浮腫(むくみ)
むくみ(浮腫)は、体内の水分が様々な原因によって皮下に偏在した状態を言います。むくみは、局所的むくみと全身的むくみがあり、全身に出る場合、顔・まぶた(瞼)や手足に出る場合などがあります。広い意味では腹水もこれに当たります。
長時間の立ち仕事や生理前のむくみは、日常的であり病的ではありませんが、体内の水分が偏在しやすい体質なので日ごろから養生をしておくことも大切です。それ以外の浮腫(むくみ)は、様々な病気の随伴症状として起こりますので、根本的な病気治療を踏まえ、むくみの対策、又は治療が必要になります。
【むくみが起きる病気】
ネフローゼ、腎炎、心不全、腹水、ビタミンB1欠乏症、妊娠中毒症、静脈炎などがあります。
・ネフローゼによる浮腫(むくみ)
瞼のむくみから始まり全身にむくみが広がる。尿量減少がある。
・腎機能障害による浮腫(むくみ)
血圧が高くなり尿量が減少する。
・心性浮腫(むくみ)
足にむくみが出て、動悸息切れが起こる。全身がむくむようになる。
・肝性浮腫(むくみ)
肝硬変などから腹水、足のむくみなどが現れる。
・内分泌性浮腫(むくみ)
・突発性浮腫(むくみ)
・薬剤性浮腫(むくみ)
などに分類されます。
漢方から見た浮腫むくみ
むくみが体内における水分の偏在であることから、漢方では、水毒・水滞ととらえます。
漢方治療の観点から重要なのは、人それぞれ虚実です。全体的な虚実、部分的な虚実を踏まえ、むくみを実腫、虚腫にわけることが出来ます。
虚というのは、病気に対する抵抗力、回復力が弱く、虚弱な人のことを言い、なかなか病気が治りにくいといえます。逆に実というのは、病気に対する抵抗力、回復力がある状態で、体力、免疫力があるとも言えます。一般的には病気が治りやすい。
【実腫】
硬く緊張して弾力があり、なんとなく勢いがあり、指で押さえて凹んでもすぐに戻るむくみ
【虚腫】
なんとなく勢いがなく、むくみに張りがなく、ふわふわと軟らかく指で押さえて凹んでもすぐには戻らないむくみ
この実腫、虚腫の虚実は、局所的な虚実で、実際の虚実はその人の全体像をつかむ必要があります。
特に、体力が低下して尿量が減少して浮腫が現れる場合、腹水が溜まる時があります。肝硬変やがんに多く見られますが、こういった虚証のむくみには、脾胃を補いながら水分代謝を助ける漢方薬を用います。
中年以降、腎機能が低下し、足腰がだるく脱力感があり、夜間頻尿になり、むくみやすいという人には、腎を補う温性の漢方薬を用います。
気血水論から見れば、血水は気の働きでその流れがコントロールされることから、ストレスによる気の巡りが悪くなれば体の水分代謝も悪くなるので、ストレスケア(心養生)も大切になってきます。
むくみに対する漢方薬は、陰陽虚実を把握してその人その人に合った水剤が配合された漢方薬を使い、元の病気の改善も含め、むくみ解消につなげます。主に水剤と言われる生薬の配合された漢方薬を用いますが、生薬にはそれぞれ、どの部位の水毒をさばくのか役割があり、それに適した漢方薬となります。民間療養や薬膳では、ハトムギ(ヨクイニン)、南蛮毛、赤小豆などが良く用いられます。
夏季は、普段より多く水分をとりますので、更にむくみ解消に役立つ食材を組み合わせた食養(薬膳)がお役に立ちます。合わせて汗によって失われたミネラルに対しては、腎の働きを助け、正しい体内のミネラルバランスになるよう海の精などの伝統海塩(昔ながらの塩田法で作った本物の塩)で補いましょう。
むくみ(浮腫)の漢方薬・養生法・食養生(薬膳)のご相談は赤穂郡上郡町の漢方薬専門「漢方芍薬堂」へお気軽にどうぞ。
むくみと養生
むくみを解消する養生の基本は、腎を補い、その機能を高める養生法です。
食養生では腎を補う基本である塩(伝統海塩)が大切で、先にも言いましたように海の精などの正しい自然海塩をとることです。
未だに塩化ナトリウム(食塩)が流通していますが、食塩は、塩化ナトリウムだけなので体内のミネラルバランスが崩れてしまいますし、食塩に疑似的にミネラルを添加した加工塩も多く流通し、使用されている方も多いので、先ずは、しっかり海藻、貝類など海の食べ物を食べましょう。
むくみ解消の食材は、上記以外では、スイカ、そら豆、冬瓜、ヤマイモ、黒豆、ハスの実などです。
むくみの解消には毎日のハトムギ(ヨクイニン)、赤小豆(アズキ)の常食がお勧めです。毎日の朝粥にこれらを入れますと美味しくいただけます。
リフレクソロジー(足つぼ)などで、足裏からの刺激でスッキリ、リラックスし、気血の流れを良くすることも「むくみ」には大変お役に立ちます。
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