリスクファクターでもあります。動脈硬化をはじめとした疾患は、血管をもろくし血流が悪くなることで、脳への血流量を悪化させます。

 

また、加齢とともに脳細胞は減ってきますし、更年期以降の女性ホルモンの低下が脳の情報伝達物質を減少させる原因の一つであるとも言われています。
エストロゲンが減ると神経伝達物質である幸福感をもたらすセロトニン、元気を出すドーパミン、やる気を起こさせるノルアドレナリンが減ってきます。
これらは、副腎髄質から分泌されるホルモンで、その低下はまさに漢方で言う「腎虚」にあたります。
特に注目したいのは、記憶や学習を司る脳細胞組織「海馬」の細胞は、大人になっても活性化させることができ、認知症予防になることが分かっています。

 

 日ごろの運動や食養生を行い認知症にならないための予防に心がける必要があります。

漢方から見た健忘症と認知症予防

漢方では、漢方の古典である「傷寒論」に「喜忘」と記され、よく物忘れする症状を述べています。
その原因は血流が悪くなることであると述べられています。

 

また、幕末の漢方医、本間棗軒の内科秘録の中に「健忘は、脳海の衰弱にして精神の耗散(散漫としている)したるなり。その人、寒熱は勿論、何らの滞りもなく、身体強健にして、ただ喜んで忘れるのみ。故に名づけて健忘という。夕にあしたのことを忘れ、あしたに夕のことを忘れ。甚しきものは、今言いたることを直ちに忘れて同じことを幾度も言い、今聞きたることを直ちに忘れて幾度も問い返して止まず。妻子を呼ばんと欲すれども名を忘れて急に出でず。この証を多くは中風の先兆に属す。あるいは傷寒、痢病、及び癰疸発背等の大病を患いて後に健忘を患うことあり。また、人老衰するときは無病にても多くは健忘を免れず。
この証を治するには・・・・・」と述べ、その治療は気血を補う漢方薬を使うと述べています。

 

まさしく現代の認知症そのもので、直近の記憶や家族の名前をも忘れてしまう状況は、特徴的で、誰しも加齢による健忘は避けられないと言っています。

 

 認知症の予防のカギともいえる、脳が活動したときに生まれる脳のゴミ、アミロイドβの排出をよくしておくことも脳の血流が良くなければ排出できません。

 

 現代でも、物忘れ(認知症)の改善に気血の流れを良くする漢方薬や加齢を防止する動物性生薬が配合された漢方薬をよく使い認知症の予防に役立っています。
漢方薬は単に健忘症だけを改善したり認知症だけを予防するのではなく、心身共に健康であることを目指し、心身共にアンチエイジングを目指し、健忘症や認知症に付随する周辺症状の改善にも役立ちます。

 

認知症にならないために積極的に漢方薬を役立てましょう。健忘症(物忘れ)予防はまさにアンチエイジングです。

物忘れの養生で認知症予防

養生としては、メリハリのある生活とリラックス。

 

質の良い睡眠
 九州大学の久山町研究で、日本人の高齢者の「睡眠時間5時間以内」「睡眠時間10時間以上」「睡眠薬の使用」は認知症の危険因子であることが示唆され ています。

 

○頭を使う
 テレビをボーと見ているのではなく、読書をしたり、会話をしたりして脳に刺激を与える。

 

○手を使う
 手先を使った趣味であるとか家事をすることで、直接脳に刺激を与える。

 

○新しいことのチャレンジする
 趣味や旅行、交友などわくわく感を味わいメリハリのある生活をする。

 

景色を楽しむウォーキング
 歩くことなど全身運動で脳の血流量が増えカテプシンB(脳神経伝達物質)が増え、海馬の神経細胞が増えます。また、筋肉に少し負荷をかけた運動は、感覚神経が脳とつながり大脳を活性化する。
 また、風景を眺めながらウォーキングをすると、視覚、聴覚、臭覚などから脳へ刺激が与えられる。

認知症予防のための食養生

食養生は、物忘れ・健忘・認知症予防には大変重要で漢方療養の基本でもあります。私たちの心身は、食べ物から出来ています。間違った食べ方、食べてはいけないものを改善し、食養生・薬膳の理にかなった正しい食べ方、正しい食材を理解し食養生を実践しましょう。 
身近な食材を使った薬膳から、漢方食材を使った薬膳まで、漢方理論に基づいた薬膳を漢方の専門家ならではの薬膳をご自宅で実践できる方法でご提案いたします。脳の活性には、健脳食に心がけましょう。
薬膳は、漢方薬同様その人その人に合った薬膳を具体的にご提案いたします。

 

過食、飽食は禁物で、空腹感を感じてから食事をしましょう。空腹感を感じると海馬の働きを良くするホルモン「グレリン」が分泌されます。

 

健忘症(物忘れ)、認知症の漢方薬・養生法のご相談は、上郡町の漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。

 

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